「欧州より日本の国債が心配だ」
フジマキ・ジャパン社長 藤巻健史氏
2012/6/14 日本経済新聞
詳細は、リンクを参照して下さい。
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「ギリシャより日本の財政破綻の方が
間近?」 財政破綻問題を、
「しょせんは国の問題」として他人事
のように考えていらっしゃる方も多いかと
思うが、実は自分自身に即、降りかかって
くる大問題でもある。
ほとんどの日本人は現在、間接的に
ではあるが大量に国債を保有している。
金融機関は預かった預金で大量の国債を
買っている。
ゆうちょ銀行などは預かった預金の
約8割を国債で運用しているのだ。
年金も多くが国債で運用されているし、
生命保険会社は集めた保険料を大量に
国債で運用している。
したがって、もし、財政破綻で国債の
価値がなくなれば預金は戻ってこず、
年金は支払われず、生命保険も払われなく
なる可能性がある。
その意味で財政破綻問題は直接的に
個人に影響する問題となる。
個人が直接にダメージをこうむる国の
財政破綻であるが、来る17日のギリシャ
再選挙を控え、世界はユーロ圏の財政破綻
問題で大騒ぎだ。
ギリシャ国債の6割から7割は独仏の
銀行に保有されているので金融システム
不安が起こりかねない。
その他もろもろの危機が他国に連鎖して
いく可能性がある。
要は、ギリシャがこければ他国が大迷惑
する。
だから、今、世界はユーロ問題を注視し
大騒ぎしているのである。
■はるかに財政事情が悪い日本、世界は
無視
一方、彼の国々よりも、はるかに
財政事情が悪い日本のことを世界は無視
しているし、騒いでもいない。
なにせ日本国債の93%は日本人が保有
しているのだから日本がこけても彼らは
直接的な被害を受けない。
損をするのは日本人だけだ。
「勝手にこければ~」というところ
だろうか。
いま世界が注目し騒いでいる南欧諸国
よりも、騒がれていない日本の方が、
実は、よほど危機が身近に迫っていると
私は思っている。
南欧と日本、どちらもポピュリズム
(衆愚)政治だとしても、南欧の場合は、
世界中が注目し騒いでいる。
多少なりとも、世界の目という
チェック機能がある。
それに加えて市場という強力な
チェック機能も働いている。
長期金利が上昇し警戒警報を鳴らして
いる。
その結果、政治家もそれなりの危機感
を持ち真剣に財政赤字問題に取り組んで
いる。
個人も危機に備えている。
皆、シートベルトを締めて緊張しながら
事態に対処しているのだ。
■日本の政治へのチェック機能、市場も
果たしていない
一方の日本は、世界の目という
チェック機能がまず働いていない。
さらにまずいことに市場が政治に対する
チェック機能を果たしていない。
こんなに財政事情が悪いのに長期金利が
低位安定してしまって警戒警報を発して
いない。
だからマスコミも政治家も国民も、
まだ大丈夫だと能天気でいる。
チェック機能が効かないところでは
バブルは想像を絶するほど大きくなり
破裂の衝撃は大きい。
それも警戒感が薄いところにショックが
来るのだから大混乱が予想される。
だから私は南欧諸国より日本の方が
よほど憂慮すべき状態だ、と言っている
のだ。
通常の資本主義国家では、バラマキ政治
がおこなわれると長期債市場が警戒警報を
発する。
「政治家さんよ、人気取りでそんなに
お金をばらまくと、資金不足で長期金利が
上昇しますよ。
それは経済にとって悪影響ですが、
それでもいいのですか?
世間は、バラマキをしたせいで景気が
悪化したとあなたを非難しますよ」
という警戒警報だ。
しかし日本ではいくら政治家がバラマキ
を行っても長期金利が上昇しなかった。
警戒警報のスイッチを切ってしまった
ためだ。
こうなるといくらバラマキをしても痛み
が出ないから、政治家はバラマキ放題だ。
その結果、とんでもないほどの
累積赤字額が溜まり、財政破綻のリスク
というつけが回ってきたのだ。
累積赤字は今や959兆円。
10兆円ずつ返済したとしても96年かかる
額だ。
10兆円を捻出するためには、
(今年度予算は)46兆円の歳入予定だから
36兆円に支出を抑えなければならない。
それなのに、今年度は90兆円も使おうと
している。
さらに社会福祉費は毎年1兆円ずつ
増えるという。
これでは96年どころか200年たっても
300年たっても959兆円を返せない。
さらに、より深刻な問題は借金には
利息を払わなくてはいけないという点だ。
これほどまでの巨額借金を抱えて
しまうと金利が上昇し始めれば支払金利
だけで財政はいちころだ。
よく、「長期金利が上昇していない。
日本の財政はまだ大丈夫だ、と
市場自身が言っている」と発言する識者が
いらっしゃる。
市場原理が働いているのなら、
たしかに、その発言は的を射ているの
だろう。
市場で取引をした経験のない方なら
「市場原理が働いている」という前提で
話をするのは仕方がないのかもしれない
が、長年、長期国債市場で大きな勝負を
してきた私の目からみると残念ながら
この国では「市場原理」は働いていない。
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恐ろしい話だと思う。
どうしてこうも
政治家も、国民も危機感が無いのだろう?
消費税をあげることに賛成とか反対とか
暢気なことを言っている場合ではないと
思う。
収入も無いのに福祉の充実などあり得ない。
収入がないのだから借金しかない。
それはできない。
これ以上金融機関は国債を買い支えられ
ないはずだから、
無駄を省くと言うがいっこうに進まない。
消費税を上げることに反対な人達は
どうやって実現するつもりなのか?
出来るのなら、既に出来ていて良いはず
ではないか?
その手段、方法を具体的に示して欲しい。
スペインの国債金利は7%を突破したと
言うではありませんか、
単純な話、1000兆円の7%=70兆円
ですよ。
消費税であがなうとすると何%に相当する
のか?
5%で10兆とすると35%となる。
今議論している8%とか10%とか
いう話ではない。
それも福祉の為では無い、単に金利を
支払う為だけに負担しなくてはなら
ない。
現状ではいつ上がっても不思議ではない。
いつだかテレビで日本の国債金利の上昇
は2年以内に始まるだろうと言っていました。
実際に国債を売買する人達は売買される
国の都合など考えもしない。
いとも簡単に売り買いする。
恐ろしい状態です。
なのに日本の財政収支の黒字化の戦略を
明確にしようとする政治家が出てこない
のは何故?
そのことを海外に向けて宣言しない限り
日本の破綻は避けられないと見て、
日本国債はどの国も絶対買ってくれない。
よって金利は高くせざるを得ない。
となって日本国債の金利上昇が始まるの
では? これが2年以内?
こういうことを考えると
お先真っ暗になる。
これくらいの危機感を是非政治家には
持って欲しい。
そして命をかけて貰いたい。
今回の消費税くらいのことで政治生命が
どうのとはなんとも暢気な話としか
思えない。
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