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2012年6月15日 (金)

ヒトES細胞から立体網膜の形成に世界で初めて成功

ヒトES細胞から立体網膜の形成に世界で
初めて成功

平成24年6月14日
独立行政法人 理化学研究所プレスリリース
住友化学株式会社

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 理化学研究所(野依良治理事長)と
住友化学株式会社(十倉雅和代表取締役
社長)は、眼組織のもと(原基※1)である
胎児型の網膜組織「眼杯※2」を、
ヒトES細胞※3から試験管内で立体形成
させることに世界で初めて成功しました。

 また、網膜組織の多層構造の立体再構築
を実現し、これを冷凍保存する技術も開発
しました。

 これは、理研発生・再生科学総合研究
センター(竹市雅俊センター長)器官発生
研究グループの笹井芳樹
グループディレクターと住友化学株式会社
生物環境科学研究所(坂田信以所長)を
中心とした研究グループの成果で、
大阪大学蛋白質研究所の研究者らの協力
のもとに進められました。

 ヒト網膜は再生力が低い組織であり、
障害を受けると自然な治癒は見込めません。

 網膜色素変性症※4などの網膜変性症※4
は失明に至る可能性のある重篤な疾患で、
現在も治療法がなく、幹細胞などを利用
した画期的な再生医療の開発が期待されて
います。

 網膜の主要な部分は、光を感知する
神経網膜※5とそれを助ける色素上皮※5
です。

 神経網膜は視細胞、神経節細胞など
多種類の細胞を含む複雑な多層構造を持ち、
ES細胞やiPS細胞などからこうした複雑な
組織を形成することは、これまで不可能
でした。

 2011年に研究グループは、胚組織の
発生を試験管内で再現する「3次元の
自己組織化※6技術」を応用して、
マウスES細胞から立体的な網膜組織を
試験管内で形成することに成功しました
(2011年4月7日プレス発表)。

 今回、研究グループは、さらに自己組織化
による立体培養技術を発展させ、
ヒトES細胞からも眼のもととなる「眼杯」
と呼ばれる立体網膜組織を試験管内で産生
することに成功しました。

 さらに、このヒト細胞由来の立体網膜組織
を数週間~十数週間培養し続けることで、
生体の網膜に見られる複雑な多層構造を
有する網膜組織の立体形成にも成功
しました。

 この組織は、5mm大のサイズで、神経網膜
の主要細胞である視細胞、神経節細胞、
介在神経細胞などを含む多層化した
組織構造※7を有していました。

 さらに、ヒト細胞由来の立体網膜組織を
液体窒素中に凍結保存する方法も確立し、
高い品質管理のもとに長期保存を可能と
しました。

 これらの研究成果は、多能性幹細胞※3
からヒトの網膜組織を人工的に大量産生
し、保存・供給する技術体系の確立に貢献
します。

 「生体に近い複雑な組織」の人工産生と
その移植・使用により、高度な機能再生を
目指す「次々世代の再生医療※8」の実現を
大きく前進させるとともに、化学物質の
安全性評価や創薬への応用も可能にする
ものとして期待できます。

 本研究成果は、文部科学省の「再生医療
の実現化プロジェクト」の一環として行い、
米国の科学誌『Cell Stem Cell』
(Cell Press社)6月14日号に掲載
されます。
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素晴らしいですね。

ヒトES細胞で出来たということは、iPS細胞
からも出来る可能性があるということ
ですね。

期待したい。

iPS細胞から肝臓作製という話も
出てきてますし、だんだん組織の再生まで
可能になりつつあります。

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