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2012年5月 2日 (水)

クロマチン制御因子TRIM28は、T細胞性自己免疫疾患を抑制する

クロマチン制御因子TRIM28は、T細胞性
自己免疫疾患を抑制する

2012年4月30日 京都大学 お知らせ

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 本庶佑 医学研究科免疫ゲノム医学講座
特定教授、竹馬(ちくま)俊介 同特定助教
らの研究成果が、科学誌
「Nature Immunology」に掲載されました。


研究の背景
 T細胞(Tリンパ球)による免疫は、
ウイルス感染細胞やガン細胞を直接破壊
する、もっとも強力な生体防御システム
であるが、この過剰な活性化はリウマチや
自己免疫性甲状腺炎、I型糖尿病といった
深刻な自己免疫疾患の原因でもあり、
その制御機構は世界中で精力的に研究
されている。

 すべてのT細胞は、病原体と出あうまで
自己組織と反応し、ここから弱いシグナル
を受け取って生存しているため、
いつも自己組織に対して活性化する危険性
を持っている。

 T細胞が、自己に対し間違って活性化した
際には、PD-1やCTLA-4といった
抑制レセプターが発現し、自己免疫疾患が
回避されることがわかっているが、
そもそもなぜ、大部分のT細胞が、健康な
体内で抑制状態にあるのかは明らかに
なっていない。

 病原体に出会ったT細胞の強い活性化
には、ダイナミックな遺伝子発現の変化が
ともなうことがわかっているが、自己と
「弱く」反応したT細胞の活性化を抑制し、
抑制状態を保つ分子や、そのメカニズムは
わかっていない点が多い。

研究の成果
 TRIM28(Tripartite motif protein 28)
は、ヒストンメチル化酵素や、
ヘテロクロマチンタンパクとの会合を
介して、多くの遺伝子調節を行う
クロマチン凝集因子であり、今までに、
個体の初期発生やES細胞の万能性維持に
重要であることが報告されている。

 本研究グループは、TRIM28の機能発現に
必須であると考えられるSer473残基が、
生体内で起こるT細胞の生存シグナル
によってリン酸化修飾を受けていること
を見出し、TRIM28による遺伝子発現制御が、
T細胞を調節すると考えた。

 これを検証するため、T細胞のみで
TRIM28分子を発現できないマウスを作製
した。

 このマウスを、病原体が存在しない
きれいな環境で飼育すると、自然に
T細胞が、自分自身の臓器(肝臓、腎臓、
唾液腺、肺など)を攻撃し、早期に死亡
することがわかった。

 その後の解析で、TRIM28欠損マウス
由来のT細胞は、自己組織に対して
炎症性サイトカインであるIL-17を放出
する炎症細胞へと自然に分化していること
がわかった。

 TRIM28をもたないT細胞では、免疫の
恒常性維持に大事と考えられる
各種サイトカインの調節不全が起こり、
体内で炎症細胞への自然分化を起こし、
結果として全身性の自己免疫病を起こす
ことがわかった。

 以上の結果より、TRIM28が、T細胞の
恒常性維持、および自己反応性T細胞の
分化抑制に重要な分子であることが
わかった。

今後の展開
 これまでの実験で、TRIM28をもたない
T細胞は、正常細胞にもはたらきかけて、
炎症細胞への分化を起こさせるということ
を見つけている。

 本研究の次のステップとしては、
この炎症促進メカニズムをつきとめる
ことを目標としている。

 また、実際の自己免疫疾患で、
TRIM28による遺伝子調節機構が破たん
したと考えられる、有害なT細胞を
同定することを目指している。

 これが成功すれば、患者の体内で、
特定のT細胞を除去することによって
炎症の軽快を図るという、従来にない
画期的な治療法の開発につながる可能性
がある。
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良さそうです。

>実際の自己免疫疾患で、TRIM28による
>遺伝子調節機構が破たんしたと考え
>られる、有害なT細胞を同定することを
>目指している。

>これが成功すれば、患者の体内で、
>特定のT細胞を除去することによって
>炎症の軽快を図るという、従来にない
>画期的な治療法の開発につながる
>可能性がある。
期待したい。

有害なT細胞を同定できたら素晴らしい。

この中にTh17細胞の一部も入っている
のかな?

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