急性心筋梗塞に効果のある脂肪由来の善玉ホルモンを発見
急性心筋梗塞に効果のある脂肪由来の
善玉ホルモンを発見
2012年4月18日
名古屋大学プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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要旨
名古屋大学大学院医学系研究科
(研究科長・髙橋雅英)分子循環器学
大内乗有(おおうちのりゆき)教授、
循環器内科学室原豊明(むろはらとよあき)
教授らの研究チームは、急性心筋梗塞に
効果のある脂肪由来の善玉ホルモンを発見
した。
本研究成果は、米国の科学雑誌
「The Journal of Biological Chemistry」
(4月18日付の電子版、印刷版は6月号予定)
に掲載された。
肥満は虚血性心疾患、特に、心筋梗塞の
危険因子であり、脂肪組織から産生される
ホルモンがその病態に重要であることが
明らかとなりつつあるが、その機序は
未だ不明である。
研究チームは、体内の脂肪が産生して
いる C1q/TNF-related protein 9 (CTRP9)
というホルモンに着目し、動物モデル
においてCTRP9が心筋保護作用を有すること
を明らかにした。
心筋虚血再灌流によるマウス急性心筋梗塞
モデルにおいて、心筋虚血前にCTRP9を
全身投与すると、心筋細胞のアポトーシス
(細胞死)が抑制され、心筋梗塞巣は有意
に縮小した。
心筋虚血後にCTRP9を全身投与しても、
心筋梗塞巣縮小効果を認めた。
また、CTRP9は直接心筋細胞に作用し、
心筋細胞のアポトーシスを抑制していた。
さらに、マウスモデルにおいて、
急性心筋梗塞後のCTRP9の血中濃度は低下
し、肥満状態でも血中CTRP9濃度は低下して
いた。
本研究の結果より、CTRP9は
抗アポトーシス作用を有し、急性心筋傷害
を抑制する脂肪由来ホルモンであることが
明らかとなり、急性心筋梗塞の治療法開発
の標的分子になりうると示唆された。
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素晴らしいです。
期待したい。
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