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2012年5月13日 (日)

自然科学論文 研究成果 和文でも公表を

自然科学論文 研究成果 和文でも公表を
2012/5/11 朝日新聞 私の視点より
国立病院機構東京医療センター医師
林 俊行

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 自然科学研究分野の研究費は公的研究費
の大部分を占めている。

 だが、その研究成果は、ほとんどが海外
の雑誌に英語で発表され、最初に日本語で
公表されることはほとんどない。

日本語で報告されたものは省略された粗雑
な内容のものが多い。

 どのような研究にどれだけの予算が
使われ、どんな成果が得られたのか、
国民が知るのは容易ではない。

 自然科学の研究は進歩が速く、競争は
激烈だ。
 研究成果を一日も早く英語で世界に発信
することが、先行者である証明となる。
 新規の発表が最初に英語で行われること
は理解できる。

 しかし、現状では英語での発表を日本語
に訳し、新しい知識を国民に還元しようと
する努力の跡はほとんど見えない。

 一般国民が理解できるレベルを超えて
いるから日本語で発表しても無駄、という
主張はあまりに乱暴だろう。

 論文の著作権の扱いにも問題がある。

 学術論文は学術誌に掲載が決定した
時点で、投稿者から出版社に著作権が
譲渡される。

 日本国民の税金でなされた研究成果の
著作権がほとんどすべて、欧米の出版社に
無償で、場合によっては研究機関が掲載料
まで支払って譲渡されているのだ。

 論文を我々がインターネット経由で
読もうとすると対価を支払って購入しな
ければならない。

 知的財産権の著しい流出であり、
日本の国益にかなうとは思えない。

 具体的な解決策として、以下の二つを
提案したい。

 第一に、公費助成を受けた研究の学術
論文は、一年以内に和文で、研究費助成を
行った省庁のHPに掲載する。
 このことが認められる場合にのみ、
著作権の海外への譲渡を認める。

 第二に、日本の各学会が主宰・発行する
学術誌に和文と同時に英文論文を投稿・
掲載することを奨励する。

 国立大や国立研究所での新規採用に
あたっては、自らの業績を国内の学術誌
で発表した研究者を優遇する。
 研究費の配分についても同様だ。

 これらの政策を通じて、世界への発進力
を持つ論文出版機関を日本国内で育成する
ことを目指したい。
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全く同感である。

どうしてこうも国民に対して鈍感なのか?
理解に苦しむ。
 国民サービスなどどうでも良いと考えて
いる?

>公費助成を受けた研究の学術論文は、
>一年以内に和文で、研究費助成を
>行った省庁のHPに掲載する。
当たり前のことではないのだろうか?

少なくとも英語圏の国民はこの恩恵に
預かっている。
どうして先進国日本がこんな状態で良い
のだろう?
おかしいではないか?

しかも自分達が作成した著作物を見る為に
対価を支払わなくてはいけないとは理解の
範囲を超える。

おかしな国です。

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