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2012年4月26日 (木)

ありふれたセラミックスが大量の水素を取り込んだ!-革新的水素材料への期待-

ありふれたセラミックスが大量の水素を
取り込んだ!
-革新的水素材料への期待-

2012年4月16日 京都大学

詳細は、リンクを参照して下さい。

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研究の概要

 チタン酸バリウム(BaTiO3)(図左)は、
1940年代に初めて合成されて以来、
あらゆる電子機器に使われている
誘電体材料です。

 陰山教授らは本研究に先立ち2007年に、
水素化物を利用した低温合成法によって、
長年不安定であると考えられてきた鉄の
局所構造を実現し、ネイチャー誌に報告
しました。

 今回の研究では、チタン酸バリウム
に対して同様の低温反応を施したところ、
結晶中の酸素の一部を水素で置き換える
ことに成功しました
(図右、大型放射光施設SPring-8の
高輝度X線を用いて構造を決定)。

 今までに、チタン酸バリウムに水素の
導入を試みた研究例はありましたが、
その量はごく微か(酸素に対して
0.1%以下)でした。しかしながら、
本手法を用いた場合、水素量は最大で
20%(BaTiO2.4H0.6)にも達しました。

 この新しく合成された物質は、水にも
温度にも安定ですので、クリーンな
エネルギー資源である水素を
変換/輸送/貯蔵するのに適した
水素材料としての高い将来性があります。

 この新物質の学術的な意義は、その水素
貯蓄量の多さだけではなく、取り込まれた
水素の電荷状態にもあります。

 一般に酸化物に存在する水素は、
正の電荷をもつプロトン(H+)として
存在することが知られています。

 身近な例では、さびの成分である
水酸化鉄(Fe(OH)2)があります。

 これに対して、負の電荷をもつ
ヒドリド(H-)は強力な還元剤であるため、
チタンのような遷移金属とは共存できない
と考えるのが固体化学の常識でした。

 ところが、今回得られた物質における
水素は負の電荷を持っており、従来の
常識を覆す結果となりました。

 酸化物の中で、H-が遷移金属と共存できる
ことが確認されたことにより、今後は
ヒドリドの流れを制御して利用することが
できる「酸化物ヒドリドニクス」という
新たな学問体系として発展していくことが
期待されます。

 今回合成した物質中の水素は、400℃程度
の低温にて結晶内を動き回る能力をもつ
ことを明らかにしました。

 この結果は、水素イオン(H-)伝導性を
示唆しています。

 酸素イオン伝導体は、現在燃料電池の
電解質として実用化されていますが、
水素は酸素と比べて軽くて動きやすいため、
より低温での高速動作が原理的には可能
です。同時に、チタンがもつ電子に由来する
電子伝導性もあるため、例えば、水素を
燃料とする燃料電池に必要な電極の他、
水素センサーとしての応用が期待されます。

 この研究成果は、英国科学誌
「ネイチャーマテリアルズ
(Nature Materials)」誌
(ロンドン時間4月15日電子版)で公開
されました。
 本学、高輝度光科学研究センター、
倉敷芸術大学、東京工業大学、
物質・材料開発機構、レンヌ第一大学
との共同研究によるものです。
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>この新しく合成された物質は、水にも
>温度にも安定ですので、クリーンな
>エネルギー資源である水素を
>変換/輸送/貯蔵するのに適した
>水素材料としての高い将来性があります。

この変換/輸送/貯蔵に関しては、
この前の投稿
二酸化炭素とギ酸を相互変換する
エネルギー効率の高い触媒を開発

2012年3月22日
も有望そうですが、

>この新物質の学術的な意義は、その
>水素貯蓄量の多さだけではなく、
>取り込まれた水素の電荷状態にも
>あります。

>酸化物の中で、H-が遷移金属と共存できる
>ことが確認されたことにより、今後は
>ヒドリドの流れを制御して利用すること
>ができる「酸化物ヒドリドニクス」という
>新たな学問体系として発展していくことが
>期待されます。

>酸素イオン伝導体は、現在燃料電池の
>電解質として実用化されていますが、
>水素は酸素と比べて軽くて動きやすい
>ため、より低温での高速動作が原理的
>には可能です。
>同時に、チタンがもつ電子に由来する
>電子伝導性もあるため、例えば、水素を
>燃料とする燃料電池に必要な電極の他、
>水素センサーとしての応用が期待
>されます。

なかなか奥があって面白そう。

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