発がんのメカニズムにスプライシングの結果誕生する変異たんぱく質が関与している
「発がんのメカニズムにスプライシングの
結果誕生する変異たんぱく質が関与して
いる」
2012/4/23 個の医療メールより
---------------------------------------
どうやら発がんにmRNAのスプライシング
機構が関与しているのではないか?
という直感です。
慶応義塾大学医学部先端医科学研究所の
佐谷秀行教授らは、ヒアルロン酸の受容体
でもあるCD44のスプライシング変異
たんぱく質ががん組織の一部で発現して
いることを発見、しかもがん幹細胞様の
機能をこれらのがん細胞が持っていたの
です。
実際、CD44変異たんぱく質を細胞表面に
発現したがん細胞は、抗がん剤によって
発生する活性酸素(ROS)に抵抗性を示し、
つまり化学抗がん剤耐性を獲得して
いました。
がん特有の解糖系に依存した嫌気的な
代謝も行っています。
まさにがん幹細胞という仮想概念に
当てはまる細胞群だったのです。
何故、CD44のスプライシング変異が
起こるのか?
発がんやがんの多様性を生む原因に肉薄
する疑問です。
20年以上もこの研究に取り組んできた
佐谷教授らはヒストンのアセチル化が
その鍵を握っていると指摘しています。
前述の東大の小川准教授が明ら
かにしたスプライシング変異が発症の
一つの原因である骨髄異形成の治療薬は
なんとHDAC阻害剤
(ヒストンデアセチルラーゼ)です。
がんにおけるスプライシング変異と
エピジェネティックスはここに置いて、
幸せな結婚に至ったのです。
がんから救われるためには、両者を
なんとしても離婚させる方法の模索が
必要なのです。
---------------------------------------
結局は、エピジェネティックスの話になるよう
です。興味深い話です。
以前投稿した
「DNAのメチル化は分裂した嬢細胞にも
伝わる、エピジェネティックスの変化が
抗がん剤の有力な標的に」
2011年7月 6日
に関連するようです。
興味のある方は見てください。
エピジェネティックス関連情報への
リンクもあります。
| 固定リンク
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント