« 慢性痛の原因となる神経炎症応答の増悪機構を解明-新しい鎮痛薬開発の可能性- | トップページ | ブラウン管破砕カレットを利用した放射線遮蔽材開発、実用化へ前進 »

2012年3月20日 (火)

特発性肺線維症の新しい治療薬を開発 国際共同臨床試験へ

特発性肺線維症の新しい治療薬を開発
国際共同臨床試験へ

2012年3月15日
慶應義塾大学プレスリリース

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 慶應義塾大学薬学部の水島徹教授らは、
厚生労働省科学研究費補助金による
慶應義塾大学、熊本大学、日本医科大学の
共同研究により、現在治療法が確立されて
いない、特発性肺線維症
(特発性間質性肺炎)の新しい治療薬を
開発しました。

 この治療薬は、患者さんが自宅で簡便に
服用できる吸入薬であり、研究では高い
治療効果が得られました。

 この成果は、米国科学雑誌 CHEST の
電子版に掲載予定です。


背景
 肺が徐々に線維化し呼吸機能が低下する
特発性肺線維症(特発性間質性肺炎)は、
その治療法が確立されておらず、その死亡率
は肺癌よりも高くなっています。

 最近、特発性肺線維症の治療薬として、
ピルフェニドンという薬が日本や欧州で
承認されましたが、副作用の問題などで
充分な効果を発揮していません
(米国では、承認されませんでした)。

 この病気の原因は肺の中で発生する
活性酸素が肺組織を傷つけ、その修復が
過剰になり線維化することです。

 そこで我々の体が持っている酵素で、
活性酸素を消去する
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は
古くからこの病気の特効薬として期待されて
きました(元々持っている酵素を増やす
だけなので、副作用も少ないことが期待
されます)。しかし SOD は、組織に結合
しにくく、かつ体内で不安定であるため
その開発は成功しませんでした。

 PC-SOD は、SOD にリン脂質を結合させた
医薬品で、組織への結合性や体内での
安定性を SOD に比べ数十倍高くすることに
成功した
DDS(ドラッグデリバリーシステム)医薬品
です。

 研究グループでは以前、PC-SODを短期間
特発性肺線維症の患者さんに注射し、
その有効性を確認しました。
 しかし病気の治療には長期間の投与が
必要であるにもかかわらず、毎日の注射を
長期間継続することは困難で、新しい投与法
の開発が期待されていました。


成果
 自宅で行うことが出来る吸入投与は、
注射投与に比べ患者さんに優しい投与法
です。

 そこで水島教授らの研究グループでは
PC-SOD の吸入製剤を開発し、
マウス肺線維症モデルを用いてその効果を
ピルフェニドンと比較しました。

 その結果、両薬剤とも肺の線維化を
抑制しましたが、肺の線維化に伴う
呼吸機能の低下はPC-SOD 吸入製剤のみで
改善されました。

 また肺内の活性酸素を減らす作用も
PC-SOD 吸入製剤のみで見られました。

 一方、両薬剤を同時に投与すると、
さらに高い治療効果が得られました。

 以上の結果は、PC-SOD の吸入製剤の
特発性肺線維症治療薬としての有効性を
示唆しています。

 そこで研究グループは製薬企業と共同で、
今年の 5 月から日本・韓国共同の
国際臨床試験を開始する予定です。

 既に、日本の医薬品医療機器総合機構
には治験届を提出しており、近いうちに
韓国でも提出する予定です。
---------------------------------------

素晴らしい。
日本で開発され、国際共同臨床試験が
行われる。
画期的です。期待したい。

|

« 慢性痛の原因となる神経炎症応答の増悪機構を解明-新しい鎮痛薬開発の可能性- | トップページ | ブラウン管破砕カレットを利用した放射線遮蔽材開発、実用化へ前進 »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/54266016

この記事へのトラックバック一覧です: 特発性肺線維症の新しい治療薬を開発 国際共同臨床試験へ:

« 慢性痛の原因となる神経炎症応答の増悪機構を解明-新しい鎮痛薬開発の可能性- | トップページ | ブラウン管破砕カレットを利用した放射線遮蔽材開発、実用化へ前進 »