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2012年2月18日 (土)

海洋生態系の理解を根本から覆す新しい光エネルギー利用機構 その直接測定に成功

海洋生態系の理解を根本から覆す
新しい光エネルギー利用機構

その直接測定に成功
2012年2月16日
東京大学大気海洋研究所 学術ニュース

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 私たちの食卓に並ぶ“海の幸”。

 これらは食物連鎖をたどれば、最終的
には全て、極めて小さな生き物である
植物プランクトンや海洋細菌に行き着き
ます。

 そして、これらのプランクトンや細菌の
活動に必要なエネルギーは、そのほとんど
が海洋表層での光合成を通じて得られる
光エネルギーに由来すると考えられて
いました。

 ところが2000年にプロテオロドプシン
という新たな光受容タンパク質が海洋細菌
の間に広く分布していることが見つかり、
さらに、その遺伝子を大腸菌に組み込むと
光エネルギーによってATP(生物共通の
エネルギー物質)が合成されることが
確認されました。

 これは光エネルギーを使って炭酸ガス
を固定するクロロフィル型の光合成とは
まったく異なる光エネルギー利用の
しくみです。

 この実験は大腸菌を利用し、さらに
大腸菌に様々な物質を与えるなど実際の
環境とは大きく異なった条件で行われた
ものではありますが、生物が光エネルギー
を自らのエネルギーにする新しい
メカニズムの存在が示唆されたのです。

 仮にこのメカニズムが正しく、
この経路によって海洋生物が受け取る
エネルギー総量が大きければ、これまでの
海洋生態系全体のエネルギー収支を大幅に
見直す必要が出てきます。

 今回私たちは、海洋細菌の分離株を
用いて、プロテオロドプシンの機能を
初めて直接測定することに成功しました。

 これにより、海洋細菌が実際に
この新しい光エネルギー利用機構を用いて
いること、またその量が海洋生態系の
エネルギー循環に対して大きな割合を
占めていることを明らかにしました。

 この成果は、海洋生態系についての
理解を根本から覆すことに迫るもので
あると同時に、エネルギー循環は
炭素循環と密接な関係があることから、
地球温暖化に関連して注目が高まっている
二酸化炭素濃度の変動の理解などにも、
今後影響を与えていくと考えられます。
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>今回私たちは、海洋細菌の分離株を
>用いて、プロテオロドプシンの機能を
>初めて直接測定することに成功しました。

>これまでの海洋生態系全体の
>エネルギー収支を大幅に見直す必要が
>出てきます。

なるほど、これは大変なことのようです。
大幅な見直しが必要なのかも知れません。
これだから、科学は面白い。

このことは、ほんの一例で、まだまだ
理解しているなどと言えない。
科学者は謙虚でなければと思う。

ひとつひとつ理解を深めていくこと、
それが科学なのだと思います。

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