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2012年2月26日 (日)

複雑な配電網で効率的に電気を流すための計算手順を開発

複雑な配電網で効率的に電気を流す
ための計算手順を開発

送電損失を最小化し、スマートグリッド
を支える基盤技術に
科学技術振興機構(JST)
北海道大学
早稲田大学

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 JST 課題達成型基礎研究の一環
として、北海道大学 大学院情報科学研究科
の湊 真一 教授らのグループは、
早稲田大学 先進グリッド技術研究所の所長
林 泰弘 教授らと共同で、配電網の膨大な
スイッチ構成(ON/OFFの組合せ)を
調べる超高速アルゴリズム(計算手順)を
開発しました。

 この技術を用いて、電力品質を満たし
つつ、送電損失を最小化する最適構成を
得ることに初めて成功しました。

 近年、環境問題や東日本大震災の経験
から、電力網制御の高度化、いわゆる
スマートグリッド注1)の構築が喫緊の
課題となっています。

 林教授らが調査し公表している日本
における実用規模の標準的な配電網モデル
では、制御可能なスイッチは468個に
及び、その構成の総数は10進数で
141桁の天文学的な数となります。

 最適な制御を実現するためには、
この中から、幾何学的・電気的な
制約条件を満たして、網内全域に正確
かつ、効率的に給電できる構成を探索し、
送電損失を最小にする構成を
発見しなければなりません。

 しかし、従来は経験や実績に基づき
比較的良いと思われる構成を得るに
とどまっており、制約条件を満たす構成数
や最適構成は分かっていませんでした。

 本研究では、湊教授が独自に考案し、
研究を進めている「ゼロサプレス型
二分決定グラフ(ZDD)注2)」と
呼ばれるデータ構造と、膨大な数の組合せ
をコンパクトに圧縮し超高速に演算する
アルゴリズムによって、条件を満たす
構成を全て探索し、索引化することに
初めて成功しました。

 その結果、上記の配電網モデル
において条件を満たす構成の数は、
正確に「213682013834853
2911682612214804905
6098178392443852353
98189521540通り
(約10の63乗)」であることを
示しました。
 さらに、この膨大な構成の中から
送電損失を最小化する構成を見つける
ことにも成功しました。

 日本全体の配電網に単純換算した場合、
想定した需要モデルにおける
損失改善効果は最大で27.9MW
(一般家庭約1万軒分)、1時間あたり
の二酸化炭素削減効果は15.5トンと
試算されました。

 この成果により、これ以上は改善
できない最適構成を正確に、短時間で
得ることが初めて可能となりました。

 さらに本手法では制約条件を満たす構成
を全て索引化しているため、配電網の
運用上の都合や故障対応などの追加的な
制約が発生したとしても柔軟に構成を
絞り込むことができ、
将来のスマートグリッドを支える基盤技術
としての活用が期待されます。

 本研究成果は、2012年電子情報通信
学会 総合大会で開催される
「ERATO湊離散構造処理系
プロジェクトシンポジウム」
(2012年3月20日 岡山大学)で
発表するとともに、その一部は
電気学会 全国大会(2012年3月23日
広島工業大学)でも発表されます。
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>従来は経験や実績に基づき比較的良いと
>思われる構成を得るにとどまっており、
>制約条件を満たす構成数や最適構成は
>分かっていませんでした。
と言うのは、ちょっと以外。

これでかなり改善される可能性が
出てきたということですね。
かなり電力損失を防ぐことが出来る。

但し、実現するためには全電力ネットワーク
が一体として運用できる体制でなければ
出来ないと思われます。

個々の電力会社が独立して運用している
網では意味がない。と思う。多分?

電力会社の歴史は長い、各電力会社共
研究所くらい持っているはずで、
こんなことくらい出来ていて良いと
思ってましたが、、

なんの研究をしているのでしょうか?

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