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2012年1月13日 (金)

嗅覚神経細胞分化の新たなメカニズムの一端を解明

嗅覚神経細胞分化の新たなメカニズムの
一端を解明

-エピジェネティクスに基づく細胞分化
の制御が明らかに-
平成23年12月26日 理化学研究所

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 私たちを構成する細胞は、たった1個の
受精卵が運命に導かれ、分化して生み
出されてきました。

 これらはどういう運命に導かれたので
しょうか。

 細胞の「運命決定」のプロセスは
詳しくは分かっていません。

 研究者らは、モデル動物である
ショウジョウバエを使って研究に
取り組みました。

 まず、親細胞から生まれた2つの娘細胞
を調べると、嗅覚神経細胞の分化を促す
「Notchシグナル」が、一方でのみ活性化
していることを見つけました。

 さらに、「Hamlet」と呼ばれる
核内因子が、分化の段階に応じて、
Notchシグナルが標的にしている遺伝子の
発現をダイナミックに調節すること、
その結果、それぞれ異なる細胞運命を
生み出している可能性があることを
示しました。

 そのメカニズムは、塩基配列に依存
せずに遺伝子の発現を制御する
「エピジェネティクス」によることも
明らかにしました。

 「Hamletがエピジェネティクス
によりNotchシグナルを制御する」
という発見は、幹細胞の運命決定機構の
理解を大きく前進させるものとなります。
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難しいですね。

この記事を見てください。
生物学を変えるエピジェネティックス

2009年7月13日の記事ですので、かなり
時間が経っていますが、

こう言っています。
詳細は、リンクを参照して下さい。
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 メンデルから始まった遺伝子の考えは、
ワトソンとクリックのDNA螺旋構造の解明
を経て、最近では世界を騒がせた
ヒトゲノム完全読み取りまでこぎつけた。

 これで難病の多くが解決されるかと
思いきや、今やまったく新しい概念の遺伝
が考えられ始め、我々は生物と医学の
革命的時代に入ろうとしている。

 この新しい遺伝学は
エピジェネティックスと呼ばれ、次第に
多くの科学者に受け入れられている。

 エピジェネティックスとは遺伝子が
どう働くか、どう病気を発症させるかを
説明する新しい学問で、癌のような深刻な
病気の診断と治療に大きく貢献する可能性
を秘めている。

 エピジェネティックスはヒトゲノム
プロジェクトの達成で得られた多くの
情報を説明するばかりでなく、
既に難病患者の延命に成功している。

 「我々は今までゲノムを解き明かせば
全てが分かる」と思っていたと1990年代
にエピジェネティックの可能性を説いた
ロックフェラー大学のデイビッド・アリス
は言う。

 「しかし、いざヒトゲノムが解き明か
されると、ゲノムは入り口でしかなく
これから先に大変な難問が控えていた」と
アリス氏は言う。

 エピジェネティックスとは分子生物学
を考える上での基本的方向転換である。

 DNAは確かに生物を作る基本骨格である
が、DNAの情報はDNAの上を覆う化学物質の
層にコントロールされているのが次第に
明らかになった。

 このDNA台本の修正は
エピミュテーションと呼ばれていて、
遺伝子のスイッチを不自然に入れたり
切ったりする。

 別の言葉で言い換えると、DNAと言う
生命の台本が重要なのではなくて、
その台本を包む包装が重要であるという、
生物学的、遺伝学の革命的思考だ。

 このDNAをより高いレベルから
コントロールしている物質があるとする
概念は、大変重要な意味を持つ。

 卵子が受精した瞬間は遺伝子全部が
活躍するのは今まで分かっていたが、
その沢山の遺伝子も、胎児が成長して行く
にしたがってスイッチをオンにしたり
オフにしたりして活動が変化して行く。

 人間であればこの現象は一生続く。

 例えばヘモグロビン遺伝子では、
胎児の段階では胎児のヘモグロビン遺伝子
がオンになっているが、出産と同時に
大人のヘモグロビン遺伝子が活動を開始
して胎児のヘモグロビン遺伝子はオフに
なる。

 これはエピジェネティック的変異
により起こされている。

 受精卵から成長していく過程で、
胎児の幹細胞は脳細胞、肝細胞、その他
沢山の特化した細胞に分化成長して行くが、
そのどの分化成長の過程でもDNAの情報は
修正されている。

 思春期に入ると活動を停止していた
遺伝子が急激に活動を開始する。

 年を取ると今までの経験が我々の
DNAの活動に影響を与えるようになる。

 全てDNAを包む用紙が驚くほど変化して
遺伝子に影響している。

 動物実験によると環境因子である子供の
頃の食事、母親のケアーが我々のDNAに
エピジェネティック的な変異をもたらす
と言う。

 過去10年間にエピジェネティックスへの
関心が急激に増しているが、それには
幾つかの理由がある。

 生物学的月面着陸ともてはやされた
ヒトゲノムプロジェクトは、DNAの台本の
全てを読み解くと言う画期的情報を
もたらしたが、いざそれを各々の病気の
遺伝的要因に結びつけようとすると専門家
は当惑したからである。

 DNAの書き損じ(遺伝子の古典的変異
であり19世紀にグレゴール・メンデル
により最初に導き出された)は最近の
”New England Journal誌”の
医療コメンテーターによれば、ほんの
一握りの病気にしか説明できないのが
分かった。

 「我々は皆ワトソンとクリックの提唱
した螺旋型DNAの基本モデルから遺伝を
学んだ。

 しかし複雑な生物では
エピジェネティックスがDNAそのものより
深く遺伝子の表現や病気の発生に関わって
いる」とアリスは言う。

 1990年代にアリス等は、どの細胞にも
一般的に見られるある種の酵素は細胞に
エピジェネティックス変異を起こして
いるのを確認している。
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「エピジェネティックス」
これほど影響力のある存在だとは
知りませんでした。

単純に言えば遺伝子が解読できれば
全てがわかると思っていました。
難病があれば、それはほとんど遺伝子異常
が絡んでいるのだと思っていましたが、
そうでもないかも知れない。
上記の記事は興味深いですね。


>「しかし、いざヒトゲノムが解き明か
>されると、ゲノムは入り口でしかなく
>これから先に大変な難問が控えていた」と
>アリス氏は言う。
と言っています。

>DNAは確かに生物を作る基本骨格である
>が、DNAの情報はDNAの上を覆う化学物質の
>層にコントロールされているのが次第に
>明らかになった。

>このDNA台本の修正は
>エピミュテーションと呼ばれていて、
>遺伝子のスイッチを不自然に入れたり
>切ったりする。

>別の言葉で言い換えると、DNAと言う
>生命の台本が重要なのではなくて、
>その台本を包む包装が重要であるという、
>生物学的、遺伝学の革命的思考だ。

>DNAの書き損じ(遺伝子の古典的変異
>であり19世紀にグレゴール・メンデル
>により最初に導き出された)は最近の
>”New England Journal誌”の
>医療コメンテーターによれば、ほんの
>一握りの病気にしか説明できないのが
>分かった。

>「我々は皆ワトソンとクリックの提唱
>した螺旋型DNAの基本モデルから遺伝を
>学んだ。

>しかし複雑な生物では
>エピジェネティックスがDNAそのものより
>深く遺伝子の表現や病気の発生に関わって
>いる」とアリスは言う。

現在、「エピジェネティックス」研究は
どの程度進んだのでしょうか?

研究というものはそんなものなのでしょう。

あることがわかると、もっとわからない
ことが沢山出てきてきりが無い。
だから研究は面白いのだけれど、
成果に期待している人にとっては、
なんとも心許ない限り。
科学の進歩に期待しているけれど、
過剰な期待は駄目ですね。
科学はまだまだよちよち歩き。

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