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2012年1月29日 (日)

オイルを浄化できる超高性能ろ過フィルターを開発

オイルを浄化できる超高性能
ろ過フィルターを開発

-ナノ細孔中の高速粘性透過を世界に
先駆けて実証-
平成24年1月27日
独立行政法人 物質・材料研究機構
独立行政法人 科学技術振興機構

詳細は、リンクを参照して下さい。

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概要

・今回の研究では、高強度のカーボン膜を
形成させることで、約35ナノメートルの
薄さでも優れた力学的強度を有する
ろ過フィルターを作製することに成功した。

 カーボン膜の内部には、直径約1ナノ
メートルの流路が無数に形成されており、
有機溶媒を超高速で透過させることが
できる。

 オイルの1成分であるヘキサン注2)の
透過速度は、230L/h・m2・bar
を超えており、不純物のモデル物質として
用いたアゾベンゼン注3)
(分子量:182.2)の阻止率は
90%以上であった。

 この処理速度は、同等の性能の市販の
フィルターと比較して、約3桁大きい。


・有機溶媒が配管中を流れる場合、
その速度は溶媒の粘度に反比例して増大
する。

 即ち、粘度が低い有機溶媒ほど配管中を
速く流れる。

 今回の研究では、直径1ナノメートル
という極小の流路においても、このような
粘性透過が確認されることが分かった。

 分子スケールの流れが、粘性という
巨視的な物性と関連していることは、
驚くべき事実である。


<研究の背景>
 世界規模での水不足が深刻になるに
つれて、水処理技術への期待が高まって
いる。

 日本のメーカが製造している水処理膜
は、海水淡水化や廃水処理に幅広く利用
されており、その性能はトップクラス
であり、世界シェアも大きい。

 しかしながら、既存の膜にも欠点が
ある。

 例えば、膜を形成しているポリマー
(高分子)は、酸やアルカリ、化学薬品
の影響により、徐々に分解してしまう。

 また、多くの高分子膜は、高温に加熱
すると軟化し、有機溶媒によっては溶解
してしまう。

 高分子膜の内部に数ナノメートルの
流路を形成する技術も、現状では
十分に確立されていないのである。


<波及効果と今後の展開>
 今回の高性能ろ過フィルターは、
有機溶媒を高速透過させる画期的な
ものであり、化学工業における製品
(塗料、機能性ポリマー、医薬品など)
の分離、触媒などが混入した有機溶媒の
リサイクルなどに応用できる。

 オイルサンドからの原油の抽出では、
既存のフィルターの耐性が低いために、
オイルを含んだ排水を処理することが
できない。

 しかしながら、耐有機溶媒性の
ろ過フィルターでは、オイルを含む
水溶液から微粒子(コロイド状の粘土など)
を除去することが可能となり、水の
有効利用に貢献する。

 また、万が一、有害物質が地表水に混入
した場合にも、汚染水の一次処理注9)
に利用できるであろう。

 一方、都市部の環境汚染の低減のために、
超低硫黄ディーゼル油への要求が高まって
いるが、硫黄の含有量を10ppm以下に
するには、水素化処理やゼオライトによる
吸着処理などが行われている。

 今回の高性能ろ過フィルターでは、
分子状の硫黄化合物
(主にジメチルベンゾチオフェン)を
除去できる可能性があり、クリーンな
超低硫黄ディーゼル油の製造に貢献する
かもしれない。
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良さそうですね。
期待したい。


世界をリードし続けられなければ
技術立国として立ち続けることは難しい。

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