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2012年1月11日 (水)

DNA修復タンパク質・Ku70はハンチントン病の神経変性を抑制する

DNA修復タンパク質・Ku70はハンチントン病
の神経変性を抑制する

東京医科歯科大学
難治疾患研究所プレスリリース

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 ハンチントン病は認知症と不随意運動を
特徴とする遺伝性脳疾患で、白人では
100,000人に5-10人、アジア人では
その数10分の1の患者さんがいると
言われています。

 アルツハイマー病あるいは
パーキンソン病と同様にいわゆる神経難病
であり、1990年代に原因遺伝子ハンチンチン
が発見されていますが、神経細胞変性に
つながる分子メカニズムについては
未解明な部分が多く、有効な治療法も確立
されていません。

 本研究グループでは、タンパク質
相互作用の網羅的解析から、
変異型ハンチンチンがDNA修復タンパク
Ku70と結合することを見いだしました。

 変異型ハンチンチンはDNA修復機能を
阻害しますが、Ku70を補充すると
モデルマウスの病態が改善しました
(Journal of Cell Biology 2010)。

 本研究では、この所見を再度検証し
将来の治療薬開発の根拠を確かなものに
する為に、Ku70補充の病態改善効果を
ハンチントン病モデルショウジョウバエ
において検討しました。

 その結果、寿命短縮・複眼変性といった
病態を顕著に改善することが明らかに
なりました。

 以上のことから、Ku70をターゲット
とする分子標的治療の可能性が高まり
ました。

 本研究は、平成23年度「難治疾患
共同研究拠点」共同研究「核酸結合蛋白質
を標的とした神経変性疾患研究:
ショウジョウバエモデルを用いた解析」
(共同研究者:東大院・医・教授 岩坪威)
により実施されました。
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少しでも、根治治療につながる可能性が
あれば、素晴らしいと思います。

ハンチントン病は
いわゆるポリグルタミン病の一つに
なります。

関連記事
ポリグルタミン病の発症は、
タンパク質の線維化加速で進行

平成21年4月22日
独立行政法人 理化学研究所

ポリグルタミン病と言われる病気は沢山
あります。

その治療戦略のひとつになるので
しょうか?

記事からは、
「変異型ハンチンチンがDNA修復タンパク
Ku70と結合する」
という事実から
「Ku70をターゲットとする
分子標的治療の可能性」
が出てきたということのようなので、

広くポリグルタミン病に応用できる
ものとは思えませんが、何かヒントに
つながれば良いな。と思います。

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