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2011年11月25日 (金)

Steve Jobsd氏は次世代シーケンサーで全ゲノム解読を行っていた

Steve Jobsd氏は次世代シーケンサーで
全ゲノム解読を行っていた
Thu, 24 Nov 2011
日経バイオテクONLINEメールより

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 実は熱心な読者から「アップルの創業者
の伝記『Steve Jobs』(講談社、2011年)
第二巻の400ページに、同氏が
次世代シーケンサーで全ゲノム解読を行って
いたという記述がある」とメールを
いただきました。

 早速本屋に走り、立ち読みで確かに
Steve JobsIIの400ページ14行目に
「ジョブズの医療チームはがんの一歩先を
行くことができた。

 がん細胞とふつうの細胞についてDNAの
配列をすべて調べたのだ。

 これは10万ドル以上の費用がかかる検査
で、当時(2010年から11年前半)、
そこまでした患者は20人しかいなかった」
という記述を確認しました。

 当然、立ち読みだけでは失礼です。
 勢いで全巻を購入、今朝の早朝まで読み
ふけっておりました。

 巨万の富を築いたジョブズだから可能
だと、皆さん思ったでしょうが、現在の
次世代シーケンサーの性能向上と
ゲノム解析コストの下落、
つまり次世代シーケンサーの急速な大衆化
によって、後5年、皆さんががんになるのを
我慢できれば、がんと正常細胞の
全ゲノム解読は、一般市民でも可能になる、
また可能にしなくてはならないと思って
おります。

 ジョブズ氏のゲノムを解読したのは
米MITのブロード研究所、
その解析成績に基づき、標的医薬の選択と
治療方針を決めたのが、米Stanford大学、
米JhonsHopkins大学、そして米Harvard大学
の医療チームでした。

 まさに豪華絢爛、最先端のゲノム研究者
が勢揃いしています。

 同氏は治療困難なすい臓がんに罹患して
おり、臨床試験中の新薬も含めて、数種の
標的薬の組み合わせが行われていたと推定
しています。

 同氏は亡くなる2年前に肝臓移植をして
おり、免疫抑制剤を定期的に摂取、
しかも肝臓の機能は十分に回復したとは
いえませんでした。
 今年に入ってジョブズ氏の体重減少は
著しく、激やせした姿は涙を誘いました。
 食事が十分とれないため、副作用の強い
化学抗がん剤を避け、標的医薬の併用が
試されたのです。

 標的医薬でも薬剤耐性が生じますが、
耐性となったがんのゲノムを全解読する
ことで、次の標的医薬の選択へのヒントが
得られたはずです。

 これだけの努力を重ねても、すい臓がん
が再発してジョブズ氏が今年10月5日に
亡くなられるまでは1年超でしたが、
すい臓がん再発患者としては異例の延命を
実現し、新型iPHONEやiPADなど、熱狂的な
ファンを持つ製品を世に送り出すことが
できました。

 こうした時間的余裕を生んだがんゲノム
解読の成果に、ぜひとも注目して
いただきたいと願っています。
 次世代ゲノムシーケンサーの大衆化が、
皆さんにもこうしたサービスを受けること
を可能にすると考えています。

 ジョブズ氏の病魔との苦闘から、私たち
はゲノム解読に基づいた、個の医療の時代
がもうそこまで来たことを知りました。

 そしてもう一つ、ゲノム解読は簡単だが、
そのデータを解釈し、適切ながんの
個の医療を実現するためには、まだまだ
研究が不足していることも知りました。

 がんと正常細胞のゲノム上の変異の差
を、私たちは治療方針の変更に結び付ける
情報、つまり変異の医学的意味の情報は
決定的に不足しています。

 残念ながらあれだけの豪華絢爛な医学
研究者を揃えても、ジョブズ氏の
ゲノム情報に存在していた治療の鍵となる
情報の殆どは見過ごされていたのでは
ないでしょうか?

 勿論、まだまだ特定の変異を叩く、
標的薬の開発も不足しています。

 ゲノム情報の解釈の進展と
治療オプションの増加が、より適切な
個の医療のためには不可欠であると痛感
いたしました。

 道は尚遠い。

 だが、最後の最後まで、アップルで
より画期的な商品を開発するために、
そして、アップルが永続的に画期的な商品
を生む企業となるために、がんと闘った
ジョブズ氏の粘りこそ、個の医療は
学ばなくてはなりません。

 一歩一歩確実に、粘り強く、理想を
求めて。

 ジョブズ氏のご冥福を祈ります。
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膵臓がんはもっとも治癒率の低いがん
のひとつです。

そのがんになってしまった。残念です。

でも、さすがSteve Jobs氏
>がん細胞とふつうの細胞についてDNAの
>配列をすべて調べたのだ。
すごいことです。

10万ドル以上の費用だそうです。
しかも超一流の医師達が関わった。
でも、救えなかった。

まだまだわからないことだらけです。

謙虚に研究を続けていくしかありません。

現在の医療のレベルはこんなものだと
理解して、やれるだけのことをするしか
ありません。
でも、少しずつですが、進歩しています。
個の医療の実現も近づいています。

どんなに頑張っても、人の死亡率は
100%なのです。
時間の長さの差しかありません。

生きていることに感謝して、
小さなことで良いから目標と希望を持って
生きて行きたいと思います。

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