なぜ細野大臣はフリー記者だけを排除したのか。 未だ続く官報複合体による原発事故の情報隠蔽
なぜ細野大臣はフリー記者だけを
排除したのか。
未だ続く官報複合体による原発事故の
情報隠蔽
2011年11月17日 DIAMOND online
詳細は、リンクを参照して下さい。
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フリーライターの畠山理仁氏
(自由報道協会幹事長)が繰り返し
繰り返し電話し、ようやく反応があった
のは11月4日のことだった。
3・11の震災後、長らく申し入れを行って
きた自由報道協会を筆頭とするフリー記者
にとって、想定していたとはいえ、それは
きわめて残念な回答だった。
「畠山さんを含め複数のフリーランス記者
(10名以内)から申込書を受け取りました。
細野(豪志原発担当大臣)にも相談
しましたが今回はお断りせざるを得ない。
他の方とも情報共有してください」
11月12日の細野大臣の原発視察同行取材
はこうしてあっさりと拒絶された。
畠山氏が電話を掛け続けたのは渋谷尚久
秘書官である。
まったくもってひどい話だ。
こうしたアンフェアな所業をなんと
説明すればいいのだろう。
霞ヶ関の役人と大手メディアで構成
される「官報複合体」の不正義は、
なにも今に始まったことではない。
この数十年間、何度となく繰り返されて
きたことが、今回同じように繰り返された
だけに過ぎない。
いわば、こうした不平等システムの存在
は日本においては日常の事象といえる。
だが、世界ではまったく事情が異なる。
今回の原発取材の申し込みに関しても、
数ヵ国の特派員たちは、細野原発担当相の
お粗末な申し入れに断固として拒否を
示している。
それは次のような事前の条件が
つけられたことに対する拒絶反応とも
いえる。
北朝鮮やキューバの取材でも
経験のない「申し入れ」
〈発電所構内取材後、東京電力関係者が
構内で撮影された写真や映像を確認させて
いただきますので、確認可能なTVカメラ
又はスチールカメラをお持ちください。
核物質防護上の問題があると判断した
場合は、その場で削除していただくことに
なりますので、予めご了承ください〉
筆者は、北朝鮮やキューバなどで
映像取材をしたことがある。
確かに軍施設などで一部、撮影禁止の
ところもあったが、いったん撮影したもの
に関しては「検閲させろ」といわれたこと
はない。
もちろん、そうした独裁国家以外では、
そもそもジャーナリストとして撮影を制限
されることのほうが珍しい。
ましてや日本は民主国家である。
いったい全体、どうしてしまったと
いうのか。
TPP論議をみるように世界の
自由貿易圏に加わろうとしている国家
とは到底思えないではないか。
さて、さすがにこの傲慢な申し出は
不調に終わったようだ。
差し替え版ではこの部分だけ訂正されて
いる。
だが、肝心な訂正は最後まで行われる
ことはなかった。
細野大臣は、3月以来、ずっと原発取材
の申し入れを行ってきた自由報道協会など
のフリー記者のみを排除し、ちょうど
その頃、社内の「規定」だとして、
50キロメートル圏外などに逃げていた
大手メディアの記者たちだけに原発取材を
許可したのである。
私はこの決定を聞いた瞬間、あまりの
ことについ細野氏の携帯電話を鳴らして、
強く抗議をしたほどである。
細野氏は、人数の制約から今回は
フリーランスは同行させられないとした。
ちなみに女性記者は放射能の影響がある
として取材そのものが認められなかった。
さて、その当日、自由報道協会は、
細野原発担当大臣に対して次のような
申し入れを行った。
〈原発担当大臣 細野豪志 様
2011年11月2日
細野豪志原発担当相の現地同行取材に
関する申し入れ
冠省
細野豪志原発担当大臣に
おかれましては、昼夜を問わず全力で政務
にあたられていることに心より敬意と感謝
の意を表します。
さて、11月1日、細野大臣は国会内で
行なわれた閣議後記者会見で、11月12日に
東京電力福島第一原子力発電所を現地視察
し、記者団に敷地内での同行取材を認める
と発表されました。
しかし、発表によると、同行取材が
認められているのは内閣記者会加盟19社、
福島県政記者クラブ7社、外国プレス
代表取材の計36人に限定されています。
原発事故発生直後より、自由報道協会
所属の雑誌記者、ネットメディア記者、
フリーランス記者たちが東京電力や
政府統合対策本部に対して継続的に
原子力発電所内の取材活動を求めてきた
ことは大臣もご記憶のことかと存じます。
つきましては、改めて下記の通り再要望
いたします。
草々
記
福島第一原子力発電所敷地内での取材
を、内閣記者会、福島県政クラブ、
外国プレス代表取材に限定することなく、
すべての報道陣に公開することを
求めます。
以上
国家の機密情報も
究極的には国民のものだ
なぜ政府はフリーランス記者を同行
させなかったのか。
なぜ細野氏は自由報道協会を
避けたのか。
その答えの一端は、福島第一原発の
現地取材をもっとも多く行っている
ジャーナリストの今西憲之氏の次の言葉に
集約されている。
「そんなことしたら、安全じゃないという
本当のことが全部ばれてしまうやないか。
ありえへん」
3・11以降繰り返されてきた情報隠蔽は
いまだ続いているのだ。
その結果、正しい情報が出ず、正しい
前提で判断することが難しくなっている。
いったい日本政府と霞ヶ関、そして
マスコミは何を求めてこうした卑怯な
まねを繰り返しているだろう。
原子力に絡む国家の高度な機密情報は
断じて一部の政治家や官僚たちのもの
ではない。
ましてやなんの権限も責任も持たない
メディアのものでもない。
それらは究極的には国民のものであり、
国民の知る権利に応えるべき知的財産
なのである。
細野大臣は、そろそろ目を覚ますべき
ではないだろうか。
本稿アップ後、畠山理仁氏より次の
ような訂正依頼があった。
「DOLの冒頭、要訂正かと。
電話がかかってきたのではなく、
こちらが夕方からかけ続けてようやく
つながったのが20時です。
渋谷秘書官の「共有しといてください」
の言葉からもわかるように、こちらから
電話しなければ無視するつもりだったと
思います」
事実関係は当然ながら畠山氏の言う
通り。筆者の勘違いによって畠山氏の
丁寧な仕事を軽視することになった。
お詫びして訂正したい。
(2011年11月17日 10:30 上杉 隆)
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部分のみ載せるつもりでしたが、結局
全文載せました。
あまりにひどいと思います。
民主主義国家とは思えない。
>女性記者は放射能の影響がある
>として取材そのものが認められ
>なかった。
妊娠している女性であるならともかく
そんな科学的な根拠があるのでしょうか?
こんなことで、どうして正しい判断が
下せる情報を得ることが出来るので
しょうか?
報道は多様であるべきです。
判断は国民がします。
勝手な解釈は止めて頂きたい。
国家機密とは何をさしているのでしょう?
>それらは究極的には国民のものであり、
>国民の知る権利に応えるべき知的財産
>なのである。
そう思います。
何が国家機密に当たるのかすら理解
されていないように思う。
都合の悪いことは隠す。
ただ隠蔽すれば良いとする考えしか
もてない政治家ばかりとはなんとも
なさけない国としか言いようがない。
それが為にかえって混乱を招いている
ことに気がつかない。
避けられた被爆すら知らせず、
被爆してしまった人達もいる。
どうなっているのかとあきれてしまう。
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