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2011年10月10日 (月)

電子の一瞬 切り取る光

電子の一瞬 切り取る光
2011年10月10日 朝日新聞

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 イチローのバットスイングなら、普通の
カメラでも静止画を撮れる。
 しかし、もっと超高速で動く物だと、
発光時間がごく短いストロボを用意しない
とだめだ。どこまで瞬間を切り取れるか
探求を続ける人たちは、カメラの
シャッター速度の10兆分の1という
一瞬の光を生み出した。
「アト秒」という時間、そこで見えて
くる世界とは。

 早稲田大准教授の新倉弘倫(ひろみち)
さんがカナダ国立研究機構(NRC)に
在籍中、チームでネイチャー誌
(2004年)に発表した実験結果。

 直接写真を撮れたわけではないが、波の
ように動く電子の一瞬の状態を観測し、
得られたデータを画像に再構成した。

 山と谷、それぞれが赤と青に対応して
いる。「電子の様子は、『アト秒』
レベルの時間でやっと見える」と
新倉さん。

 千分の1をミリ、その千分の1を
マイクロ、そのまた千分の1はナノ……と
1千単位で細かく分割していくと、次は
ピコ、フェムト、そしてアトとなる。

 超高速で動く物を観察するには、光の
波長や位相(山と谷)がそろったレーザー
光線をあてて静止画を撮る。

 発光時間が短いほど速い動きをとらえ
られる。

 1980年代には10フェムト秒を
切った。

 しかし、そこで記録が一度止まって
しまう。
 「理論的な限界に突き当たったのです」
と宮崎さんは言う。

 2000年代に入り、全く新しい方法
で道が開けた。

 強いレーザーをガス状にした原子に
あてて揺すると、電子の一部がちぎれて
飛び出す。
 それがブーメランのように元の原子に
戻ってぶつかる時、運動エネルギーが
アト秒単位のパルス光となって放出
される。
 これを応用した実験手法が確立した。

 その光をストロボとして使うか、
またはその光そのものを調べて原子の姿
を探る手もある。

 「今は70~80アト秒のパルスが
作れる。将来は10アト秒まで行ける
だろう」と東京大准教授の板谷治郎さん。

 板谷さんは、冒頭の新倉さんと共に
NRCで窒素分子の「写真」を撮った。

 「分子は、原子と原子の間を電子が糊
(のり)のようになってくっつけている。
 原子がバラバラになる時は、糊が弱く
なって分かれる。
 そのプロセスをコマ撮りしたい」と言う。

 ねらいは、化学反応の本質の解明だ。
 福井謙一博士のフロンティア軌道理論
が示すように、化学反応は分子表面の電子
の状態が重要な意味を持つ。

 超高速で姿を変える電子の状態を
リアルタイムで測定できれば、化学反応
の制御や、新薬の開発などにも応用できる
かもしれない。

 新倉さんは、この「コマ撮り」に成功
したとして、8月に米国の物理学会誌で
発表した。
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すごいですね。
高速で動き回る物体をコマ撮りする。

ねらいは、化学反応の本質の解明。
「化学反応は分子表面の電子の状態が重要
な意味を持つ。」
のだそうです。

電子の状態を解明し、制御できるように
なれば、素晴らしい世界が開ける
でしょう。

>化学反応の制御や、新薬の開発など
>にも応用できるかもしれない。

スピンスロニクスもそうですし、
超伝導もそう。
電子の制御が鍵となります。

関連記事です。
電子の一瞬 切り取る光
朝日新聞アスパラクラブ
科学面にようこそ

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