脊髄小脳変性症:14型 発症メカニズムの一部を解明
脊髄小脳変性症:14型
発症メカニズムの一部を解明
毎日新聞 2011年10月5日
詳細は、リンクを参照して下さい。
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歩行障害などの運動失調をもたらす難病
「脊髄(せきずい)小脳変性症(SCA)」
の一種、SCA14型の原因となる酵素が、
生物内で細胞内部への情報伝達を担う
「たんぱく質リン酸化酵素C
(プロテインキナーゼC=PKC)」の
機能を妨害していることを、群馬大大学院
の平井宏和教授(神経生理学)らの
共同研究グループが突き止めた。
病気が発症する原因の一端が解明された
ことで、治療に道を開く可能性がある
という。
米科学誌「ジャーナル・オブ・
ニューロサイエンス」(電子版)に
発表した。
平井教授によると、SCAは国内で
約2万3500人の患者が登録されて
おり、14型は約30種類あるSCAの
一種。SCA14型を引き起こす酵素を
持つよう遺伝子操作したマウスと正常な
マウスを比較したところ、遺伝子操作
されたマウスは運動学習能力が約4割
低下し、細胞内の神経細胞からPKCの
機能を妨害する酵素(変異型PKCγ)
の固まりが発見された。【鳥井真平】
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平井教授頑張ってますね。
SCA14型はCAG repeat病
(ポリグルタミン病)では無いタイプの
疾患です。
>病気が発症する原因の一端が解明された
>ことで、治療に道を開く可能性がある
とのことですが、
原因となる酵素ってどんな酵素なんで
しょうか?
人にとって必須の酵素であるとすれば、
(多分その可能性が大きいと思うが)
単純に排除すれば良いということには
ならないので簡単にはいかない。
CAG repeat病のタイプに対しては
遺伝子治療の研究をされている
ようですが、これには不適ですね。
なかなか一筋縄ではいかないよう
です。
関連リンクです。
群馬大学神経生理 Homeからの情報です。
「遺伝性脊髄小脳変性症 14 型の
病態を解明」
群馬大学大学院医学系研究科
教授 平井宏和
大学院生 Anton N. Shuvaev
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コメント
原因となる酵素ってどんな酵素なんで
しょうか?
→PKCは小脳の運動学習に不可欠の酵素です。これがないと運動学習が起こりません。
人にとって必須の酵素であるとすれば、(多分その可能性が大きいと思うが)単純に排除すれば良いということにはならないので簡単にはいかない。
→患者は常染色体優性遺伝、すなわち、半分の酵素は正常です。PKCは半分あれば十分ですので、変異型PKCを排除できれば障害は起こらないことになります。
投稿: | 2011年10月 6日 (木) 10時25分
haredasu さん、こんにちは ^ ^
平井先生のところは今年SCA1型についても発表されていますが、先生のお話しだと研究室に入られた若い研究者のみなさんが優秀だとのことです。
今後に期待がもてます。
投稿: H!LO ^ ^ | 2011年10月 6日 (木) 12時09分
コメントありがとうございます。
→患者は常染色体優性遺伝、すなわち、半分の酵素は正常です。
PKCは半分あれば十分ですので、変異型PKCを排除できれば障害は
起こらないことになります。
了解です。治療に道を開く可能性大と考えて良いという解釈で良いのかな?
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ヒロさんお久しぶりです。
平井先生のところではいろいろ研究されているのですね。
若い研究者のみなさんが優秀だとのことで期待したい。
投稿: haredasu | 2011年10月 7日 (金) 13時20分