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2011年10月24日 (月)

迫る津波を前に命がけで水門を閉めた消防団員たち 253人の犠牲者を生んだ重すぎる「社会構造の矛盾」

迫る津波を前に命がけで水門を閉めた
消防団員たち253人の犠牲者を生んだ
重すぎる「社会構造の矛盾」

2011年10月11日 DIAMOND online

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 今回の震災で死亡したり、行方不明と
なった消防団員は、総務省消防庁が9月に
行なった調査で253人になる。

 内訳は、岩手県が119人、宮城県が107人、
福島県が27人。

 消防団員は、普段は自営業を営んだり、
農林水産業に従事している。
 火災や地震などの自然災害があれば、
いち早く現場に駆けつけ、人命救助や消火、
復旧作業などを行なう。

 東北3県で犠牲になった消防本部の職員は
27人であるのに対し、団員は253人。
 団員は非常勤特別職の地方公務員である
が、1人につき年間で数万円の報酬しか
支給されない。
 災害や火事などの1回の手当は、
1500~3000円ほどだ。

 彼らが3月11日、命をかけて行なった
災害救助活動の後には、さらなる試練が
待ち構えていた。

 今回は、消防団員の活動やその課題を
採り上げることで、「大震災の生と死」
を考える。


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・津波が来ることはわかっていた
・だが、逃げることはできなかった

「おい、これはどうすんだ?」
「操作手順のマニュアルを早く見ろ!」
「わかんねぇ」
「早くしろ、急げ! 津波が来るぞ」


 釜石市の防災課によると、市は震災前
の時点で140ヵ所ほどの水門を管理し、
そのうち消防団は77ヵ所を担当していた。
 震度4以上の地震が起きたときや、
津波注意報・警報が発令されたときは、
団員がそれらの水門を閉めることに
なっている。


・操作盤の異常に気づき、自ら水門へ
・経験のない「手動閉鎖」で悪戦苦闘

 大森氏によると、年1回の災害訓練のとき
は、団員は水門から1キロほど離れた
遠隔操作室に行き、そこでリモート操作を
して閉めていた。

 年2回行なわれる、水門の異常を確認する
「水門検査」でも、遠隔室からの
リモート操作が迅速にできるかどうかを
調べるものだった。

 そこでは、水門を手動で閉める作業は
なかった。

 ところが、震災当日は状況が違った。
 大規模な地震のためか、操作室にある
操作盤が動かない。
 操作盤は、「異常状態」を示す赤ランプ
が点灯していた。
 そのとき、地震発生から10分以上が
経っていた。

「これ以上、時間を費やすことはもう
できない」。
 団員は消防ポンプ車に乗り込み、水門に
向かった。
 水門の上にある機械室から手動で
閉めようとしたのだ。

 大森氏は言う。

「あの時点では、10メートルを超える津波
が来るとは想像していなかった。
 操作は、水門の上に行けばなんとかなる
と思った」


・「犠牲になった団員もいる」
・253人もの犠牲を出した社会構造の矛盾

 松尾氏は、他の地域でも防潮堤・水門の
ゲート操作中やその後の移動中に死亡した
団員が多いのではないかと見ている。

「通常、防潮堤や水門は、国や都道府県が
建設する。
 本来、その管理は建設したものが行なう。
 だが実際は、多くは地元の自治体に
防潮堤や水門などの操作を委託している。
 その背景には、公共事業の予算削減
により、それらの管理費用も削減され、
職員が少なくなっていることがある」


・財政難で水門の管理を地元に丸投げ?
・「死の危険」に晒された消防団員の境遇

 松尾氏らが調べると、さらなる問題が
あったという。
 自治体も財政難のため、職員の数を
減らす傾向にあり、管理が難しい。
 そこで、地元の消防団や自治会に防潮堤
や水門などの操作を委託しているケースが
目立つのだという。
 つまり、民間企業の下請けの例で言えば、
消防団員は「孫請け」のような位置づけ
なのだ。

 松尾氏は、声を大きくして話す。

「そこに悲劇があった。消防団員らは、
この社会構造の犠牲になったとも言える。
 今後は防潮堤などのゲートを撤廃し、
 水門の閉鎖操作は確実に遠隔操作が
できるようにするべきだ」

「亡くなった団員らがなぜ死なざるを
得なかったのかを、国や自治体は
今後よく調べて、明らかにしていくべき
ではないか。
 そして少なくとも、残された遺族や
子どもの将来をきちんと補償することが
必要だ」

 しかし、被災地の消防団員らにとっては
納得がいかないであろうニュースが
報じられた。それは、今回の震災で公務中
に死亡した消防団員の遺族に支払わられる
「消防団員福祉共済」の弔慰金が、
資金不足のため規定額の4割しか
支給されないというものだ。


・共済の準備金では全員分を支払えない
・半額に減額された遺族への「弔慰金」

「我々としては、ご理解をいただきたい
と思っている。
 団長の中には、『水門を閉めに行け』
などと命じたばかりに、団員が亡くなって
しまった人もいて、苦しい思いをしている
ケースがあることは、我々も承知している。

 今後とも国に働きかけるなどして、
消防団の処遇改善などに取り組んで
いかなければならない。
 公的な制度である公務災害補償金も
財源不足であり、国がそれへの財源措置を
することなどを含め、消防団の待遇改善に
一段と取り組んでいきたい」

 国への働きかけの1つが、平成23年度の
国の補正予算に33億円に及ぶ
「消防賞じゅつ金」を盛り込むことだった。
 これは、公務員などに対しての表彰制度
である。

 消防職員や消防団員が、危険を顧みる
ことなくその職務を遂行したことで死亡
したり、障害状態となった場合に、
その功労に報い、功績を称え、遺族に支給
するものだ。

 消防庁総務課はこう答える。

「その職務の貢献の程度により、支給額は
490万円から3000万円まである。
 貢献の度合いが高い団員には、
最高額3000万円を支給する。
 一律に同額を支給するものではない」

 今後消防庁で、その貢献の程度を決める
審査が進められる。
 私は思った。
 「消防団員253人は死ぬことに意味が
あったのか」と。


・“生き証人”の証言から学ぶ防災の心得

 1.消防団員を称える世論や文化をつくる

 2.253人の消防団員の「最期」を
 徹底検証する

 3.自衛隊や警察は、消防団員について
 発言すべき

 震災直後、特に3月20日くらいまでの間に
被災地に入った自衛官、警察官らは、
その地域における消防団員の命がけの行動
を目の当たりにしたはずである。

 たとえば岩手県のある地域では、自衛隊
ががれきの中に道を作ろうとした際、
そこに入り、状況を自衛官に説明し、案内
していたのは消防団員だったという。
 そこには数十の遺体があり、団員が
親しかった友人や知人なども死んでいた。
 それでも彼らはひるむことなく、
自衛隊の“先兵”として故郷を案内した
のだ。

 だが、その後の報道では、自衛官たちが
大々的に報じられていた。
 団員の扱いは、その十数分の1にも
満たないものだった。
 自衛隊の活動も評価に値するが、私の
印象では団員の活躍もそれに劣らない
ものだった。

 こういう報道が行なわれる一因は、
消防団員には広報部がなく、自衛隊には
それがあるからである。
 今回、自衛隊や警察を取材していて
感じるが、それぞれの広報部はうまく
機能している。

 しかし、団員のあの姿を知っている
のは、震災直後に被災地に行った自衛官
であり、地元の警察官である。
 どうか、そのときの様子をメディアなど
で語ってもらいたい。
 そうでないと、団員らが報われない。

4.消防団の装備を充実する
「団員の命も、消防本部の職員の命と
同じく重い。
 だが、団員の装備は不十分であり、
命を軽く扱われているようにすら思える」


 最後に、亡くなった消防団員のご冥福を
祈りたい。
 行方不明となっている団員が、早く
見つかることを祈っている。
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悲しいことです。

何故こういう事態になってしまったのか
真摯な反省をし、改善に取り組んで
貰いたい。


>松尾氏は、声を大きくして話す。

>「そこに悲劇があった。消防団員らは、
>この社会構造の犠牲になったとも言える。
>今後は防潮堤などのゲートを撤廃し、
>水門の閉鎖操作は確実に遠隔操作が
>できるようにするべきだ」

>「亡くなった団員らがなぜ死なざるを
>得なかったのかを、国や自治体は
>今後よく調べて、明らかにしていくべき
>ではないか。
>そして少なくとも、残された遺族や
>子どもの将来をきちんと補償することが
>必要だ」
同感です。

実際はほとんど進んでいないのが現状の
ようです。報道もほとんどない。
保障も不十分。

せめて、震災直後、被災地に入った
自衛官、警察官らは、かれらの行動
について発言すべきだと思う。
そうでないと、団員らが報われない。

このままでは、私も、
>「消防団員253人は死ぬことに意味が
>あったのか」
と思う。是非無駄にしないで欲しい。

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