東大、免疫細胞「Th17」の誘導活性を持つ腸内細菌「SFB」の全ゲノムを解明
東大、免疫細胞「Th17」の誘導活性を
持つ腸内細菌「SFB」の全ゲノムを解明
2011/09/16 マイコミジャーナル
詳細は、リンクを参照して下さい。
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東京大学は9月15日、免疫細胞「Th17」の
誘導活性を持つ腸内細菌の一種である
セグメント細菌「SFB」
(Segmented filamentous bacteria)の
全ゲノム構造を解明したと発表した。
同大学大学院新領域創成科学研究科附属
オーミクス情報センターの服部正平教授を
中心とする研究グループによる研究で、
成果は科学雑誌「Cell Host & Microbe」
(9月15日号)に掲載される。
Th17細胞は、特に病原細菌やカビ類に
対する感染防御に極めて重要な役割を
果たしている、免疫系の「ヘルパーT細胞」
の一種。
しかし、その過剰応答が
慢性関節リウマチやクローン病、
潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患に深く
関与しており、近年はその発症メカニズム
の解明と治療が求められている。
Th17細胞は通常は腸管にだけ存在し、
2009年に腸管のSFBが特異的に誘導する
ことが発見された。
近年蓄積されつつある
「メタゲノム解析」との対応により、
ヒトSFBの存在を検出することも可能に
なると予想されている。
もしヒトSFBそのもの、もしくは同様の
働きをするSFB様細菌の存在が確認
されれば、ヒトにおいてもTh17細胞が関与
するとされている感染防御機能の増強や
自己免疫への対処なども進展することが
期待されるところ。
要は、SFBをコントロールすることで
Th17細胞数を人為的に増加させて
感染症の治療を行い、逆にその数を
人為的に減少させることで、自己免疫疾患
の治療につなげていくというわけだ。
さらに、そうした技術が確立されれば、
従来のヒト遺伝子やタンパク質を
ターゲットとした疾患治療のほかに、
腸内細菌をターゲットとした副作用を
考慮しないで済む創薬や予防法の開発にも
つながるとしている。
それは、SFB以外の疾患に関する細菌種
に対しても応用が可能になると
考えられている
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なかなか面白そうな展開が予想されます。
Th17は自己免疫疾患の発症に強く関わって
いるようですから、研究の進展に期待
したい。
>SFBをコントロールすることで
>Th17細胞数を人為的に増加させて
>感染症の治療を行い、
>逆にその数を人為的に減少させる
>ことで、自己免疫疾患の治療に
>つなげていくというわけだ。
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