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2011年9月13日 (火)

ソフトバンクが極秘裏に進めるアジアグリッド構想という奇貨

ソフトバンクが極秘裏に進める
アジアグリッド構想という奇貨

2011.09.12 週間ダイヤモンド


詳細は、リンクを参照して下さい。


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 ソフトバンクが日韓露を海底送電網で
つなぐ「アジアグリッド構想」を極秘裏に
検討していることが、週刊ダイヤモンドの
取材でわかった。

 想定する事業予算の合計は約1兆円。
 その背後には日本の高コスト体質を
見透かした外資系メーカーの存在がある。
 実現への壁は高いが、電力改革の
きっかけになるかもしれない。

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 ソフトバンクの参入した大規模太陽光
発電(メガソーラー)事業に絡み、必死に
売り込んでいるだけではない。
 さらに大きな事業への参画をにらんで
いるのだ。

 じつは、ソフトバンクは世間をあっと
驚かせる新構想を極秘裏に検討している。

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 東アジア全体を送電網でぐるりとつなぎ、
互いに電力を融通し合う「アジアグリッド
構想」がそれだ。
 電力不足の解消策として、孫社長が本誌
の取材に対して 明らかにしたものである。

 この構想の概要はこうだ。

 南は九州と韓国とを結び、北は北海道と
ロシアとを送電網でつなぐ。
 海には直流高圧の海底ケーブルを垂らし、
陸はモンゴルやチベットまで延ばして
しまう。 国家間で電力を融通し合うのだ。

 右図に示すように、日本の産業用電気
料金は韓国の2.7倍と高い。
 ロシアに至っては3.3倍だ。
 日本は電力を輸入することで電気料金を
安くできるという。

 孫社長は「今は、中国やモンゴル、ロシア
などの資源国から、天然ガスや石油を船で
運び、高い土地代と高い人件費をかけて
発電用のタービンを回している。
 現地で電気に加工してもらい、そのまま
持ってくればよい」と話す。

 加えて「海底ケーブルを敷くのに
南北両方足しても1兆円ちょっとですむ。
 40年間で見れば、年間二百数十億円で、
価格が半分から3分の1の電気が手に入る」
(孫社長)のだ。

 孫社長がこの構想実現に奮い立つきっかけ
をつくった存在がいる。
 それが日本でのインフラ事業参入を狙う
外資系メーカーなのだ。


--地球儀に線を引く 大手外資メーカー
の狙い--

 「日本に国際送電網を売り込むチャンス
があるか、シミュレーションしてほしい」

 まるで“地球儀に線を引く”かのごとく
世界中で巨大送電網を手がけてきた、
エンジニアリング世界大手のABB
(本拠地スイス)の日本法人に
今年3月下旬、一つの指令が下った。
 それが中国、韓国、モンゴルなどアジア
を結ぶグリッドラインであり、同社流の
日本の電力不足の解決策だ。

 そのシミュレーション内容はダイナミック
である。
 日本側の“玄関口”は九州電力の
玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)付近。
 漁業補償などがすんでいる原発周辺海域
をケーブルの引き揚げ場所に、韓国まで
約230キロメートルを結ぶ。

 さらに中国の北京、モンゴル(1800キロ
メートル)、チベット(2300キロメートル)
を含む8地点とつなげることを想定する。
 使用するのは長距離送電のロスが低く、
同社が世界トップシェアの40%以上を
押さえる「高電圧直流給電(HVDC)」
のケーブルだ。

 すでに政府筋にも「やろうと思えば
3ヵ月で海底ケーブルは敷ける」
(ABB関係者)と説明。

 過去20年だけでも世界の50ヵ所近い
HVDCプロジェクトを手がけ、
ノルウェー─オランダ間や、
フィンランド─エストニア間など、
多国間を海底ケーブルでつないだ実績も
数多い。

 しかし、前例のない話に電力関係者は
首を縦に振らなかったという。

 そこで、パートナーとして浮上したのが
電力事業について活発に発言する
ソフトバンクだった。

 ソフトバンクが核となり、同じく接触を
していた米ゼネラル・エレクトリックなど
複数社と進めてきた極秘裏のプロジェクト
が、冒頭のアジアグリッド構想なのだ。

 これまで日本の電力会社は品質管理など
のためにJIS(日本工業規格)など、
独自規格に合わせて造った国産メーカー
の電力インフラを採用してきた。

 それは「テーラーメードの紳士服を
買っていたようなもの。

 だが3・11以降、これからは“ユニクロ”
でいいじゃないかという話が加速する
はずだ」(経済産業省幹部)。

 ここでいう“ユニクロ”こそ、世界的に
標準化した製品を持つ外資系インフラ
メーカーである。
 これまでは参入障壁によって
メインプレーヤーとなれなかった外資系
メーカーの商材を“テコ”に、孫社長は
新しい電力事業のビジネスモデルを模索
しているのだ。

--実現可能性は低いものの 電力改革に
一石投じる--

 9月12日、孫社長が私財10億円を投じた
「自然エネルギー財団」の設立イベントが
開かれる。
 海外エネルギー関係者を集めた場で、
孫社長はアジアグリッド構想を華々しく
発表する……はずだった。

 この構想を本気で検討してきた
ソフトバンクはすでに壁にぶち当たって
いる。それも無理はない。

 なにより電力を輸入する主体の電力会社
に全然乗る気がない。
 東京電力の西澤俊夫社長は「コストや
技術より安全保障を基本に考えなければ
いけない」とにべもない。

 安全保障の観点はもちろんのこと、隣国
の事情もある。
 韓国は政策的に電気料金を安くしてきた
ため、電力会社が赤字続きだ。
 同じ値段で電力を輸出するわけがない。

 漁業補償や既設の送電網の強化も必要で、
一企業が進めるのはいくらなんでも
むちゃなのだ。

 しかしながら、この構想の議論自体を
否定すべきものではない。

 今後、原子力発電所の停止と損害賠償
負担により、日本の電気料金の値上がりは
避けられない。

 それでも電力会社の高い設備投資を許し、
高い電気料金を支払い続けるのか。
 それよりもこれを機に高コスト体質を
見直し電力改革を大いに議論すべきだろう。

 そんな状況のなか、孫社長は改革の旗手
となるか、道化師で終わるのか。
 今、ソフトバンクは無難な「政策提言」
へと向きを変えた。
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孫社長すごいです。

欧州は既にEU各国が電力網で結ばれ、
互いに融通しあっている。
だからこそ、自然エネルギーの導入比率も
あげられる。

どうして日本だけが鎖国状態なのか?
どうして疑問に思わないのか?

このようなことは、政治家から出てきて
良いはずだと思う。
一企業の提案する話ではない。

電力企業が賛成するはずがない。
高コスト体質で安定しているこの中で
こんなことをすれば自分の首を絞めるだけ。

安全保障はいいわけに過ぎないと思う。
WIN-WINの関係が築ければ問題はない。
食料の問題は安全保障に大いに関わる
はずなのに、何故問題だと騒がないのか?
理解しがたいことが多い。

真剣に各国で議論すべきこと。
どうしてアジアはEUのようになれない
のだろう?

>この構想の議論自体を否定すべきもの
>ではない。
と思う。

今日の朝日新聞に載っていましたが、
孫さんは、自然エネルギー財団の理事長に
元スウェーデン・エネルギー庁長官を
スカウトしたそうです。
「日本で原発事故を二度と起こさない
ために頼みたい」と口説かれたらしい。
まだ任期も残っていたというのに、
すごい決断です。

これこそ戦略であり、夢なのだと感じる。
是非実現させたい。


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