「骨を作りかえる指令細胞の発見」
「骨を作りかえる指令細胞の発見」
-骨疾患治療の新たな標的細胞が明らかに-
平成23年9月12日
国立大学法人 東京医科歯科大学
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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・骨は破壊と形成によって常に新しく
生まれ変わり、私たちの身体を支える
だけでなく、カルシウムなどのミネラル
の保管・補給をしています。
骨が新しく作りかえられる場合、古い骨
が破骨細胞によって破壊されなければ
なりません。
今回我々は、破骨細胞を育てることで
骨を作りかえる指令を出す細胞が、骨に
埋め込まれた骨細胞であることを発見
しました。
・骨細胞だけで蛍光を発する遺伝子改変
マウスを作製することで、これまで
難しいとされていた骨細胞を骨から
取り出すことに成功しました。
そして、骨細胞が破骨細胞を育てるため
に必要な分子RANKL(ランクリガンド)
を強力に発現していることをつきとめ
ました。
RANKLを骨細胞だけで破壊した
マウスは、破骨細胞を育てることが
できず、重篤な大理石骨病を発症
しました。
・骨細胞は、さまざまな骨疾患の標的細胞
として注目されており、現在、最も
国際競争が激しい研究分野の1つです。
世界に先駆けたこの研究成果によって、
今後、日本における骨疾患研究が世界を
牽引することが期待されます。
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合
研究科 分子情報伝達学分野の高柳 広 教授
と中島 友紀 助教のグループは、
オーストリアIMBA研究所、スペイン国際
癌センター、英国Cambridge大学、
米国Baylor大学、
米国Missouri-Kansas
City大学、九州大学 大学院工学
研究院、東京大学 先端科学技術センター
などの研究グループとの共同研究で、骨を
破壊する破骨細胞を育てることで、骨を
作りかえる指令細胞を発見しました。
本研究は、科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業ERATO型研究
「高柳オステオネットワークプロジェクト」
(研究総括:高柳 広)と文部科学省・
科学研究費補助金、ならびにグローバル
COEプログラムなどの支援のもとで
行われたもので、その研究成果は、
国際科学誌Nature Medicine
(ネイチャーメディスン)に、
2011年9月12日付けオンライン版で
発表されます。
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>本研究で開発された骨細胞の単離培養法
>は、細胞生物学的にいまだ不明な点が
>多い骨細胞の特性を理解する上で、
>重要なディバイスとして、
>今後、さらなる骨制御因子の同定や
>新たな治療法の確立につながる可能性を
>秘めています。
>国際競争が激しい当該研究分野において
>先駆的な研究を成し得たことで、
>日本における骨疾患研究が、
>一層、世界を牽引することが期待
>されます。
とのことで、
すばらしい成果のようです。
期待しましょう。
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