水素の挙動を観察できる新たな水素吸蔵材料の合成と構造解析に成功
水素の挙動を観察できる新たな
水素吸蔵材料の合成と構造解析に成功
-異種多金属ヒドリドクラスターのX線構造
解析で、水素の吸着・放出を直接観察-
平成23年9月19日 理化学研究所
詳細は、リンクを参照して下さい。
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化石燃料に代わり、クリーンで再生可能
なエネルギーとして、燃やすと水になる
だけの水素の活用に、世界が大きな期待を
寄せています。
実際に、燃料電池や水素を燃焼させる
水素自動車などの開発も活発化しています。
しかし、常温・常圧では気体のままで、
蓄積に膨大な体積を必要とするため大量に
水素を吸蔵する金属・合金などの活用が
欠かせません。
しかし、金属の中に取り込まれる
水素原子の様子や水素を取り込んで変化
する金属材料などの構造を直接観察する
ことは難しく、水素吸蔵の効率向上など
に課題を残していました。
基幹研究所侯有機金属化学研究室らの
研究グループは、希土類金属とd-ブロック
遷移金属という異なる性質を持つ金属を
組み合わせた、新しいタイプの水素吸蔵
材料「多金属ヒドリド(H-)クラスター」
の合成と、これが水素と反応する様子を、
X線・中性子回折を活用した構造解析に
成功しました。
合成した多金属ヒドリドクラスターは、
水素を吸蔵させた後に加熱脱気
(10-8気圧、80℃)すると水素を1分子
だけ放出します。
構造解析の結果、中心部と2つの
イットリウム原子間(図のY3とY4)を
架橋していたヒドリド原子が、水素分子
として放出していることが分かりました。
さらに、水素分子が抜けたものに再び
水素を吹きかけると、元に戻ることも
分かりました。
理論計算による解析の結果、この水素
との反応では、イットリウムが水素を
捕まえ、モリブデンが水素を蓄えること
で、クラスター内に水素が取り込まれて
いることが分かりました。
今後は、水素吸蔵材料の新たな物質群
の創生や新たな触媒開発に貢献すると
期待できます。
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一歩前進ですね。
関連記事は、
理研、新たな水素吸蔵材料
「多金属ヒドリドクラスター」の合成に
成功
マイコミジャーナル
ところで、燃料電池車ですが、関連記事。
「2020年には500万台が走る?
燃料電池自動車の実現性は?」
all about for M
を見てください。
難しそうです。
バッテリーがなくては駄目。
かつ燃料電池が高いらしい。
水素の格納方法も安全性の問題あり。
HONDAで実際に出している燃料電池車
クラリティの記事。
「“市販車”だけど買えない
FCXクラリティ」
all about for M
高すぎる。もったいない話です。
載って見たい気はしますが、
参考までに、Youtubeの動画です。
「燃料電池車・ホンダFCXクラリティに
公道試乗」
良さそうなんですけどね~
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