« 日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証 | トップページ | ブラックホールの位置、初の特定 総合研究大学院大など »

2011年9月 6日 (火)

京大、放射線からDNAを修復するたんぱく質「NBS1」についての新発見

京大、放射線からDNAを修復する
たんぱく質「NBS1」についての新発見

2011/09/02 マイコミジャーナル

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 京都大学は9月2日、放射線の
修復たんぱく質「NBS1」による
「RAD18ユビキチン酵素」を介した損傷
乗り越えDNA合成の開始について発表を
行った。

 同大学放射線生物研究センター教授の
小松賢志氏や同研究員の柳原啓見氏ら
による発見で、成果は科学誌
「Molecular Cell」電子版に掲載された。

 電離放射線感受性や高発がん性を特徴
とするヒトの遺伝病「ナイミーヘン症候群」

 原因遺伝子はNBS1だが、このNBS1は
放射線照射による最も重篤なDNA損傷
であるDNA二重らせんの切断に対して
再結合を行うこと、再結合の間は
細胞増殖を停止させる機能を有すること
も判明している。

 また、コンパクトに折りたたまれた
DNAを再結合に先立って解きほぐす
のも、このNBS1だ。

 そして、日光(紫外線)過敏症および
日光暴露部位からの皮膚がんを呈する
ヒト遺伝病の「色素性乾皮症バリアント」

 その原因遺伝子は、損傷乗り越え型の
DNA複数酵素「Pol eta」
(ポリメレース・イータ)である。

 通常のDNA複製酵素からのこの
Pol etaへの変換には
RAD18ユビキチン酵素が必須だ。

 こうした発見が積み重ねられてきている
わけだが、RAD18が紫外線による損傷を
どのようにして認識するのかについては、
DNA結合たんぱく質「RPA」が重要である
とする報告もあったが、矛盾点もあり、
未解決のままだったのである。

 研究グループでは、ナイミーヘン症候群
の患者の細胞内には、放射線感受性に
加えて紫外線感受性を示す者がいることを
発見。

 解析の結果、通常のRAD18は「RAD6」と
結合して活性化されるが、NBS1は
そのRAD6と似たDNA構造をしていることが
わかったのである。

 紫外線照射を受けると、NBS1がRAD6に
代わってRAD18ユビチキン酵素と結合、
そして紫外線損傷部位に
RAD18ユビキチン酵素をリクルートする。

 これにより、損傷部位で通常の
DNA複製酵素から損傷乗換型酵素の
Pol etaへの交換が起こり、損傷乗り越え
合成が始まるというわけだ。

 逆にNBS1が欠失すると、
RAD18ユビチキン酵素およびPol etaは
損傷部位に集まらず、損傷乗り越え合成が
進まない。
 その結果として、紫外線高感受性に
なってしまうのだという。

 放射線は生物にとって最も重篤な
DNA損傷を発生する。
 このため、DNA機構修復機構のみならず、
修復期間は細胞増殖を停止させる機構
など、複数の機能の協調的な刺激が必要だ。

 NBS1は、DNA修復、細胞増殖停止、
DNA構造の弛緩、そして今回発見された
損傷乗り越え合成の制御など、実に多くの
機能を持つ。

 そのため、これらを統一的に行わせる
コーディネート(指令)たんぱく質である
可能性が高いとする。

 また損傷乗り越え合成は、制がん剤の
シスプラチン処理からの細胞修復や、
免疫多様性獲得のためのクラススイッチ
機構に重要であることが知られており、
このためコーディネートたんぱく質
NBS1機能を阻害させる方法を開発すること
で、放射線治療や抗がん剤の増感や
免疫機能を人工的に低下させるといった
医用応用が期待されているとした。

 そして残る謎が、修復たんぱく質の起源。

 電離放射線は1895年のレントゲンによる
X線の発見からまだ110年あまりの歴史しか
なく、それにも関わらず発見時に既に
ヒトの細胞は電離放射線から防護する
DNA修復機構が存在しており、その点は
未解明となっている。

 生物は放射線照射を一度に多量に受ける
と障害が大きいが、ゆっくりと時間を
かけて受けた場合は、障害が少ない。
 DNA二重鎖切断の修復機能が働くからだ。

 電離放射線のたんぱく質として知られる
NBS1が、紫外線(太陽光)によるDNA損傷にも
機能をしていることを示した今回の発見は、
電離放射線の修復機構の起源を探る重要な
手がかりとして期待されているとした。
---------------------------------------

NBS1って重要な蛋白質なんですね。

今回は紫外線なんですが、
>電離放射線の修復機構の起源を探る
>重要な手がかりとして期待されている
とのことです。

いつ、どのようにしてその機能を獲得
したのか?
興味深いです。

この記事の関連リンクは、
放射線の修復蛋白NBS1によるRAD18を
介した損傷乗り越えDNA合成の開始

2011年9月2日 京都大学プレスリリース
です。
ご参考まで、

|

« 日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証 | トップページ | ブラックホールの位置、初の特定 総合研究大学院大など »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/52662496

この記事へのトラックバック一覧です: 京大、放射線からDNAを修復するたんぱく質「NBS1」についての新発見:

« 日本人の一次予防患者でも積極的LDL-C低下療法の優位性を実証 | トップページ | ブラックホールの位置、初の特定 総合研究大学院大など »