« 放射線:「除染急げ」 東京大アイソトープ総合センター長 | トップページ | NIPS、幹細胞の作製メカニズムの一端を解明 - あらゆる脳細胞の作製に期待 »

2011年8月 9日 (火)

炉心大半、格納容器か 各地の線量増加、根拠 福島第一原発・3号機再溶融説

炉心大半、格納容器か 
各地の線量増加、根拠 
福島第一原発・3号機再溶融説
2011年08月08日 朝日新聞

---------------------------------------
 東京電力福島第一原発3号機で、炉心の
大部分が「再溶融」し、大半が原子炉
圧力容器から格納容器に落下した可能性が、
専門家の分析で浮かんだ。

 東電と政府はこれまで、溶けた炉心の
大部分は圧力容器の底にあるとの立場を
とり続けてきたが、根拠は「炉の状態の
詳細がわからない」などとして明確な
説明をしていない。

 分析した旧日本原子力研究所の
田辺文也・元研究主幹が再溶融の根拠の
一つにあげるのが、福島第一原発の風下
の福島第二原発や北茨城、高萩、水戸など
関東で3月21日朝から放射線値が
上がったことだ。

 経済産業省原子力安全・保安院は当時、
「上空に漂っていた放射性物質が雨で
地上に落ちたため」と説明したが、再溶融
で新たに原発から放出された放射性物質が
風で流された可能性がある。

 これに先立つ21日午前1~3時、
圧力容器の圧力が約110気圧まで
急上昇。

 冷却不足のため圧力容器内で何らかの
爆発的な現象が起こったらしい。
 これが再溶融の始まりとみられる。

 圧力の急上昇の理由について田辺さん
は、圧力容器内で固まっていた溶融物の
塊が冷却不足で割れ、内部から流れ出た
溶岩のような高温物質が水に触れて、
大量の水蒸気を発生させた可能性を
あげる。

 3号機では3月21日午後と23日午後
に原子炉建屋から黒っぽい煙が上がった。
 これは溶けた燃料が格納容器の
コンクリートと触れて起きる
「コア・コンクリート反応」の可能性が
ある。

 炉心溶融の後も冷却不足が続くと起こる
典型的なシナリオとされる。

 東電は「この時期に燃料の一部が
格納容器に落ちた可能性は考えられるが、
黒煙はゴムや潤滑油などへ引火したもの」
と説明するが、引火の原因は説明して
いない。

 こうした再溶融のシナリオについて、
炉心溶融など原発の過酷事故の専門家で
元原子力安全委員の早田邦久さんは、
公表データの信用度がはっきりしていない
ので可能性の高さはわからないとしながら
も、「説として否定できないし、
そうなっていても驚きはない」と話す。

 冷温停止をめざしている東電について、
田辺さんは「格納容器に落ちた燃料が
冷やされているか監視する手だてを、
きちんと考える必要がある」と
指摘している。(安田朋起)
--------------------------------------

再溶融の可能性があるそうです。
そうであっても驚きはしないですが、
ただ、下記の調査はおろそかに
すべきではないと思います。

>田辺さんは「冷温停止を判断する場合、
>溶融物がどこにあるかによって温度を
>測るべき場所が変わる。
>原子炉の中で何が起きたかきちんと分析
>すべきだ」と指摘する。
当然です。

溶融物が格納容器の底を通り抜けて
さらに下まで言っていれば、話は変わる。

収束に向けた工程表に影響する可能性は
大いにあると思います。

このままでは、政府が発表する冷温停止
など信用できない。

>「炉の状態の詳細がわからない」
などと言っていて良いのですか?
どんな方法をとっても分からないので
あれば、最悪の状況を想定すべきなの
ではないでしょうか?

東電も、政府も根拠のない説明しか
しない。

こんなことで国民の安全を本当に守れる
のでしょうか?

不安を煽っているのは東電であり、
その報告を鵜呑みにしている政府
のように思えてならない。

|

« 放射線:「除染急げ」 東京大アイソトープ総合センター長 | トップページ | NIPS、幹細胞の作製メカニズムの一端を解明 - あらゆる脳細胞の作製に期待 »

経済・政治・国際ニュース」カテゴリの記事

コメント

  はじめまして こんばんは
 原発のことを調べていたらあなたのところへたどり着きました。
 
 最近テレビや新聞を見る暇もなかったのでとても参考になりました。 ありがとうございます。

 ご病気を受け止めて生きておられる姿勢がすばらしいと思い、僭越ですがお便りさせていただきました。
 現在のお加減を知らないままに勝手なことを言ってごめんなさいね。
 このようにほかのひとにはできないお仕事をなさっていて、あたえられたいのちをたいせつになさっておられるのだと思いました。
 これからもよろしくお願いいたします。

投稿: naganokirinn | 2011年8月15日 (月) 22時31分

naganokirinnさんコメントありがとうございます。

お役にたてて良かったです。

歩くのはかなりきつくなってきましたが、パソコンをいじるのは
問題なく、なんとかやってます。

こちらこそ、よろしくお願いします。

投稿: haredasu | 2011年8月17日 (水) 11時44分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 炉心大半、格納容器か 各地の線量増加、根拠 福島第一原発・3号機再溶融説:

« 放射線:「除染急げ」 東京大アイソトープ総合センター長 | トップページ | NIPS、幹細胞の作製メカニズムの一端を解明 - あらゆる脳細胞の作製に期待 »