« 肥満から糖尿病や動脈硬化への橋渡しメカニズムを解明 | トップページ | 【各地の放射線量】(8月20日)関東全域で上昇 »

2011年8月20日 (土)

「量子ドット」究極の太陽電池目指す

「量子ドット」究極の太陽電池目指す
ナノ単位の技術で、変換効率80%うかがう

2011年8月18日 日経ビジネスONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 結晶シリコン太陽電池のエネルギー
変換効率の上限は約30%。
 そのため、次世代太陽電池の研究開発が
国家プロジェクトとして進められている。
 中でも、究極の太陽電池と目されている
のが、「量子ドット太陽電池」だ。

 そして、最近、この量子ドット太陽電池
に関して、新たな研究成果が発表された。

 これまで定説とされてきた
量子ドット太陽電池のエネルギー変換効率
の上限63%に対し、東京大学ナノ量子情報
エレクトロニクス研究機構長の荒川泰彦教授
とシャープの研究チームが、75%以上になる
ことを示したのだ。

-------
 そもそも「量子ドット」は、1982年に、
荒川教授が世界で初めて提唱した概念で、
電子を閉じ込めるために形成した極小の粒
(ドット)のことだ。

 1粒の量子ドットの大きさは、直径数ナノ
メートル(ナノは10億分の1)から
数10ナノメートルで、約1万個の原子で
構成されている。

 これを、太陽光パネルの半導体の薄膜の
中にちりばめると、エネルギー変換効率を
大幅に向上させることができるのだ。

 太陽電池は、「バンドギャップ」と
呼ばれるものを利用して、太陽の
光エネルギーを電気エネルギーに変換して
いる。

 バンドギャップとは、半導体の中にある
「価電子帯」と「伝導帯」との
エネルギー差のことで、その値は半導体の
種類によって異なる。

 シリコンなどの半導体でできた太陽光
パネルに光が当たると、エネルギーの低い
p型半導体の「価電子帯」にある電子が
光エネルギーを吸収し、エネルギーのより
高いn型半導体の「伝導帯」に移動する。
 そこで生じる電圧差を電力として
取り出しているのだ。

 量子ドットを半導体の薄膜の中に
ちりばめるだけで、なぜ、エネルギー変換
効率を大幅に向上させることができるの
だろうか。

 理由は、量子ドットと量子ドットの間に
発生する「量子トンネル効果」にある。

 我々が住む世界では、目の前に壁が
あった場合、壁の向こうにボールを投げる
には、壁の高さよりも高くボールを投げる
必要がある。

 ところが、ミクロ(ミクロは100万分の1)
やナノスケールを扱う量子力学の世界では、
壁よりも高く投げなくても、壁の向こうに
ボールを投げることができる。
 それはあたかも壁にトンネルがある
ように見えることから、量子トンネル効果
と言われている。

 半導体の薄膜上に量子ドットを
数ナノメートルの間隔で規則的に配列する
と、この現象が量子ドット間で起こる。
 しかも、ナノメートルサイズになると、
量子ドットの中に閉じ込められた電子は、
「エネルギー準位」と呼ばれる飛び飛びの
エネルギーの値を持つようになる。

 そのため、エネルギー準位のあるところ
で、量子トンネル効果が発生すると、
それがあたかも、価電子帯と伝導帯の
バンドギャップの中間にできた
「ミニバンド」のような働きを示す。

 マドリッド工科大学の教授は、
量子ドットによって作られるミニバンドの
数は1本と仮定としていた。

 しかし、荒川教授は、量子ドットの
大きさや形状を制御することで、複数の
ミニバンドを形成できるのではないかと
考えたのだ。

 実現すれば、エネルギー変換効率は
さらに高まる。

 「例えば、管楽器は大きさを調整して
音の波長を半分にすると、1オクターブ
高い音を出すことができるようになる。

 電子は波の性質を持つので、管楽器同様
に、量子ドットの大きさや形状を変えて
やることで、電子のエネルギー準位を自由
に制御できるのではないかと考えた」。
 荒川教授はこう説明する。

 そして、研究を重ねていった結果、
量子ドットの大きさや形状、位置などを
制御することで、複数のミニバンドが
できることを、理論計算と
コンピューターシミュレーションによって、
明らかにしたのだ。

 「ミニバンドが4本できれば、75%の
エネルギー変換効率を達成できることが
分かった。
 上限は80%と見ている」と荒川教授は
語る。

 荒川教授らが研究開発中の量子ドット
太陽電池の場合、1種類の薄膜だけで、
様々な波長の光を吸収できる。

 そのため、製造コストを結晶シリコン
太陽電池の数倍程度に抑えることができる
上、構造的にも安定しているので、
製品寿命も長いという。

 現在、荒川教授らのグループでは、
分子線エピタキシー法(MBE)や、
有機金属気相成長法(MOVCD)といった
製造方法を用いて、量子ドット太陽電池を
作っている。
 半導体の薄膜にはガリウムヒ素を、
量子ドットにはインジウムヒ素を
用いている。

 現在のところ、荒川教授らが試作した
量子ドット太陽電池のエネルギー変換効率
は、約16%程度。

 荒川教授は今後の見通しをこう語る。
 「これからの10年間で実用化のための
実証を推進していく。
 世の中に広く普及するには、15年から
20年かかると見ている」。

 エネルギー変換効率の高い太陽電池が
実用化されれば発電コストも大幅に下がり、
普及に弾みがつく。
 1日も早い実用化に期待したい。
---------------------------------------

記事内容は、この投稿のことですね。

太陽電池の変換効率75%に
東大とシャープが構造解明

2011年4月26日

こちらは、東北大学の研究。
高効率・量子ドット太陽電池の実現
に向けて大きな一歩

2011年6月28日 東北大学

競争激しいですね。
東北大学の方が進んでいるようです。

>これから世の中に広く普及するには、
>15年から20年かかると見ている
は長すぎる。
もっと早くならないのかな?

|

« 肥満から糖尿病や動脈硬化への橋渡しメカニズムを解明 | トップページ | 【各地の放射線量】(8月20日)関東全域で上昇 »

科学関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/52521917

この記事へのトラックバック一覧です: 「量子ドット」究極の太陽電池目指す:

« 肥満から糖尿病や動脈硬化への橋渡しメカニズムを解明 | トップページ | 【各地の放射線量】(8月20日)関東全域で上昇 »