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2011年8月30日 (火)

「バイオディーゼル-自産自消の有力エネルギー」

「バイオディーゼル-自産自消の
有力エネルギー」

2011年8月23日 Science Portal

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 菜種はカナダや米国、大豆はアルゼンチン
やブラジルなど広大な土地を有する国々から
輸入されている。

 一方、使用済みの食用油(廃食用油)は
廃棄物処理業者に引き取られて処分される
か、あるいは「燃えるゴミ」として
焼却処理されている。

 昨今のエネルギー事情を考えるとあまり
にも「もったいない」話である。

 そこで、廃食用油のリサイクル処理
として、軽油の代替燃料となる
バイオディーゼル燃料
(bio-diesel fuel:BDF)の利活用を進めて
ゆくことを提案したい。

 このBDFは、他の燃料と混合させて利用
する必要はない。

 ディーゼルエンジンであれば、発電機は
もちろんのことトラクターや乗用車も
BDFのみで動かすことができる。

 軽油に比べると、排気ガス中に含まれ
大気汚染の原因となる硫黄酸化物(Sox)は
ほぼゼロで、窒素酸化物(NOx)も少ない
ことから、環境にも優しい燃料である。

 植物油は、使い切りの化石燃料とは違い、
種をまくだけで何度も利用できる
再生可能な燃料でもある。
 その上、植物由来なので大気中の
二酸化炭素(CO2)を増加させない
カーボンニュートラルな特徴を持って
いる。植物は光合成によって大気中の
CO2を取り込む。
 植物は消費された後でバクテリア
によって分解されたり焼却処理されるが、
これによって同じ分量のCO2が大気中に
放出される。
 従って、長期的にみるとCO2は植物と
大気の間を循環するだけで正味の量は
変わらないことになる。
 つまり、食用油は地球温暖化の原因と
されている温室効果ガスのCO2を増やす
ことのない燃料である。

 バイオマス(植物性資源)は再生可能と
カーボンニュートラルという魅力的な特徴
を持っているが、そのエネルギー密度は
低くかつ広く分布している。
 例えば、各家庭に存在する廃食用油は
それほど多くはなく、その量は一世帯
につき年間数リットルである。
 その上一度回収すると次の回収まで
かなりの時間を要する。
 従って、大量の廃食用油を効率よく
回収するためには、広範な地域住民の
協力が必要である。
 これはデメリットとなるが、発想を
変えると、地域密着の分散型エネルギー
として利用価値が高いことを意味して
いる。

 しかしながら、日本全体を俯瞰(ふかん)
すると、BDFの利活用は広がりを見せて
いない。

 海外の取り組みに比べると驚くべき遅さ
である。

 BDFの利活用にとって一番のネックと
なっているのは制度的な課題である。

 国交省が定めた「揮発油等の品質の
確保等に関する法律(品確法)」では、
軽油に混合できるBDFの量は5%以下
あるいはBDF100%の使用に限定されている。

 バイオ燃料による車両不具合の防止
のために品確法が必要とされているが、
この法律によってBDF普及への道はかなり
閉ざされてしまったといえる。

 それ以外にも、軽油引取税や消防法
(ガソリンスタンドではBDFと軽油を混合
することができない)、廃棄物処理法
(事業所から排出される廃食用油は
産業廃棄物と認定される)などの課題を
クリアしなければならない。

 さらに、BDFの品質そのものに関連した
課題も抱えている。

 このような現状で日本におけるBDFの
普及は不可能なのだろうか。

 輸入された食用油の原料から概算
されるBDFの賦存量は、日本で消費される
軽油の1%弱にしかならない。

 しかしながら、再生可能で
カーボンニュートラル、地域密着型という
特質を効率よく利用できるならば、
EU諸国の取り組みが示すように、普及に
向けた潜在的可能性は大きいといえる。

 少子高齢化による離農者の増加とともに
増え続ける耕作放棄地や遊休農地などを
有効に利用し、燃料作物を作付けできる
環境を整えてゆくことによって地域の
活性化が見えてくる。

 また、風力発電や太陽光を利用した
新エネルギーと組み合わせることによって、
リスク分散型電力供給システムへの移行が
可能となる。

 これは未来型電力供給システムとして
注目されているスマートグリッドと共通する
考え方である。
 このように、地域の活性化や
新エネルギーの技術を組み合わせて考える
ことによって、BDFの新しい可能性が
浮かび上がってくる。
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BDFね~
日本で広めるのは難しそうです。

>海外の取り組みに比べると驚くべき遅さ
>である。
と言っています。

確かに「もったいない」

日本のエネルギー政策をどうするのか?
「リスク分散型電力供給システムへの
移行」という観点で、しっかり議論して
貰いたい。

日本はいつから「もったいない」精神を
忘れてしまったのかな?
日本には「もったいない」という良い言葉
があると誰かが言ってましたよね。

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