京大、高血圧の予防に向けた血圧調節機構を解明 - 投薬量決定などに期待
京大、高血圧の予防に向けた血圧調節機構
を解明 - 投薬量決定などに期待
2011/08/04 マイコミジャーナル
詳細は、リンクを参照して下さい。
---------------------------------------
京都大学(京大)の竹島浩 薬学研究科
教授、山崎大樹同特定講師らの
研究グループは、小胞体カウンターイオン
チャネルであるTRICチャネルが血管平滑筋
において興奮性調節のシグナル伝達に参画
することにより、血圧調節に寄与する機構
を解明した。
また、ヒトTRICチャネル遺伝子の
一塩基多型が本態性高血圧の発症に密接に
関与すること、ならびに高血圧リスク
一塩基多型を有する高血圧患者は
汎用される降圧薬に対して抵抗性を示す
ことも明らかにした。
同成果は米国の医学誌
「Cell Metabolism」(8月3日号)に掲載
された。
生理的条件下で観察される数十ミリ秒に
及ぶ小胞体Ca2+放出を持続するためには、
この負電荷を中和する機構が必要であると
されており、この機構を担う分子である
カウンターイオンチャネルとして、
一価陽イオン特異的なTRICチャネルが
京都大学大学院薬学研究科にて同定されて
いた。
動物においては、TRIC-AとTRIC-Bの
2種類のTRICチャネルサブタイプが独自の
組織特異的パターンにより分布しており、
両サブタイプは3本の膜貫通セグメントを
有して、核膜や小胞体膜内でホモ3量体を
形成し、細胞内環境下では主にK+透過性
チャネルとして機能している。
TRIC-Aチャネルは筋組織や脳などの
興奮性細胞群に高発現することが確認
されていたが、その生理的意義については
不明であった。
今回の研究では、TRIC-A遺伝子欠損
マウスにおいて観察された高血圧に注目
した。
同変異マウスの血管平滑筋細胞では、
小胞体膜上のリアノジン受容体と
細胞膜上の大コンダクタンスCa2+依存性
K+チャネルによる過分極シグナルが障害
されており、興奮性の亢進による
電位依存性Ca2+チャネルの異常活性化も
確認されたことから、血管平滑筋の
過分極シグナルはTRIC-Aチャネル、
リアノジン受容体とCa2+依存性K+チャネル
の機能共役により成立していることが
判明した。
一方、正常血圧群と高血圧患者群に
おけるヒトTRIC-A遺伝子内の
一塩基多型(SNPs:single nucleotide
polymorphisms)を検討した結果、日本人の
約7%で観察されるSNP型で本態性高血圧の
発症が18%上昇することが明らかになった
ほか、この高血圧リスクSNPsを有する
高血圧患者においては、一般に処方される
降圧薬3種に対して抵抗性を示すことも
明らかとなった。
このTRIC-Aチャネルが血圧調節に関与
しているという発見は本態性高血圧の
病態解明につながるもので、高血圧の
予防、降圧薬選択や投薬量決定などの
個別化医療への展開が期待されるという。
---------------------------------------
難しいですね。
>このTRIC-Aチャネルが血圧調節に関与
>しているという発見は本態性高血圧の
>病態解明につながるもので、高血圧の
>予防、降圧薬選択や投薬量決定などの
>個別化医療への展開が期待されるという。
らしいです。
期待しましょう。
詳細は、
「小胞体カウンターイオンチャネル
TRICチャネルによる血圧調節機構と
TRICチャネル遺伝子多型による
本態性高血圧リスク」
2011年8月2日 京都大学 お知らせ
を参照してください。
| 固定リンク
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント