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2011年6月29日 (水)

塗って作れる太陽電池

塗って作れる太陽電池
2011年6月20日 日経ビジネスONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 2011年4月、三菱化学は、「次世代太陽
電池」として実用化が待たれている
「有機薄膜太陽電池」において、
世界最高値となる9.2%のエネルギー変換
効率を達成したと発表した。

 同社の有機薄膜太陽電池の特徴は、
印刷技術を利用して効率の高い生産が
できること。
 これにより、近い将来、部屋の壁紙や
カーテン、自動車のボディ、衣服などで
太陽光発電ができるようになるかも
しれない。

 福島第一原発事故を機に、
自然エネルギー、とりわけ太陽光発電への
期待が高まっている。

 このような中、2011年4月に、三菱化学
は、「次世代太陽電池」として実用化が
待たれている「有機薄膜太陽電池」
において、世界最高値となる9.2%の
エネルギー変換効率を達成したと発表
した。

 「このニュースは米国の『サイエンス』誌
でも紹介された。
 これまでの最高値だった8%台を一気に
1%も向上させることができたことに、
海外の研究者たちも驚きを持って受け止めて
くれたようだ」。星島氏はこう語る。

 現在、家の屋根などに設置されている
太陽光パネルの多くは、無機系の
「結晶シリコン太陽電池」だ。
 高価格であるため、なかなか普及に弾み
がついていない。

 その最大の要因は、原料に高純度シリコン
を使っていることにある。
 しかも、日本の場合、その調達を中国
からの輸入に全面的に頼っており、
資源外交リスクという課題も抱えている。

 そのため、低価格で、資源外交リスクが
低い原料を使う次世代太陽電池の開発が
求められている。

 その本命として、国内外を問わず、現在、
研究開発が急ピッチで進められているのが、
有機系太陽電池だ。

 有機系太陽電池とは、その名の通り、炭素
などの有機物を材料とした太陽電池のこと。

 現在、「色素増感太陽電池」と
「有機薄膜太陽電池」の2種類に大別
できる。

 三菱化学が研究開発を進めているのは、
後者だ。
 特に、有機薄膜太陽電池は、入手しやすい
原料を使っており、従来の結晶シリコン
太陽電池に比べて、生産コストが低く抑え
られる。
 その上、薄くて、軽く、曲げられる
といった特徴を持つため、応用範囲が
広く、様々なデザインに加工できる。

 有機系太陽電池の場合、主な原料である
有機物が性能向上の鍵を握る。
 そのため、ここ数年、長年培ってきた
素材に関する自社の知識や技術を太陽電池
に応用すべく、住友化学や三井化学、東レ、
東洋紡といった素材メーカーが相次いで
市場に参入してきている。

 三菱化学もその中の1社というわけだ。

 これまで、エネルギー変換効率が5%程度
と低く、製品寿命が短いのが課題だった。

 そこで、エネルギー変換効率と製品寿命の
さらなる向上を目指し、多くの企業や
研究機関がしのぎを削っているのである。

 このような中、三菱化学が発表したのが、
「エネルギー変換効率9.2%」を達成した
試作品であった。

 星島氏はこう語る。
 「エネルギー変換効率を10%にできれば、
実用化に踏み切れると考えている。
 今回の成功により、2012年には実用化
できる見通しが立った」。

 さらに、星島氏はこう加えた。
 「しかし、弊社の有機薄膜太陽電池の
真骨頂は、エネルギー変換効率の高さ
ではない。
 印刷技術が利用可能な製造方法にある」。

 これまで、有機薄膜太陽電池の製造方法
としては、「真空蒸着法」が常識とされて
いた。
 真空蒸着法の場合、大掛かりな製造装置
が必要なため、生産コストがかさむ上、
大面積化が難しいという欠点がある。

 それに対し、三菱化学が開発した製品の
場合、フィルム基板などに印刷して簡単に
製造できる。
 そのため、製造装置も比較的小さなもの
で済み、大量生産が可能になる。
 大面積化も容易だという。

 その結果、「部屋の壁紙やカーテンで
発電する」といったことまでが、現実味を
帯びてくるのだ。

 印刷技術を使った製造方法を可能にした
のが、同社が開発した有機半導体材料だ。

 有機薄膜太陽電池には、2種類の
有機半導体材料が必要だ。
 1つは、光が当たると電子を放出する
「p型有機半導体」。
 もう1つは、電子を受け取り、電極に
伝える「n型有機半導体」だ。

 三菱化学が開発した有機薄膜太陽電池
では、p型有機半導体に、
「テトラベンゾポルフィリン」と呼ばれる
有機物を、n型有機半導体に、
「フラーレン誘導体」を用いている。

 フラーレン誘導体とは、炭素原子60個
からなるサッカーボール状の分子である
フラーレンに、有機分子を取り付けた
化合物のことだ。

 テトラベンゾポルフィリンは、実は、
2006年に、当時、
三菱ケミカルホールディングスだった
三菱化学と愛媛大学理学部の小野昇名誉教授
が、有機ELや電子ペーパーの駆動用
薄膜トランジスタの材料として開発した
ものだ。
 半導体特性がたまたま有機薄膜太陽電池
の条件に合致していたため、太陽電池への
応用を開始したのだ。
 ちなみに、有機薄膜太陽電池は、電気を
流すと光を放つ素材「有機EL」と反対の
物理現象を利用している。

 テトラベンゾポルフィリンの前駆体を
有機溶媒に溶かしてインク化し、それを
フィルム基板に塗布して加熱すれば、
有機薄膜太陽電池が簡単に作れるのでは
ないか――。

 そう考えた三菱化学の開発陣は、
東京大学大学院理学系研究科の中村栄一教授
らと共同で、有機薄膜太陽電池の研究開発を
本格的に開始した。

 この共同研究の中で、東京大学は、
テトラベンゾポルフィリンが放出する電子
を効率良く受け取れるように、新たに
フラーレン誘導体を開発した。

 かくして、2007年、三菱化学は東京大学
と共同で、フィルム基板に、
テトラベンゾポルフィリンという低分子の
有機半導体材料を塗布して加熱する方法で、
有機薄膜太陽電池を製造することに、
世界で初めて成功した。

 2009年4月からは、東京大学大学院理学系
研究科の協力の下、3カ年計画で、
社会連携講座「光電変換化学講座」を開設。
 有機半導体材料の改良や光学設計を
見直すことで、着実にエネルギー変換効率
を向上させていった。
 そして、2011年4月、9.2%のエネルギー
変換効率を達成した。

 「弊社は、有機薄膜太陽電池の高性能化
へのマイルストーンとして、
エネルギー変換効率を、2010年に10%、
2015年に15%、2020年に20%以上にする
目標を掲げてきた。
 ほぼ計画通り進んでいる」と、
星島氏は自信を見せる。

 今後、テトラベンゾポルフィリンの
製造技術をさらに向上させることで、
より幅広い波長領域からの光吸収を可能に
し、エネルギー変換効率を高めていく計画
だ。加えて、フラーレン誘導体の改良や
デバイス技術の開発、フィルム基板に
有機半導体材料を塗布して加熱する
「連続塗布(ロール・トゥ・ロール)製
膜プロセス」による製造方法の確立、
製造工場の整備などを進め、2012年の実用化
を目指す。

 製品寿命も現時点で10年以上はあり、
十分実用化に耐えると見ている。
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確かに、シリコンは資源外交リスクが高い。
各国が太陽電池製造に走るとそうなる
可能性大です。

>「有機薄膜太陽電池」において、
>世界最高値となる9.2%のエネルギー
>変換効率を達成

且つ、
>「しかし、弊社の有機薄膜太陽電池の
>真骨頂は、エネルギー変換効率の高さ
>ではない。印刷技術が利用可能な
>製造方法にある」。
とのことで、素晴らしい。

「部屋の壁紙やカーテンで発電する」
というのは良いですね。
早く実用化して安価に提供して欲しい。

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