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2011年6月 5日 (日)

がんの死細胞で、腫瘍ワクチンが実現するか

がんの死細胞で、腫瘍ワクチンが実現するか
03 June 2011 RIKEN Research Highlights

詳細は、リンクを参照して下さい。

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-リンパ節内に存在する特殊な免疫細胞に
がんの死細胞を送り込むことで、腫瘍に
対する免疫を活性化できる可能性があり、
新たな腫瘍ワクチンにつながると期待
される-

 免疫系は人体に脅威となる細菌や
ウイルスなどを効率的に除去できるため、
同様の防御機構でがんを狙い撃つ戦略の
開発に大きな期待がかかる。
 しかし、免疫系が悪性腫瘍を認識できる
ようにするために、腫瘍由来の抗原を
免疫系に提示するワクチンを静脈注射する
試みは、これまで十分に行われて
いなかった。

 理研免疫・アレルギー科学総合研究
センター(神奈川県横浜市)の田中正人
チームリーダー率いる自然免疫研究チーム
の浅野謙一研究員によれば、こうした試み
がうまくいかない原因は、自己免疫疾患を
防ぐ「寛容」メカニズムの存在にあるのだ
という。

 「ヒトでは、毎日、数十億個の細胞が
死滅していますが、細胞の残骸は有害な
作用を引き起こしかねません。
 このため、身体から速やかに除去する
必要があります」と浅野研究員は説明
する。この「寛容」メカニズムでは、脾臓
のマクロファージ細胞が、食作用
(ファゴサイトーシス)として知られる
過程で細胞の残骸を取り込んで体内の掃除
を行い、死細胞によって引き起こされる
炎症反応が防がれている。

 一方、皮下注射でリンパ系内へ腫瘍細胞
を注入すると、強い免疫反応を
引き起こせることがわかっている。
 ただし、食細胞が効果的な免疫反応を
引き起こすためには、死細胞の残骸を、
腫瘍を死滅へと導く細胞傷害性T細胞(CTL)
に認識できる形で提示しなければ
ならない。研究グループは今回、この任務
を遂行する非常に特異なマクロファージ群
を、リンパ節内に発見した1。

 これらのマクロファージは、細胞表面
タンパク質CD169の発現によって区別する
ことができる。
 これらは非移動性で、リンパ節の入り口
にあたるリンパ洞内に安定的に存在し、
あたかも巣で獲物を待つクモのように、
リンパの流れに乗ってやってくる死細胞を
待ち構えている。
 がんの死細胞はリンパ洞へ輸送されて
くると、このマクロファージ群によって
速やかに消化され(図1)、その結果
として生じた抗原がCTLに対して交差提示
される。
 さらに、ジフテリア毒素を用いてこれら
のマクロファージを選択的に死滅させると、
実質的に免疫反応の作動を阻害できた。
 「CD169陽性マクロファージが存在しない
場合、腫瘍を標的とするT細胞は活性化
されませんでした。

 つまり、これらの細胞は、腫瘍細胞の
死によって生じる抗腫瘍免疫を担っている
と考えられます」と浅野研究員は語る。

 今回得られた知見は、放射線照射や
化学療法によって腫瘍から剥がれ落ちて
リンパ系へと流れ込んだ死細胞が、なぜ
免疫反応を十分に引き起こす場合がある
のかを解明するのに役立ち、さらに有効な
がん免疫療法戦略の基盤になると
考えられる。

 「固形腫瘍患者で、腫瘍抗原をCD169陽性
マクロファージに選択的に送り込んで
抗腫瘍免疫を誘導する方法は、がん治療に
とって非常に有望だと思います。
 私の夢は、患者へ投与しても安全な、
死細胞の特徴を備えた人工材料を開発する
ことです」と浅野研究員は語っている。
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なかなか有望そうです。

「免疫寛容」これがないとこまったことに
なる。
必要以上に免疫反応を起こして自滅する
のを防ぐシステムです。

がんの死細胞にまで必要以上に免疫反応を
起こすのも考えものです。
でも、そのがんをやっつけるためには、
免疫システムが働くようにしたい。

>この任務を遂行する非常に特異な
>マクロファージ群を、リンパ節内に発見
>した。
こういうシステムも持っているということ
ですね。

>有効ながん免疫療法戦略の基盤になると
>考えられる。
期待したい。

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