宇宙の1日の被曝 地上150倍
宇宙の1日の被曝 地上150倍
朝日新聞アスパラクラブ
科学面にようこそ
詳細は、リンクを参照して下さい。
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国際宇宙ステーション(ISS)で長期
滞在を始めた古川聡さん(47)。
実験を多忙にこなす一方で、健康管理が
求められる。
心配の一つが放射線被曝(ひばく)。
地上で1年間に受ける放射線を、ISS
では数日で受ける。
宇宙飛行士はどのように防御している
のか。
宇宙滞在では、無重量状態による影響
に加え、放射線被曝も健康リスクの一つ。
宇宙は高エネルギーの放射線のため、
将来、月への行き来が可能になっても、
地下深くにしか住めないという説もある
ほどだ。
太陽や銀河からの放射線は、地球では
大気や磁場に遮られ地上に届くのはわずか。
1年間に受ける自然放射線量は平均で
2・4ミリシーベルトだが、多くは大気中
のラドンや食べ物からで、宇宙からは
0・39ミリシーベルトだけだ。
◇基準定め 活動も制限
太陽の活動状況やISSの向きなどに
より変化し、船外活動になると2~3倍に
増える。
ISSでは、被曝リスクに応じた活動
場所の制限など、各国で合意した取り決め
がある。
ISS内外の放射線の測定器が異常を
探知すると、宇宙飛行士は最も壁の厚い
ロシアの居住区に退避、船外活動は制限や
中止、延期される。
ISSの高度や姿勢を変更することも
ある。
宇宙機構は、ISSに搭乗する日本人
宇宙飛行士の積算線量(生涯分)の上限値
を定めている。
初めて宇宙飛行した年齢で
600~1200ミリシーベルトと区分
している。
若いほど放射線の影響が大きいからだ。
国際放射線防護委員会(ICRP)が
定める放射線業務の従事者の上限値は
年間50ミリシーベルト。
生涯分(18~65歳就業)では
960ミリシーベルトで、この数値に
達すると、がんで死亡する確率が3・6%
増えるという。
宇宙機構は、この数値を基に毎年の
ようにISSに行っても確率が5%未満
に抑えられるよう計算して基準を作った。
◇若田さん・野口さん 健康影響なし
137日滞在した若田光一さん、163日
の野口聡一さんは、ともに40歳代での
初飛行のため、
上限値は1200ミリシーベルト。
太陽の活動が比較的弱かった時期で、
積算量はいずれも100ミリシーベルト以下
だった。
健康への影響はなく、13年に予定される
若田さんの2度目の長期滞在も問題ない
という。
ISS滞在が計400日を超えるロシア
の飛行士もいるが、健康問題の報告はない
という。
宇宙機構の宇宙飛行士健康管理グループ
の佐藤勝主任開発員は「放射線で危険
なのは急激に大量に浴びて細胞が壊れる
こと。
宇宙は地上より線量は多いが、大量に
出ることはなく、規制値を守る限り影響は
ない」と話す。
《筆者の石塚広志から》
古川聡さんの国際宇宙ステーション
(ISS)の長期滞在が10日から始まり
ましたが、まず関心を持ったのが1日で
0・5~1ミリシーベルトも浴びるという
過酷な環境をどう管理しているのかという
ことでした。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、
ISSの放射線のデータがリアルタイムで
筑波宇宙センターに送られ日本人飛行士を
監視し、安全を守っているそうです。
取材したJAXAの健康管理グループ
担当の方は、健康への影響はないと自信を
持っていました。
原発による放射線との違いについては
「原発事故は短時間で大量の放射線を一気
に浴びるケースがあるが、宇宙飛行士は
それとは違って、低い線量を長期間浴びる
ところ」と説明しました。
1日で最大地上の150倍の放射線を
浴びるISSの環境を「低い」と
言い切ったのが印象的でした
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考えてしまいますね。
宇宙は凄く厳しい環境です。
>国際放射線防護委員会(ICRP)が
>定める放射線業務の従事者の上限値は
>年間50ミリシーベルト。
>生涯分(18~65歳就業)では
>960ミリシーベルトで、この数値に
>達すると、がんで死亡する確率が3・6%
>増えるという。
>宇宙機構は、この数値を基に
>毎年のようにISSに行っても確率が
>5%未満に抑えられるよう計算して
>基準を作った。
厳しい基準設定ですね。
>宇宙機構の宇宙飛行士健康管理グループ
>の佐藤勝主任開発員は「放射線で危険
>なのは急激に大量に浴びて細胞が壊れる
>こと。宇宙は地上より線量は多いが、
>大量に出ることはなく、規制値を守る
>限り影響はない」と話す。
そうなんでしょうか?
JAXAのサイトでも
>ISS滞在中の宇宙飛行士の被曝線量は、
>1日当たり1ミリシーベルト程度の
>レベルになり、ISS滞在中の1日当たりの
>放射線量は、地上での約半年分に相当
>することになります。
と言ってます。
すごく高い値のように思います。
>JAXAの健康管理グループ担当の
>方は、健康への影響はないと自信を
>持っていました。
>ISSの環境を「低い」と言い切った
>のが印象的でした
なんとも複雑な心境です。
こんなに強い放射線下にいて生涯被曝量を
例の表の通り管理して行けば、健康への
影響はない?
但し、前提条件として、がんで死亡する
確立5%未満という条件で、ということ。
ざっくりした言い方をすれば、
何も無くてもがんで死亡する確立は
30%なので、30%→35%を許容すると
いうことです。
これもひとつの事実です。
知識として知っておいてください。
参考までに管理区域の設定基準は、
『放射線業務従事者の受ける実効線量が
5年間につき100mSvを超えず、かつ、
1年間につき50mSvを超えないように
しなければならない』
となってます。
いろいろ勉強になります。
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