自然エネルギーで,町づくり
自然エネルギーで,町づくり
フロントランナー 前高知県梼原町長 中越武義
2011/06/11 朝日新聞
素晴らしい町長さんだと思います。
現在は引退されて、
>名刺の肩書きに「百姓、土方、山守人」
>と書き、裏には風車の写真に
>「国家の実力は地方に存する」と記す。
尊敬します。まさにその通り。
リーダーの理想だと思う。
町長を3期で辞めたのは?
>首長は権限が集中します。
>1期目は前の行政を継続しつつ新たな
>発想をし、
>2期目は自分の計画を実現し、
>3期目はそれを仕上げてチェックする。
>それ以上になると新たな発想は必ず
>自分の身を守ることになりがちです。
>若い人にゆだねるべきだと思いました。
と言っています。
なかなか出来ないことです。
これを聞いただけで、
私は、この人を尊敬してしまう。
自分のなすべきことと、その期間を
きちんと設定し、実行する。
今の政治家など足下にも及ばない。
なぜ出来ないのか?
むなしいさを感じてしまう。
「ゆすはらまち」を紹介します。
環境モデル都市
>私たちの町,ゆすはら町では,森,水,
>風,光などの自然エネルギーを活かした
>取り組みによって,生き物にやさしい
>低炭素なまちづくりを進めています。
>2050年には温室効果ガス排出量70%
>削減,吸収量の4.3倍増(1990 年)と,
>地域資源利用によるエネルギー自給率
>100%超を目指しています。
素晴らしい目標ですね。
中越さんの「私の景観論」
「自然との共生、都市との共生」ベースに
という文も紹介しておきます。
リンクを見てくだい。
中越さんの思いが伝わってきます。
人口4千人足らず、税収3億円の町なのに
2億2千万円かけて2基の風車を導入した。
1200キロワットを発電する。
(300戸分の電力をまかなえる)
発電した電力を四国電力に売電。
自然から生まれたエネルギーなら自然に
返そうと、風力発電で得る年間4千万円の
収益を、環境基金として積み立てた。
それを他の自然エネルギー採用の財源に
するという循環を作ることに努めた。
どういうことをしたか。
1.森との共生
町の91%を占める森林は,荒れたまま
放置されていたが,森林つくり
基本条例を制定し「森との共生」に
乗りだした。5ヘクタール以上の間伐
や手入れをすれば,1ヘクタール
あたり10万円の交付金を出した。
森がよみがえり,雇用が生まれた。
間伐で切った木は木質ペレットに加工
し、バイオ燃料に活用した。
2.小水力発電所
森で湧いた清水は,四万十川の源流
となる。水の力をうまく生かそうと
6メートルほどの高低差を利用し,
3つの小水力発電所を作った。
発電した電気は,昼間は町立の中学校
に,夜は町の街路灯に使っている。
3.太陽光発電
役場や学校など町立施設のすべての
太陽光発電を付けたほか,地熱を利用
して25メートルの温水プールを造った。
町民に対しては,太陽光発電を
とりつけた家にキロワット当たり
20万円の助成もした。
いまは100戸以上が太陽光パネルで
覆われ,普及率は四国で一番である。
4.地方自治
「地域が一体となって,ひとつの目的
に進みました」。しかも財政は
高知県内第1位の健全性と安定性を
誇る。山奥の過疎の町に,7人もの
医者がいる。町立病院の経営は黒字を
つづけている。
5.放射性廃棄物最終処分場を拒否
隣町で放射性廃棄物の最終処理場を
誘致する動きが出たときは,他の
自治体に先駆けて反対した。
2009年に政府の環境モデル都市に
選ばれたさいには,風車を40基に
増やし,エネルギー自給100%を
めざすことを宣言した。
凄いです。
キロワット当たり20万円も助成してくれたら
太陽光発電を私も入れたいと思う。
感心するしかない。
希望ですね。リーダーは国民に希望を
与えることが出来なければ駄目です。
最後に最も私の心に残ったことをひとつ
あげておきたい。
>町長に就任したときに考えたのは、
>町をどうするかは町民自身が
>考えるべきだと考えた。
その土地、土地でできることは異なる
はず。
一律の施策では上手くいかないのでは
ないだろうか?
だから、
>これだけ多彩な環境政策の策定を
>トップダウンではなく、町民を全面に
>立ててやってきた。
>公募した町民15人に欧州を視察して
>貰い町作りの提案を得た。
ということです。
小さな町だから出来たということも
有ると思いますが、
何か大切なことが今の政治には
抜けているように感じます。
自分のことだと思えば真剣になる。
自分から離れていけば、それは
関係のないこと、遠くの話。
それではいけないのではないか?
そう感じました。
折角視察にいっても何も改革に結び
つかない今の視察のむなしいこと。
なんとかならないのでしょうか?
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