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2011年6月11日 (土)

HIV/AIDS 米国における30年の歴史と展望

HIV/AIDS 米国における30年の歴史と展望
谷口俊文(ワシントン大学感染症フェロー

/米国感染症専門医)
第2931号 2011年6月6日
医学書院

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 男性同性愛者におけるHIV感染に伴う
ニューモシスチス肺炎が1981年6月5日付の
MMWR(Morbidity and Mortality Weekly
Report)に報告されてから30年が経過する。

 はじめの15年,HIVの診断は死の宣告同然
であったが,1996年ごろからウイルスを
抑制する抗レトロウイルス療法
(anti-retroviral therapy ; ART)が導入
されて死亡率が劇的に改善したため,
糖尿病などと同じ「慢性疾患」として
とらえられるようになってきた。

 先進国においては新規HIV感染者数は
横ばいであり,HIV感染者の総数としては
増加傾向にある。

 本稿では,米国におけるHIVの現状,
課題と今後の展望について報告したい
(発展途上国におけるHIVの諸問題は
ここでは割愛する)。


・HIVに対する治療の進化と限界
 現存の治療薬ではHIVの治癒には至って
おらず,結局,一生抗レトロウイルス療法
を続けなければならない。
 そのため,長期間抗HIV薬を服用する
ことによる合併症が問題になる。
 また,抗HIV薬を使用してウイルスを
抑制しても,ウイルス感染そのもの
により慢性的な炎症が起こっているため
にさまざまな合併症を呈しているのでは
ないか,と考えられるようになった。

 抗レトロウイルス療法により,HIV感染者
は他の慢性疾患を有する非感染者と変わら
ない寿命を全うすることができるように
なってきたと言われているが,それは
統計学的な算出による推測にしか過ぎず,
証明するためには長期間にわたる観察研究
が必要になる。
 昔と比べれば長く生きることができる
ようになったのは事実であるが,同時に
HIV感染者では加齢の進行が速いことも
わかってきた。
 加齢に伴う合併症そのものとHIV感染
との関連はいまだわかっていないことも
多い。
 HIVと加齢に関する研究は,今後の
大きなテーマとなることだろう。


・慢性炎症との闘い
 このような背景の下,HIV感染に伴う
慢性炎症をどのように抑えるかが盛んに
研究されている。


・治癒をめざして
 ベルリンにて急性骨髄性白血病を発症
したHIV患者にケモカインレセプターである
CCR5の遺伝子32塩基を欠損したドナーから
の骨髄移植を行ったところ,その後抗HIV薬
を服用せずともウイルスが検出されない
状態となり,世界で初めてHIVの治癒に
至った症例となった。
 この「ベルリンの患者」はHIVの治癒が
可能であるかもしれないという夢と明るい
希望をもたらした。

 遺伝子治療によるHIV治癒への挑戦は
始まったばかりだ。


・HIV感染の予防
 一方,HIVの新規感染者数を減らすための
予防に関する研究は行き詰まりを感じる。

 HIVに対する予防で決定的な手段は存在
しない。
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HIV/AIDSは日本国内ではあまり話題に
登っていませんが、世界的に見れば、
大きな問題。

感心を持って見ていきたい。

かなり進んで来てはいるようですが、
まだ完治もできないし、
予防することも難しい。

遺伝子治療がもっとも有望なのかな?
難病に類するものはだいたいその傾向
ですね。

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