6月6日 テルル132の検出が意味すること 小出裕章 (MBS)
6月6日 テルル132の検出が意味すること
小出裕章 (MBS)
小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
詳細は、リンクを参照して下さい。
MP3での音声情報です。
聞いた方が早いので聞いてください。
下記は要約です。
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・(福島原発の事故で出た放射性物質の
量について、保安院が解析し、従来とは
違う数字が出てきた。従来の37万テラ
ベクレルに対し、77万テラベクレルと
なった。どういう意味か?)
もともと安全委員会は66万テラベクレル
としていたし、評価のやり方でいくらでも
変わる。私はもっと多かったと思っている
し、海へ流れた分は分からないまま。今回
の保安院の数字は海への分を加算したもの
だが、それも過小評価だ。
・(テルル132が検出されていたことに
ついて。テルル132はどういうものか?)
ヨウ素132の親核種。ヨウ素132は
寿命が短い。テルル132が出てくると
ヨウ素132が生み出される。テルルを
見ていればヨウ素のことが分かる。燃料棒
の被覆管が破れない限りテルルは出ない。
事故の初期に被覆管が損傷していた証拠。
被覆管のジルコニウムが水と反応する温度
が850?900度。事故の初期の段階で
その温度に達して被覆管が壊れていた。
・(保安院の西山審議官が「情報を整理
して公表する発想がなかった」と言って
いるが?)
保安院にとっては、それこそがやらないと
いけない一番の仕事だ。
・(テルル132の検出を事故直後に公表
していれば、避難すべき人たちに対する
コメントが変わった?)
もちろん。テルルが出るということは
ヨウ素が出るということ。ヨウ素剤などの
防護措置が早急になされなければいけな
かった。
・(これを当時発表しなかった影響は
大きいと考えるが?)
呆れるしかない。
・(3月12日に枝野さんは会見で放射能
については測定し万全を期しており、
ヨウ素も用意していると言った。ヨウ素剤
を摂取しておかなければならなかった?)
本当ならばそうだった。ヨウ素剤は
飲むべきときに飲まないと意味がない。
・(3月12日午前8時半にテルルを検出
し、同日午後6時に避難地域を
半径20キロに拡大した。その間に措置が
できたはず。明らかに分かっていたが
それを隠しながら政府は避難地域を拡大
したと考えられるか?)
私はそうだと思う。日本の今の政府は
事故の規模を小さく見せようとしてきた。
・(プルトニウムが原発から1.7キロの
地点で検出された。以前は文科省の調査で
検出されたが、過去の核実験によるものと
された。今回の検出物は福島事故が原因
だと言われているがどうか?)
詳細は不明だが、プルトニウムが今回
検出されたといっているのは私も知って
いる山本氏。彼が言うなら確かだ。
・(プルトニウム検出の意味は?)
プルトニウムは燃料から外には出づらい
放射性物質。それが環境に出てくるほど
悪化しているということ。核燃料が相当
損傷しているということだ。
・(プルトニウムの人体への影響は?)
プルトニウムは人間が遭遇したなかで
最も毒性の高い物質。100万分の1
グラムを吸ったら癌で死ぬほど。
・(国は過去の核実験が原因と言っている
が、それに対しては?)
過去の大気圏内核実験は犯罪的であり
大量のプルトニウムを60年代にばら
まいた。それ自体とてつもないことで、
地球のほとんどが汚染されている。その上
に今回の福島の事故で周辺がプルトニウム
で更に汚染された。残念なことだ。
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あきれますね。
>国民に示すという発想がなかった。
というのは犯罪に近い。
小出さんの説明わかりやすいですね。
既に投稿しました。
「千度以上示す核物質、3月12日に
検出していた」
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