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2011年6月 2日 (木)

元シャープ「ミスター・ソーラー」が第2の挑戦

元シャープ「ミスター・ソーラー」が
第2の挑戦 面積効率が2倍
「集光型太陽光発電システム」

2011年6月2日 日経ビジネスONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 「原子力発電の代替エネルギーとして、
ここで一気に、太陽光発電システムの普及
を加速させたい。
 これは私の責務でもある」。

 こう語るのは、太陽光発電業界で
「ミスター・ソーラー」との異名を
持つ男、富田孝司氏だ。

 彼は、2009年8月、
東京大学エッジキャピタルからの出資援助
を受け、
スマートソーラーインターナショナル
というベンチャー企業を設立。

 現在、代表取締役として、高変換効率で
低コスト、大規模展開が可能な、新型の
太陽光発電システムの開発に全精力を
注いでいる。

 現在、富田氏は、東京大学先端科学技術
研究センター超高効率太陽電池分野の
特任教授も務めており、今回、富田氏が
生産、販売を開始する新型の太陽光発電
システムは、先端科学技術研究センター
との共同研究によるものだ。

 最大の特徴は、単位面積当たりの発電量
が、既存の結晶シリコン太陽光発電
システムに比べて約2倍と多く、世界最高
水準である。

 「仮に、発電能力の不足分を、すべて
既存の結晶シリコン太陽光発電システムで
まかなうとすると、160ギガ~180ギガワット
の発電能力が必要となる。

 一方、現在、国内の太陽電池メーカーの
全生産能力はたった2ギガワットしかない。
 これを10年後に、80倍や90倍にするのは、
現実的ではない」。富田氏はこう説明する。

 また、仮に、既存の結晶シリコン太陽光
発電システムの国内における生産能力が、
今の100倍になったとしても、今度は別の
問題が浮上する。

 太陽電池パネルの材料となる高純度
シリコンや透明電極の材料となる
インジウムなどのレアメタルに関する
資源外交リスクだ。

 現在、太陽電池パネルに使われている
高純度シリコンの調達は、珪石の発掘から
精製までほぼ100%海外に依存している。

 そして、その9割以上を中国に頼っている
のが現状だ。

 今後、世界的な需要が拡大すれば、中国
からの輸出制限や価格高騰といったリスク
は、一層高まることになるだろう。

 「このような状況を回避するには、
エネルギー変換効率の向上と発電量の増大
が不可欠で、そのための革新技術を是が非
でも開発しなければならないと考えた」
と富田氏はいう。

 そこで、富田氏は、先端科学技術研究
センターと共同で、変換効率の向上と
発電量の増大を目標に、新型の太陽光発電
システムの研究開発に取り組むことにした。

 そして、今回、実用化させたのが、
「追尾集光型太陽光発電システム」である。

 同システムの技術的なポイントは3つだ。

 追尾集光技術、冷却技術、そして、
セルの多層化技術である。
 セルとは、数センチ角の太陽電池の板
のことで、これを数十枚並べたものを
モジュールと呼ぶ。

 追尾集光技術とは、その名の通り、
太陽光を追尾し集光する技術のことだ。
 富田氏は、太陽の動きに合わせて反射鏡
を動かして、太陽電池パネルに常に多くの
太陽光が当たるようにした。
 また、反射鏡を使うので、モジュールは
必ずしもパネル状である必要がない。
 そこで集光効率が高い棒状にした。

 その結果、従来の固定式の結晶シリコン
太陽電池パネルに比べて、5~10倍の太陽光
を当てられるようになり、発電量も約25%
向上した。
 しかも、シリコンなど材料の使用量を
4分の1~10分の1に抑えることができた。
 これにより、製造コストや資源リスクの
低減が可能となった。

 太陽光の入射量が10倍になれば、発電量
も10倍になりそうなものだが、そう単純
にはいかない。
 なぜなら、結晶シリコンは熱に弱く、
太陽熱によるセルの温度上昇に伴い、
エネルギー変換効率は、約40度をピークに、
急速に低下してしまうからだ。

 そこで、富田氏が新たに開発したのが、
2つ目のポイントである冷却技術だ。

 仕組みは簡単だ。
 まず、チューブ状の容器に棒状の太陽電池
モジュールと冷媒を入れて、両端を閉じる。
 太陽熱によって太陽電池モジュールの
温度が上昇すると、チューブ内の冷媒が
太陽電池モジュールから熱を奪って気化
する。その気化熱によって、太陽電池
モジュールが冷やされるのだ。

 一方、気化した冷媒は、別の場所に移る
ようになっている。
 そこで冷媒は熱を放出して液体に戻る。
その結果、冷媒の体積が減り、空気圧が
下がる。これがポンプの役割を果たし、
冷媒が自動的に循環する。
 これにより太陽電池モジュールの過熱を
防ぎ、エネルギー変換効率の低下を防ぐ
ことに成功した。

 さらに、エネルギー変換効率を高める
ため、富田氏は、先端科学技術研究センター
と共同で、3つ目のポイントとなるセルの
多層化技術を開発した。

 現在、一般的な結晶シリコン太陽電池の
エネルギー変換効率は15%程度しかなく、
変換効率の向上が重要課題となっている。

 その主な要因は、シリコンだけでは太陽光
の広い波長域にわたって存在している
光エネルギーのうちのごく一部しか使うこと
ができないことにある。

 そこで、富田氏らは、短い波長、中くらい
の波長、長い波長を吸収する半導体でできた
それぞれのセルを組み合わせて多層化できる
ようにした。
 その結果、幅広い波長域の光を電気に
変換できるようになり、エネルギー変換
効率を、約20%にまで高めることに成功
した。

 「このシステムは大規模展開に適した
仕様になっている。
 発電量の多さを武器に、東日本大震災に
伴う電力不足分をできる限り補って
いきたい」と富田氏は意気込む。

 また、2014年には、本格的な海外展開を
図っていく計画だ。
 高温に強い同システムの強みを生かし、
インドやバングラディッシュ、
サウジアラビアなど、日射量が多い
「サンベルト」と呼ばれる地域を中心に
売り込み、自らで発電事業を手がけること
も計画している。
 「2018年に世界最大の太陽光発電事業者
になること」。これが富田氏の目標である。
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>現在、国内の太陽電池メーカーの
>全生産能力はたった2ギガワットしか
>ない。これを10年後に、80倍や90倍に
>するのは、現実的ではない。
そう思います。
2ギガワットしかないとは知りません
でした。

>現在、太陽電池パネルに使われている
>高純度シリコンの調達は、珪石の発掘
>から精製までほぼ100%海外に依存して
>いる。そして、その9割以上を中国に
>頼っているのが現状だ。
>今後、世界的な需要が拡大すれば、
>中国からの輸出制限や価格高騰といった
>リスクは、一層高まることになるだろう。

>「このような状況を回避するには、
>エネルギー変換効率の向上と発電量の
>増大が不可欠で、そのための革新技術を
>是が非でも開発しなければならない
>と考えた」
同感です。
是非、その目標を達成して頂きたい。

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