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2011年5月25日 (水)

アルツハイマー病の克服をめざして

【座談会】
アルツハイマー病の克服をめざして
診断・治療の最前線

第2929号 2011年5月23日

詳細は、リンクを参照して下さい。

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下濱俊氏(札幌医科大学医学部教授・
神経内科学)
朝田隆氏(筑波大学臨床医学系教授・
精神医学)=司会
石井賢二氏(東京都健康長寿医療センター
研究所附属診療所・所長)


 平均寿命が女性86.44歳,男性79.59歳
(2009年調べ)まで延び,世界一の高齢化
進展国である日本。
 加齢が最大のリスクファクターである
認知症の患者数も増加の一途をたどって
いる。
 2010年の時点で認知症の推定患者数は
210万人ともいわれるが,全国の6市町で
行われた調査(註1)では,65歳以上の
認知症有病率は平均で約14%に達し,
総人口で換算すると約400万人という非常に
高い数値も報告されている。

 もはや社会問題であり,その病態解明と
克服が強く望まれる認知症。
 今回本紙では,認知症の基礎疾患で最多
といわれるアルツハイマー病を中心に,
画像診断・薬物治療における最新トピック
から今後の認知症診療の在り方まで,
広く議論していただいた。


バイオマーカーによる早期診断の時代へ

朝田 近年,病態が進行する前,ひいては
症状が出現する前にアルツハイマー病(AD)
を同定し,早期治療につなげようという
動きが高まっています。
 米国でもこのほど27年ぶりに診断基準が
改定され,ADの前駆段階といわれるMCI
(Mild Cognitive Impairment:
軽度認知障害),さらにはMCI以前の
preclinical stageの概念が取り入れられ
ました(図1)。
 こうして超早期の介入・予防の方向性が
明確になるなか,臨床診断の在り方も,
大きく変化しつつあります。


N2929_03
図1 ADの進展におけるバイオマーカーの
変化と,米国立老化研究所(NIA)/
アルツハイマー病協会(AA)による新しい
診断基準
グラフはLancet Neurol. 2010
[PMID:20083042]より改変


朝田 バイオマーカーとして最も注目
されている,アミロイドβ(Aβ)の研究も
進んでいますね。

石井 そうですね。
 Aβ蓄積をAD発症における最初のイベント
とする「アミロイド・カスケード仮説」は
10年以上前から提唱されていましたが,
最近では健常者やMCIの患者にもAβの蓄積
が見いだされることがわかっています。
 AD発症に10-20年先立ってAβの蓄積が
始まり,それが神経の機能障害や細胞障害
を引き起こし,脳の局所的な代謝低下,
あるいは海馬の萎縮につながるという病態
の経過が明らかとなり,仮説が実証されつつ
あるわけです。

朝田 課題となるのは,バイオマーカーの
診断精度だと思いますが,その点はいかが
ですか。

石井 J-ADNI(註2)のデータでは,臨床で
ADと診断された人の約90%がアミロイド
イメージングでも陽性と判定されています。

 10%の陰性の原因としては,神経の
脆弱性が高く,アミロイドイメージング
では描出されないほど少量のAβでADが
惹起されている可能性や,アミロイド
イメージングトレーサーと親和性の低い
AβによってADが起きるとする仮説なども
あります。

 ただ,現実的には臨床診断の誤り,
つまりAD以外の病態をADと診断していた
可能性が最も高いと考えられます。

下濱 逆に,アミロイドイメージングで
陽性所見が出た場合,ADである,もしくは
ADに進展するリスクはどの程度になるので
しょうか。

石井 その点については追跡研究による
確認を待っている段階です。
 ただ,健忘型MCIの臨床症状を既に呈して
いてAβも蓄積している場合,ADに進展する
可能性はかなり高いとされていますし,
今後は「どの時点でアミロイドイメージング
が陽性ならば,どの程度AD発症の可能性が
あるか」,という予測が徐々に可能となり
そうです。

 米国では既に,健常者にアミロイド
イメージングを実施し,陽性者と陰性者の
脳の萎縮度や糖代謝,認知機能を比較
したり,経過を追跡する研究が進んで
います。
 中間報告の段階ですが,"健常者で
Aβ陽性の人は,海馬萎縮の進行が速い"
など,いくつかのデータが上がってきて
います。

途中省略-----

下濱 ええ。これまでADの治療薬には,
"病態の進行によって生じる症状を改善する"
という症候学的な治療効果が求められて
きました。しかしアミロイド・カスケード
仮説が確立しつつある今,
"病態の進行そのものを食い止める"
根本的治療薬が望まれています。

 神経の変性を止める薬は残念ながらまだ
ありませんが,Aβの過剰産生を抑制,
もしくはAβのクリアランスを促進し,ADの
進行を止める薬が研究されています。
 現在,過剰産生を防ぐ点からはアミロイド
産生酵素の阻害薬の臨床試験が,
クリアランスを促進する観点からは
アミロイドワクチン療法の臨床試験が
世界中で行われている状況です。
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研究は大分進んで来てますが、もう少し
時間がかかりそうです。

根治治療を目指して
>過剰産生を防ぐ点からはアミロイド
>産生酵素の阻害薬の臨床試験が,
>クリアランスを促進する観点からは
>アミロイドワクチン療法の臨床試験が
>世界中で行われている
ようです。
私はワクチン療法に期待しています。

早期発見の方はかなり期待できそうです
ので、出来る限り早く発見して、投薬し、
進行を遅らせるというのが現在のベスト
のようです。

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初承認へ。

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