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2011年5月28日 (土)

温度を下げると膨張する現象(負の熱膨張)を鉄の化合物で実証

温度を下げると膨張する現象
(負の熱膨張)を鉄の化合物で実証
-鉄の性質に新たな一面:
精密部品開発などの応用へも期待-

平成23年5月27日
科学技術振興機構(JST)
愛媛大学
高輝度光科学研究センター
理化学研究所

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 JST 課題解決型基礎研究の一環
として、愛媛大学 大学院理工学研究科の
山田 幾也 助教らの研究グループは、鉄の
化合物で温度を下げると膨張する現象を観測
することに成功しました。

 通常の物質は、温度を上げると膨張し、
温度を下げると縮む熱膨張(正の熱膨張)
注1)という性質を持っています。
 熱膨張は、熱湯を入れたガラスのコップ
が割れるように、材料が破壊される原因と
なります。
 熱膨張率をほぼゼロまで小さくした材料
を開発することで、この問題を解決できる
と期待されています。

 そこで、正の熱膨張とは反対に、温度を
上げると縮み、温度を下げると膨張する
「負の熱膨張注2)」の性質を持つ物質を
開発し(図1)、正の熱膨張の物質と
組み合わせることで、熱膨張率が起こらない
ゼロ熱膨張注3)の材料を開発することが
試みられています。

 しかし、大きな負の熱膨張を示す物質は
限られているため、新しい負の熱膨張物質
の開発が望まれていました。

 本研究グループは今回、15万気圧・
1000℃という超高圧・高温条件を用いた
超高圧合成法注4)によって、
複合ペロブスカイト注5)と呼ばれる構造
を持つ新しい鉄の酸化物
(SrCu3Fe4O12)の合成に成功
しました。

 大型放射光施設SPring-8注6)
の高輝度X線を用いた結晶構造解析により、
この物質は氷点以下で大きな負の熱膨張を
示すことを発見しました。

 鉄の化合物で、負の熱膨張を示す物質は
初めてです。
 また、この物質における負の熱膨張は、
ストロンチウムサイトの状態が関与する
銅-鉄間の電子のやり取りが原因となって
起こり、これまでに知られていた負の
熱膨張のメカニズムとは異なるものである
ことが分かりました。

 近年の高度に緻密化された機械や材料
などは熱膨張による故障・破損が深刻な
問題となっていますが、今回発見された
新しい負の熱膨張のメカニズムを利用する
ことで、将来的にはゼロ熱膨張材料として、
精密部品・機械の開発に役立つものと期待
されます。

 本研究成果は、ドイツの科学誌
「Angewandte Chemie
International
Edition(応用化学誌 国際版)」の
オンライン速報版で近日中に公開されます。
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なかなか面白いですね。

確かに最近は精密機器が沢山ありますので、
熱膨張という現象は無視できないものが
あるのだと思います。

>今回、新しい負の熱膨張のメカニズムの
>存在が明らかにされたことで、新しい
>原理に基づくゼロ熱膨張材料開発の
>可能性が広がることが期待されます。
>また、超高圧高温条件を用いる
>超高圧合成法は、これまでに知られて
>いない革新的な機能を持った新物質の
>発見に役立つことが期待されます。
期待したい。

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