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2011年5月 5日 (木)

原発事故で浮かぶ「東電巨大化」シナリオ

原発事故で浮かぶ「東電巨大化」シナリオ
2011/4/28 日本経済新聞

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 東京電力福島第1原子力発電所の事故と
電力不足は、戦後から続く電力10社体制の
制度疲労を随所に浮かび上がらせた。

 10社体制は高度成長期の電力需要を効率的
に満たすシステムとして機能し、
電力自由化論が高まった1990年代も
「電力品質の確保」を盾に延命してきた。

 だが今回ばかりは体制の再検討が不可欠
で、再編の本格議論を避けて通れない。
 災害リスクや再生可能エネルギー導入に
対応した新しい電力供給のあり方を
どうすべきか。
 そこから浮かぶのは東電の解体ではなく、
むしろ巨大化させるシナリオだ。

■風力発電の普及阻む営業区域の壁

 原発事故を受け、今後はエネルギー政策
の抜本見直しが避けられない。
 太陽光や風力など再生可能エネルギーを
大量に導入する必要が出てくる。
 ここでも再編の力学が働く。
 再生可能エネルギーの柱である風力発電
の導入量を増やすには、北海道、東北、東京
の3電力が一体になった「東日本電力」の方
が理にかなっているからだ。

 都道府県別の風力発電ランキングでトップ
を争う青森県と北海道は3位以下を大きく
引き離すほど豊かな風力資源がある。
 だが現在の営業区域では、北海道と東北
で風力発電設備をこれ以上増やすのは
難しい。

 風力発電は出力が不安定で、全体の電力
供給に支障が出ない範囲までしか利用
できない。

 風力発電による電力の利用可能量は北海道
で36万キロワット、東北で85万キロワット。

 既に北海道には26万キロワット分、東北
には53万キロワット分の風力発電設備が
あり、増設しても利用できるのは合計42万
キロワットと、小型火力発電1基分しか
ない。

 だが「東日本電力」になれば、電力需要が
大きい首都圏が加わり、風力発電による電力
の利用可能量は原発5基分に相当する推定
500万キロワット前後まで一気に増える。

 今回の原発事故で制度疲労が表面化した
電力供給システムを見直し、今後の
エネルギー政策に合った供給体制を突き
詰めていくと、東電は解体よりも巨大化
させた方が合理的だというパラドックスに
行き着く。

■分散型電源と共存できるか

 今回の電力不足ではIPP(独立系発電
事業者)や工場の自家発電設備といった
分散型電源がフル稼働し、東電の電力不足を
救った側面があった。

 再生可能エネルギーの導入を円滑化させる
ため、次世代送電網(スマートグリッド)の
導入やスマートシティ構想も本格化する
だろう。

 これまで電力会社は「大規模電源・送電
の方が効率的」として、分散型電源と競合
する立場だった。

 今後は災害リスクに対応するため、分散型
電源の拡大・共存を真剣に考える必要が
ある。

 それでも電力会社が従来通り分散型電源
との競合姿勢を変えなければ、電力会社
による送電網の独占を排除するため、
発電・送電の事業分離という電力会社に
とって最悪のシナリオが政府内で強まる
可能性も否定できない。
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今がチャンスです。
今しかありません。

>体制の再検討が不可欠で、再編の
>本格議論を避けて通れない。
そうです。
しっかり議論し、情報を公開し、判断して
欲しいと思う。

発電・送電の事業分離は必須と考えます。
電力会社にとって最悪のシナリオなのか
どうかはどうでも良い。
国民にとって最良のシナリオにならないと、

関連記事です。
欧米では発電と送電の分離進む

ガラパゴス日本ではどうしようもない。

見守って行こうと思う。

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