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2011年4月 7日 (木)

米国で議論されている原子力発電の経済合理性

米国で議論されている原子力発電の
経済合理性

2011/03/31 Alrernative Blog

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 日本の原発事故に接して、原子力発電に
関わりを持っている国々では、安全性
についての議論が活発になっています。

 現在、建設中ないし計画中のいわゆる
第3世代と呼ばれる原子炉では、テロを
想定して航空機が衝突しても大丈夫な作り
になっていたり、電源がすべて失われても
受動的な機構で冷却が得られる仕組みが
施されており、福島第1原発などの第1世代
の原子炉よりも安全面で飛躍的に進歩して
います。

 それでもなお、安全対策が議論されて
いるのは無論、万一の事態を考えてです。

 今後、新たに加わる安全対策は、
すなわち原子力発電にかかるコストの
増大を意味します。

 米国の場合、オバマ大統領が就任
間もない時期から、低炭素化との絡みで
原子力の推進を打ち出してきていますが、
福島第1原発事故の後でも、その基本的な
姿勢に変化はありません。

 昨日行われたエネルギー政策に関する
演説でも、原子力推進の姿勢が改めて
示されました。

 一方で、すべての原発において、安全性
の評価をすることを求めています。
 米国は世界でもっとも多くの原子炉104基
を持ち、総発電量の約2割を原子力で
まかなっています。

 1979年のスリーマイル島事故以後は
新規原発建設が止まっているので、
平均稼働年数は30年に達しています。

 これを保有する電力会社および独立系
発電事業者は相応のコストをかけて、
評価を行うことになります。

 このような動きがあるなかで、
プロジェクトファイナンスの専門家が、
原子力発電の経済性について疑問を
投げかけています。

 ロイターの記事
"Odds against new US nuclear
plants-finance lawyer"によると、
原子力関連の専門家が集まった会議に
おいて、ニューヨークの法律事務所
Sidley AustinのIrving Rotter弁護士が
次のように発言しています。
(Sidley Austinはインフラ関連の
プロジェクトファイナンスの法務も
担当する法律事務所)

 「たとえ政府の融資保証があった
としても、原子力発電所の建設はコスト面
で見合わないものになっている。
 向こう数年の間、米国において原子力
発電所が新たに建設される可能性は
ほとんどない。
 しかしそれは、日本の事故が起こる前
でも同じ状況だった」

 この発言の背景には次のような事実が
あります。
 米国ではシェールガス(天然ガスの一種)
の飛躍的増産によって、天然ガス価格が
下がっています。
 また、シェールガスが加わったため、
米国の天然ガス埋蔵量は著しく増大
しました。
 これにより、安くて潤沢にある天然ガス
を使えば発電コストを安くでき、一方で
原子力のコストは相対的に高くなって
しまったということです。

 従って、これから発電所を作ろうという
電力会社や独立系発電事業者は、何を
エネルギー源にするかを考えた場合、
たとえ政府の資金援助があったとしても、
天然ガスを選択するであろう…。

 Irving Rotter弁護士の考えに立つと
そうなります。
 さらにオバマ政権から、なお一層の
安全対策が求められるようであれば、
新規建設のリードタイムも伸び、コスト的
にはなお一層見合わないものになります。

 また、経済合理性だけでなく、
プロジェクトファイナンスの世界で言う
「ポリティカルリスク」への懸念を示す
専門家もいます。

 ポリティカルリスクとは、巨額の融資
(銀行団によるプロジェクトファイナンス)
を必要とするインフラプロジェクトに
おいて、政策や規制が変更されることに
よって、すでに操業状態にあるインフラ事業
の収益基盤がゆらぐリスクを意味します。
 これにより融資した側から見れば、返済
が滞ってしまう可能性があります。

 日本の原発事故を受けて、ドイツでは、
稼働年数の長い原子力発電所の延命を図る
政策を撤回し、順次廃炉にすることに
しました。
 この政策変更は関連事業者にとっては、
突然起こった収益基盤の変化です。
 もし、ある国において、プロジェクト
ファイナンスによって1,000億円を調達して
完成した原子力発電所が、今回のような事態
を受けた政策の変更により操業不可能な
事態に追い込まれたとすれば、融資した側は
資金回収のメドが立たなくなります。

 ポリティカルリスクには、リスクを緩和
する方策としてポリティカルリスク保険を
かけるのが通例で、それによってカバー
されれば銀行側の損失は避けられます。
 しかし、保険のカバー範囲を超えている
となると大変なことです。
 そのような原子力関連の政策変更に伴う
リスクということを、プロジェクト
ファイナンスの関係者たちは改めて意識
し始めているようです。

 翻って、代替的な選択肢は天然ガスを
初め、いくつかあるわけですから、今後は
そちらに向ける関心が高まっていくのでは
ないかと思われます。
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なるほどね。

>原子力発電所の建設はコスト面で
>見合わないものになっている。

>「ポリティカルリスク」への懸念
ね。

これからは、ますます経済的に言って
原子力発電所の建設はむずかしい。

安全性はもとより、
もともと、廃炉の最終処分まで含めて
本当に安価?
と言うのはあったはずですが、

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