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2011年4月18日 (月)

電力のピーク需要抑制、欧米で実証実験が本格化

電力のピーク需要抑制、欧米で実証実験が
本格化

2011/4/18 日本経済新聞

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 欧米諸国で、電力消費量のピークをIT
(情報技術)を使って抑制する実証実験が
本格化している。
 急速に普及が進むスマートメーター
(通信機能などを備える高機能な電力
メーター)を活用する実験だ。

 欧州では、イタリア、スウェーデンで
ほぼ全戸にスマートメーターの導入が完了
した(表1)。

 イギリス、スペイン、フランスなども、
2018~2020年に全戸導入を達成すべく、
導入の義務化を検討している。

 米国では、政府の資金援助によって急速に
普及しており、2010年には導入台数が
1500万台を超えた。
 2013年には5200万台と、全米に設置されて
いる電力メーターの3分の1以上が
スマートメーターになると見られている。

 スマートメーターは当初、遠隔検針や
遠隔開閉による検針業務の効率化を目的に
導入され始めた。
 イタリアでは、盗電を防止する意味から
も電力会社が積極的に導入した。
 スマートメーターがあると、戸別の電力
需要が細かく把握できるので、発電・配電
設備を必要十分なだけ動かせばよい。
 このため、スマートメーターの導入費用
はかかるものの、発電・配電設備への投資額
は抑制できる。

 こうした利点に続いて近年注目されて
いるのが、ピーク需要時の電力消費量を
抑える効果である。
 電力会社側からスマートメーターを
介して需要家側に電力関連の情報(消費量
や単価など)を届けることで、
デマンドレスポンス(需要側の反応・応答)
で電力消費量を減らす。

 特にその動きが活発化しているのが米国
だ。米国では、1992年の電力自由化以来、
約3000社の電力事業者が激しい競争を繰り
広げた結果、行き過ぎたコスト削減で
送配電網への設備投資がおろそかになり、
停電事故が頻発してしまった。

 老朽化した設備を更新する際、ピーク需要
が少なければ投資額もグッと抑えられる。
 その実現策として、スマートメーターを
使ったデマンドレスポンスによる需要抑制
が検討されているのである。

■テキサス州とカリフォルニア州が先行

 中でも進んだ取り組みを見せているのは、
テキサス州やカリフォルニア州の電力事業者
だ。家庭内の情報端末(宅内ディスプレー)
にデータを送るための通信モジュールを
スマートメーターに付加し、一種の
「ホームゲートウエイ」として活用すること
でデマンドレスポンスを行う実験である。

 この実験では、宅内ディスプレーのほか、
自動温度調整可能なサーモスタットを家庭内
のエアコンに設置する。
 宅内ディスプレーには時間帯別の電力料金
などが表示される。
 それを見た消費者が、料金の高いときは
自ら機器の電源を切って節約するように
促す。一方、サーモスタットには制御信号を
直接送り、エアコンの温度を上げたり
下げたりして需要を抑制する。

 各電力会社は、時間帯別の料金
(TOU:Time Of Use)以外にも、年間を
通してのピーク需要を抑えるための
さまざまな料金プランを考案している。

 例えば、カリフォルニア州の電力・ガス
のユーティリティー会社である
Pacific Gas and Electric(PG&E)社は、
PDP(Peak Day Pricing)というプランを
設定している。
 PDPでは、電力需要がピークとなる年間
10日程度を「ピーク・デイ」とし、
ピーク・デイの昼間の時間帯の料金は
TOU(同社は1日を5段階に分けて料金を
設定)より高額に、それ以外の
「非ピーク・デイ」の昼間の時間帯の料金
はTOUより低額になるようにして、夏場の
需要ピークを迎えようとしている。
 同社は、2010年に大規模需要家向けに
PDP料金を設定したほか、2011年からは
希望する一般家庭にも適用する計画という。

 このように各社は現在、実証実験に取り
組んでいる段階だが、大きな効果が見込める
ことが次々に明らかになってきた。

 例えばテキサス州の大手電力会社である
Oncor Electric Delivery社は「こうした
需要抑制策によって電力使用量を5~15%
削減できる」とする。
 同社の試算では、仮に同社の顧客すべて
にスマートメーターを導入して需要抑制を
図ると、年間で最大2億5000万ドル
(約207億円)分の電力量を抑制でき、
今後10年間で12の発電所の新設計画が不要
になるという。

 利点がはっきりしたことで、テキサス州
におけるスマートメーターの導入は急ピッチ
で拡大しそうだ。
 2011年は一般家庭を対象に実証実験への
参加を募集し、まず数万世帯に導入する。
 2012年には数十万から数百万世帯レベル
に増やす見込みである。

 先行するカリフォルニア州やテキサス州の
電力会社の取り組みを今、全米の電力会社が
注視している。
 そして早晩、後れてなるものかと
スマートメーターの導入拡大や、
デマンドレスポンスによる需要抑制に向け
一斉に走り出すと見られている。
 さらに、米国と同様に電力事業が自由化
されている欧州でも、各電力会社が顧客
囲い込みのために、需要抑制プランを採用
することによって低い電力料金を提示しよう
としている。
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良いですね。
電力会社の自由競争。
日本のように独占ではない。

電力のピーク需要抑制はシステムで実施
すべきだと考えます。

スマートメーターとスマートグリッド
必須ですね。

>同社の試算では、仮に同社の顧客すべて
>にスマートメーターを導入して需要抑制
>を図ると、年間で最大2億5000万ドル
>(約207億円)分の電力量を抑制でき、
>今後10年間で12の発電所の新設計画が不要
>になるという。
素晴らしい。

多分ユーザーから見ても無駄な発電所分の
回収が無いわけだから電気料金だって
安くなるはず。

こういう政策を政府主導で「方針」とかいう
曖昧な言い方ではなく、EU指令のように
要求する。と言い切って欲しい。

電気料金体系ももっときめ細やかなものに
していかないと進まないはず。

まずは発送電分離から始めませんか?

電気は使い放題というわけには行きません。
だって、有限な化石燃料から大部分を
得ているわけですから、いずれ抑制しないと
成り立ちません。

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