« 今回の地震で新幹線が脱線しなかった理由とは? 新幹線の被害を最小限にとどめたテクノロジー #jishin | トップページ | 抗体医薬がアンメット・ニーズを解消する手がかりに »

2011年4月 9日 (土)

鉄系超伝導体における新しい高温超伝導メカニズムの発見

鉄系超伝導体における新しい高温超伝導
メカニズムの発見
-格子振動、スピンに続く第三の起源-

平成23年4月8日
東京大学物性研究所
科学技術振興機構(JST)

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 東京大学 大学院工学系研究科の下志万
(シモジマ) 貴博 特任助教と東京大学
物性研究所の辛 埴(シン シギ) 教授は、
鉄系超伝導体注1)において、これまで
知られている超伝導体とは異なる新しい
超伝導メカニズムを発見しました。

 超伝導とは、金属などをある温度
(超伝導転移温度)以下に冷却すると、
電気抵抗がゼロになる現象です。

 通常ばらばらに運動している電子は、
超伝導状態では2つずつ対になって運動
します(図1)。
 この超伝導電子対注2)を結び付ける
働きをする「のり」の種類を特定する
ことは、超伝導メカニズムを知る上で最も
重要なことです。

 しかし、これまでに見つかっていた
「のり」の種類は、結晶格子の振動や
電子スピン注3)(磁性の源)に限られて
いました。

 近年発見された鉄系超伝導体は、高い
温度で超伝導を示す物質として基礎科学
そして応用面からも非常に注目されている
ものの、この物質の「のり」の種類について
ははっきり分かっていませんでした。

 本研究グループは、世界最高レベルの
超高分解能レーザー光電子分光装置注4)
を開発し、これを用いて、鉄系超伝導体に
おいて電子対が結合しているエネルギーの
強さを調べ、新たな「のり」の種類を決定
することに成功しました。

 この結果から、電子軌道注5)という
性質に由来する、第三の新しいメカニズム
によって超伝導が引き起こされている
可能性が示されました。

 今後、電子軌道に着目することにより、
さらに高い温度で超伝導を示す物質の開発に
つながるものと期待されます。

 本研究成果は2011年4月7日
(米国東部時間)に米国科学誌
「Science」のオンライン速報版で、
編者が特に推薦する
「Science express」として
公開されます。
---------------------------------------

これで超伝導に関する研究がさらに進み
ますね。

>本研究により、古くから研究されている
>「格子振動」、「スピン」に続く、
>「軌道」を起源とする第三の超伝導状態
>が実現している可能性が新たに示され
>ました。
>今後、電子軌道に着目することにより、
>さらに高い超伝導転移温度を示す物質の
>開発につながることが期待されます。
>超伝導メカニズムとして格子、スピン、
>軌道などの豊富な起源があることが
>判明したことによって、室温超伝導体
>の夢により一歩近づいたと言えます。
ということです。

室温超伝導体の実現はいつ頃かな?
実現出来れば応用は沢山あるんです
けどね。

超伝導に原子の振動が関連していると
いう記事の投稿が下記、
超伝導のメカニズム解明に大きな
手がかり

電子のスピンが関連していると
いう記事の投稿が下記、
非従来型超伝導体を測定する

|

« 今回の地震で新幹線が脱線しなかった理由とは? 新幹線の被害を最小限にとどめたテクノロジー #jishin | トップページ | 抗体医薬がアンメット・ニーズを解消する手がかりに »

科学関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鉄系超伝導体における新しい高温超伝導メカニズムの発見:

« 今回の地震で新幹線が脱線しなかった理由とは? 新幹線の被害を最小限にとどめたテクノロジー #jishin | トップページ | 抗体医薬がアンメット・ニーズを解消する手がかりに »