« 孫正義氏、個人で 100 億円を寄付。さらに引退までの役員報酬全額も。 | トップページ | 耐震性向上の取り組みどこに問題が »

2011年4月 5日 (火)

治療中止を合法化したフランス、緩和ケア政策も進む

治療中止を合法化したフランス、
緩和ケア政策も進む
菊地広子=フリーライター(パリ在住)

※本記事は、日経メディカル2011年3月号
「寄稿」に掲載されたものです。

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 欧州連合(EU)加盟国では、本人の意思
などを前提に医師が自殺幇助する積極的
安楽死を容認している国がある。

 2001年にはオランダで、02年にはベルギー
で安楽死が合法化された。

 一方、フランスは以前から「尊厳死協会」
(1980年設立、会員数約4万7250人
[2011年1月現在])が安楽死合法化の
ロビー活動を続けてきたが、一般的には
死をタブー視する傾向が強く、安楽死の
社会的議論も2000年代に入るまでは消極的
だった。

 だが、03年に安楽死事件
「ヴァンサン・アンベール事件」が起き、
その流れが変わった。

 交通事故で四肢麻痺、盲目、聾唖となり、
残された意思伝達手段だった聴覚と右親指
でシラク大統領(当時)に安楽死を求める
手紙を書いた21歳の青年に対して、母親が
安楽死を図り、青年は昏睡状態に陥った
事件だ。

 その後、担当医が青年に対する延命治療
を中止し、塩化カリウムを投与して安楽死
させ、母親とともに罪に問われた
(両者とも06年2月に免訴)。

 この事件を機に、フランスでは安楽死の
議論が加速。
 循環器科医師で国会議員である
ジャン・レオネッティ氏を代表とする
国会調査委員会が組織され、1年半に
わたって議論が行われた。

 それを基に、「終末期患者の権利法
(レオネッティ法)」が05年に策定された
(表1)。

 緩和ケアを施し、最期まで患者の尊厳を
守ることを前提に、終末期治療の中止を
合法化。
 不合理で過剰な治療をいつまでも続ける
のをやめることを正しい行為と定めた。

 オランダのような積極的な安楽死は
認めていない。
 05年4月22日に官報に公布。
 「2005年4月22日法」または
「レオネッティ法」と呼ばれている。

 パリ第5大医学部医療倫理学博士課程
主任教授のクリスチャン・エルベ氏は、
「不合理な治療を中止するために医師は
具体的に何をすべきか、医師に医療倫理
の考察を義務付ける優れた法律だ」と
評価する。

 フランスでは終末期医療のあり方に
ついては、レオネッティ法が制定される
約20年前から議論されてきた(表2)。
 86年には厚生省が「終末期患者ケアの
あり方と組織化に関する通達
(ラロック通達)」を公布。
 それを基本に99年には、すべての患者に
緩和ケアを受ける権利を認めた
「1999年6月9日法」が施行された。
 02年3月には、すべての患者に自分の病気
を理解する権利、治療を拒否する権利を
認めた「患者の権利と医療制度の品質法
(コシュネール法)」(2002年3月4日法)
が公布されている。

 こうした患者の権利を実現するため、
医師の対応を明確化したのがレオネッティ法
というわけだ。

 エルベ氏は、「コシュネール法によって、
医師と患者が対等な立場で治療方針などを
話し合う土壌ができた。
 コシュネール法は患者の権利、
レオネッティ法は終末期医療において
医師が行うべき義務を定めたもので、
2つの法律は相補的な関係にある」と
説明する。

治療中止の原則と手順を明記
 それでは、治療の効果が見込めなくなった
患者に対する治療中止の手順は、
レオネッティ法でどう規定されているのか。

 まず、「治療のリスクに対して利益が
極度に低くなった時」(エルベ氏)が
治療中止の判断基準となる。

 治療中止の具体的な手順として、本人が
自分の意思を表現できる場合は、その意思
を尊重する。

 できない場合は、
(1)本人の「事前指示書」
(2)本人が指名した「信頼できる代理人」
(3)家族、近親者──の優先順序で意見を
  十分考慮し、多種の医療専門職からなる
  ケアチームと協議した上で、主治医が
  決断する(前ページ表1参照)。

 終末期患者の家族はたいてい、治療中止
を決断し、その責任を負うことに大きな
精神的重圧を感じる。
 主治医が最終決断をするのは、その負担
を減らすためだ。
 なお、救急医療においては同法の適用外
となり、「危機状態の患者救助法」に
基づいて人命救助が優先される。

刑事責任の恐怖から解放
 レオネッティ法によって医師は、
「終末期治療を中止したら刑事責任を
問われるのではないか」という恐怖感から
解放される一方、従来の治療至上主義から、
不合理と判断される治療を中止することが
正しい行為と捉えるよう発想転換を
迫られている。

 ブザンソン医大病院緩和ケア科チーフ
ドクターのレジス・オブリ氏は、
「レオネッティ法の考え方は、死を医学の
挫折と見なす傾向が強かったフランスの
医師に対して、医文化の根底から変化を
促すものだ。

 医師が治療を中止することへの恐怖感を
感じなくなるまでにはまだ当分時間がかかる
だろう」と指摘する。
---------------------------------------

>尊厳死法制化に慎重な日本

>フランスでは、延命治療中止の合法化を
>契機に、緩和ケアの体制整備が進みつつ
>ある。

>一方日本では、尊厳死の法制化に対して
>医療からは慎重な意見が多い。
>人口の高齢化が今後急激に進むことから、
>延命治療中止の法制化も含め、
>終末期医療のあり方を真剣に議論する
>必要がありそうだ。(編集部)
そう思います。

どうして尊厳死の法制化に対して医療から
は慎重な意見が多いのでしょう?

不合理で過剰な治療をいつまでも続ける
ことが本当に正しいことだと思っている
からですか?

不合理で過剰な治療などないと思って
いるとすれば、傲慢です。

明らかに不合理で過剰な医療行為は
存在すると思います。

医師と患者が対等な立場で治療方針などを
話し合う土壌が必要です。
その為の法律が必要なのです。
そう考えます。

|

« 孫正義氏、個人で 100 億円を寄付。さらに引退までの役員報酬全額も。 | トップページ | 耐震性向上の取り組みどこに問題が »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

スペース失礼します。

Change.org(下記URL)にて安楽死に関する署名活動を行っています。賛同いただける方はご署名お願いします。

http://goo.gl/epuQJ

投稿: 匿名 | 2013年8月19日 (月) 02時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/51308559

この記事へのトラックバック一覧です: 治療中止を合法化したフランス、緩和ケア政策も進む:

« 孫正義氏、個人で 100 億円を寄付。さらに引退までの役員報酬全額も。 | トップページ | 耐震性向上の取り組みどこに問題が »