« 手の届かない割れ目にも侵入して補修してくれる夢のバクテリア、実用化へ... | トップページ | ワクチン接種の順番、参考にして 学会がスケジュール表 »

2011年3月 2日 (水)

イレッサ判決のもやもやの背景には裁判制度の問題が、無過失の副作用に関しては医薬品・医療機器副作用救済制度で厚く救済を

イレッサ判決のもやもやの背景には
裁判制度の問題が、
無過失の副作用に関しては
医薬品・医療機器副作用救済制度で
厚く救済を

2011年02月28日
Biotechnology Japan:Webmasterの憂鬱

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 さて、今朝の天気のようにもやもやした
判決が、大阪地裁で2月25日に言い渡され
ました。

 イレッサの間質性肺炎による副作用死の
責任(製造物責任法による告知や情報提供が
不十分だったという過失)を販売元の
アストラゼネカにのみ認め、文言では国の
至らぬ点を示唆しながら、国には賠償責任が
ないとした判決です。

 アストラゼネカが作成した添付文書は、
厚労省や医薬品医療機器総合機構も認めた
上で定められることが、薬事法に書いてある
のに、何故、国家の責任は問われ
なかったのか?

 国が与えた損害の程度を国家賠償の
該当案件として勘案するならば、国民の
副作用死は国家賠償に値しないのか?
 など、頭は混乱するばかりです。

 大阪地方裁判所の被害者の救済をしたい
という願いと、国の国家賠償責任は避けたい
という思いが交錯した判決かと、疑って
しまいます。

 少なくとも、ここには正義はなく、
被害者の救済と国家責任のバランスを取り、
民間企業に責任を負わせたような後味の
悪さだけが残ります。

 本当に製造物責任法で製薬企業の責任を
問い(故意である場合は勿論別です)、
国の新薬審査プロセスの妥当性を民事裁判
で判断すべきなのか?

 きっと各地方裁判所の裁判官の判断
によって、ばらばらな判断が起こり、
混乱が起こる可能性を懸念しています。

 多数の裁判を抱える現在の裁判官が
本当に専門性の高い医療問題で妥当な
判断が可能か?
 という我が国の裁判制度の問題は背景
にあります。

 真の意味で患者を救済するために、副作用
を抑止しかつ、ドラッグラグを縮小し、
新薬の実用化によって救われる患者さんを
一人でも増やすためには、市販後の
臨床試験(患者登録によるフェーズ4)の
充実と副作用情報の公開と医療関係者への
共有をもっと迅速化することが重要です。

 企業も今回の判決で、リスク情報の
早期公開の重要性を痛感したはずです。
 そして、それでも生じる無過失の副作用
に関しては、医薬品・医療機器副作用
救済制度で厚く救済すべきであると
思います。

 これだけ抗がん剤や免疫抑制剤で新薬が
誕生し、市場が拡大しているのに、
救済制度の対象外に放置してきた
国の責任は重大です。

 今回の判決も、その意味で国の中途半端
な抗がん剤開発のセイフティーネットの
綻びによる患者の救済の努力かも
知れませんが、根本の制度改革をもっと
強調すべきではなかったか。

 民間会社にのみつけ回しをするのでなく、
国家のシステムを正すことをもっと声高に
主張すべきだったと考えます。

 大阪地裁の判決と同じ週の2月22日に、
米国連邦最高裁判所がワクチンによる
副反応を民事訴訟では取り上げないという
判決を下したこととは注目に値します。

 一見、冷たい判決ですが、ワクチンの
副反応のような高度な医療判断は、
過失がない限り、ワクチンの副反応が
無過失賠償制度の対象となるかを判断する
専門家で構成された”ワクチン裁判所”に
任せるという国家の制度的な交通整理を
行ったものです。

 但し、この判決でも少数意見に、被害者
を救済する制度の真空状態が生じるという
反対意見があったことは忘れては
なりません。

 まったく歯切れの悪い記事になりました
が、こうした歯切れの悪さを皆で噛みしめ、
噛みしめ、患者保護と新薬開発の加速の
バランスを成就する努力を続け続ける
しか、正解がないのではないかと悩んで
おります。
---------------------------------------

>米国連邦最高裁判所がワクチンによる
>副反応を民事訴訟では取り上げない
>という判決を下したことは注目に
>値します。

>一見、冷たい判決ですが、ワクチンの
>副反応のような高度な医療判断は、
>過失がない限り、ワクチンの副反応が
>無過失賠償制度の対象となるかを判断する
>専門家で構成された”ワクチン裁判所”に
>任せるという国家の制度的な交通整理を
>行ったものです。
注目に値すると私も思います。
見習いたい。


>真の意味で患者を救済するために、
>副作用を抑止しかつ、ドラッグラグを
>縮小し、新薬の実用化によって救われる
>患者さんを一人でも増やすためには、
>市販後の臨床試験(患者登録による
>フェーズ4)の充実と副作用情報の公開
>と医療関係者への共有をもっと迅速化
>することが重要です。
重要だと思います。

>企業も今回の判決で、リスク情報の
>早期公開の重要性を痛感したはずです。

>そして、それでも生じる無過失の副作用
>に関しては、医薬品・医療機器副作用
>救済制度で厚く救済すべきであると
>思います。
必須ですね。

>これだけ抗がん剤や免疫抑制剤で新薬が
>誕生し、市場が拡大しているのに、
>救済制度の対象外に放置してきた
>国の責任は重大です。
重大だと思います。
いつも国は責任をとらず逃げているのみ。
これでは国民は救われない。

>まったく歯切れの悪い記事になりました
>が、こうした歯切れの悪さを皆で
>噛みしめ、噛みしめ、患者保護と
>新薬開発の加速のバランスを成就する
>努力を続け続けるしか、正解がない
>のではないかと悩んでおります。
全く同感です。

|

« 手の届かない割れ目にも侵入して補修してくれる夢のバクテリア、実用化へ... | トップページ | ワクチン接種の順番、参考にして 学会がスケジュール表 »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

本当にこんな状況では日本のドラッグラグ(デバイスラグも)の問題は解決しないでしょう。
国が責任逃れしていては、製薬会社は怖くて新薬開発、国内での新薬治験は出来ません。
私の記憶ではイレッサは日本が一番初めに承認した国と思います。
間質性肺炎による副作用死の告知や情報提供が不十分だったとは思いますが、マスコミ(メディア)も『夢の新薬』などと患者さんと家族の気持ちをあおったように思えます。
しかもいざ副作用の問題が起こればいつものようにバッシングです。まるでマッチポンプです。
国とメディアのあり方を考えないと、ドラッグラグ、デバイスラグの問題は無くならないように思います。
『命を守る政治』と言った人がいましたが、そんなのは政治家なら皆そうでなくてはいけない。
衆院本会議に欠席なんて有り得ません。そんな人達にはとっとと議員バッチを外して頂きたい。


投稿: H!ro ^ ^ | 2011年3月 2日 (水) 15時43分

>国とメディアのあり方を考えないと、
同感です。

国もひどいけれど、メディアもひどい。

なんであんなわかりきったことを聞くのか?
何故思いやりのかけらもない質問ができるのかと疑問に思う。
取り上げなくてはいけない問題は山ほどあるはず。
つまらない報道は止めて貰いたい。

国民の為に働かない国会議員は直ちに議員バッチを外して頂きたい。

投稿: haredasu | 2011年3月 2日 (水) 16時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/51012268

この記事へのトラックバック一覧です: イレッサ判決のもやもやの背景には裁判制度の問題が、無過失の副作用に関しては医薬品・医療機器副作用救済制度で厚く救済を:

» イレッサ訴訟大阪地裁判決の解説 [イレッサ“薬害”訴訟で国と製薬会社を支援する会(仮)]
大阪地裁は、原告の主張を悉く退けた。しかし、因果関係の立証と「通常有すべき安全性」と「開発危険の抗弁」の判断に初歩的かつ致命的な誤りがある。判決文によると… [続きを読む]

受信: 2011年3月11日 (金) 22時29分

« 手の届かない割れ目にも侵入して補修してくれる夢のバクテリア、実用化へ... | トップページ | ワクチン接種の順番、参考にして 学会がスケジュール表 »