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2011年3月 8日 (火)

年1千万人分 鳥インフルワクチン期限切れ

年1千万人分
鳥インフルワクチン期限切れ

朝日新聞アスパラクラブ
科学面にようこそ

詳細は、リンクを参照して下さい。

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◇「免疫力に期待できる」 活用求める声も

 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に
感染する野鳥や鶏が後を絶たない。

 海外では人への感染も相次ぎ、今年に入り
カンボジアやエジプトなどで5人が亡く
なった。

 人への感染を防ぐワクチンは、日本人
科学者が開発した技術で作られている。

 国内の備蓄量3千万人分のうち
1千万人分が毎年、期限切れを迎える。
 捨てるより希望者に打った方がいい
という声も出ている。

 肺の内部が、まるでおぼれた人の肺の
ように液体でいっぱい――。
 鳥インフルに感染して死亡した人の肺
は、こんな状態になるという。
 たまった液体は免疫細胞などの分泌液
で、侵入したウイルスをやっつけようと
激しく抵抗した痕跡だ。

 「鳥インフルのウイルスは季節性インフル
とは異なり、人の肺でよく増える」と
河岡義裕東京大医科学研究所教授
(ウイルス学)は言う。

 鳥インフルの人への感染は1997年に
香港で初めて確認された。
 世界保健機関(WHO)の集計では
今月2日までに526人が感染し、
約6割の311人が亡くなった。

 鳥のウイルスは、今のところ人から人
へは効率よく感染しない。
 しかし、新型の豚インフル(H1N1)
など人に感染しやすいウイルスと遺伝子の
組み換えが起これば、致死率の高い
ウイルスが世界的大流行(パンデミック)
を起こす恐れもある。

 最悪のシナリオに備えて、多くの国が
人への感染を予防するワクチンを備蓄して
いる。
 「プレ(前)パンデミックワクチン」だ。

 インフルエンザのワクチンは、
「種ウイルス」を有精卵の中で増やして
作る。だが、高病原性の鳥インフルの場合、
通常の方法ではウイルスが卵を殺して
しまい、ワクチンに必要なウイルスを
増やせない。

 この問題を解決するために使われている
技術が、河岡さんが開発した
リバースジェネティクス法だ。
 8本に分かれているインフルウイルスの
遺伝子を、リング状のDNAに組み入れ、
動物の細胞内でウイルスを人工合成する
方法だ。
 遺伝子を自由に改変できるのが特徴で、
鳥ウイルスの強毒性に関係するHA遺伝子
を弱毒型に変え、種ウイルスを作る。

 プレパンワクチンは事前に入手した
ウイルスから作るため、実際に流行している
ウイルスを基に作るワクチンより効果は
落ちる可能性はある。
 しかし、流行が始まってからワクチンを
作り始めると完成までに約半年かかる。
 その間のつなぎとして、医療従事者や
電力などライフライン関連事業の従事者ら
向けに作られている。

 問題は、備蓄ワクチンが約3年で期限切れ
になることだ。
 備蓄目標量に達した09年度に06年度
製造の1千万人分の期限が切れ、昨年は
さらに1千万人分が期限切れに。
 期限切れワクチン2千万人分はまだ
廃棄されずに製薬企業に保管されている。
 10年度、11年度にもあらたに
2千万人分を確保する予定だ。

 「期限切れになる前に希望者に打った
方がいい」と、国立感染症研究所の
田代真人インフルエンザウイルス
研究センター長は主張する。
 似た種類のウイルスのワクチンを打って
おけば、「本番」では1回の接種で免疫力
が十分に上がる可能性が大きいからだ。

 プレパンワクチンには、「つなぎ」の
役割以上の効果があるようだ。
 種類の似たウイルスのワクチン同士の
相乗効果は、08年ごろから国内外で報告
され始めた。

 「『プライム・アンド・ブースト』と
呼ばれる。
 免疫記憶を誘導(プライム)しておけば、
後年、その記憶を刺激(ブースト)する
ことで免疫力が十分に上がる、という現象
だ」と庵原俊昭・国立病院機構三重病院長は
説明する。

 庵原さんが代表の厚生労働省研究班は、
ベトナムで分離されたウイルス
「ベトナム株」を基に作ったワクチンを
06年に接種した約200人を対象に、
2年後の08年、半数にはインドネシア株
ワクチン、残り半数には中国・安徽株
ワクチンを接種した。
 その結果、インドネシア株でも安徽株
でも、同じ株だけでなく、異なる株の
ウイルスにも、免疫力が十分に上がること
がわかった。

 期限切れで捨てるぐらいならこの効果を
期待して希望者に事前に接種する。
 台湾はそんな選択をした。
 昨年9月、期限切れが近い約20万人分
のワクチンを接種した。

 鳥インフルワクチン1千万人分の製造に
かかる費用は約60億円。
 廃棄にも費用がかかる。
 日本国内では11月に新たに1千万人分
の期限が切れる。
 「これらワクチンをどうするのか、
早急に検討する必要がある」と田代さんは
訴えている。
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《筆者の大岩ゆり記者より》
 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)
の人への予防を防ぐワクチンも、備蓄分が
一定期間過ぎると期限切れになるのは仕方の
ないことですが、単に廃棄するのではなく、
何らか形で活用ができないか、検討するべき
だと思います。

 今回、紹介したのは、似たウイルスの
ワクチンの相乗効果を期待して、希望者には
事前に打っておいたらどうか、という
専門家の意見です。

 それ以外に、動物実験用に希望する研究者
に無料で配るのも、一案ではないかと
思います。米国は、期限が切れた新型の
豚インフルエンザのワクチンを、希望する
研究者に無料で配ったそうです。
(日本政府は廃棄しています)

 記事の中で紹介した、似たウイルスの
ワクチン同士の相乗効果は、ワクチンの
「交叉(こうさ)免疫」と呼ばれています。
 新型インフルエンザのワクチンで、
その効果が大規模に実証されました。
-------
同感です。


日本には本当に
「もったいない」精神
あるのでしょうか?

一般庶民にはあるけれど、
税金(人のお金)で食べている官僚達には
ないのかな?

本当にもったいない。
捨てるなんて、

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