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2011年2月17日 (木)

京都で実現なるか、「日本版ロードプライシング」

京都で実現なるか、
「日本版ロードプライシング」

2011/2/14 日本経済新聞

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 1200年の歴史を持つ京都市で、最新のIT
を使ったロードプライシング(道路課金)の
検討が始まろうとしている。

 同市が、車依存型社会からの脱却に向けて
2010年1月に策定した総合交通戦略の
一環だ。

 ロードプライシングは日本では阪神高速
5号湾岸線で導入されているだけで、
一般道での実施例はない。
 同市での検討が
「日本版ロードプライシング」の確立に
つながるのか、注目される。

 ロードプライシングは、道路の使用に
対して料金を徴収する仕組みである。
 海外では、シンガポールや
英国ロンドン市、スウェーデンの
ストックホルム市などが導入し、都心部の
渋滞解消などに効果を上げている。

 京都市がロードプライシングに着目する
のは、観光地などへの混雑期の流入規制や、
都心部を通過する交通量の制限といった
用途を期待するためだ。

 年間5000万人の観光客が訪れる同市に
おいて、観光ビジネスの拡大と環境負荷低減
の両立を図ることは、大きな課題の一つだ。

 日本でのロードプライシングは、
1968年7月に「都心通行賦課金構想」が
打ち出されるなど、発想としては古くから
あるものだ。

 しかし、実際に導入となると話が変わる。

 例えば、鎌倉市。
 1995年から2001年まで「鎌倉地域交通計画
研究会」を設置してロードプライシングの
導入を検討したものの、一部商業者からの
反対で実現しなかった。

 同研究会の関係者によれば、「鎌倉市には
車で入れない、という噂が広まって
しまったため」という。

 東京都も2003年に素案作りを始めたが、
目立った進展はない。

 そうしたなか、京都市での
ロードプライシング導入への期待が
高まっているのは、京都には政策実行のため
の諸条件がそろっていると考えられている
ためだ。

 道路行政を管轄する国土交通省内には
「京都で実現できなければ、ほかでは実現
できない」といった声もあるほどである。

 具体的には、盆地の中心にあって外部から
入りづらい、限られた空間を多数の歩行者が
利用するといった地理的条件に加え、
京都議定書ゆかりの地として環境への意識が
高い、進取の気質がある、「京都人」として
の誇りがある、人口の10分の1が学生である
ことから産官学の連携が容易、
といった好条件に恵まれている。


■条例改正で90年度比「40%削減」へ
 1997年12月に京都議定書締結の舞台と
なった同市の成長戦略は、
「環境未来都市・京都」の実現である。

(1)環境、経済、社会のそれぞれで
   新たな価値を創造すること、
(2)絆を強める新しい京都流ライフ
   スタイルの確立、
(3)新たな発展モデルの構築と持続可能
   な都市経営、といった目標を掲げる。

 京都市はこの3月に向けて、成長戦略の
実行プランとなる「京都市地球温暖化対策
計画」の作成を急いでいる。
 2010年9月に改正が議会で可決され、
この4月から施行される「京都市地球温暖化
対策条例」において、門川市長が“挑戦的”
と呼ぶ、温暖化ガスの削減目標を掲げた
からだ。

 改正前の目標は、2010年までに1990年度比
で10%の削減。
 これは、2008年時点で達成している。
 今後は、2020年度に25%削減、2030年度に
40%削減の中間目標を達成し、2050年度に
大幅削減による低炭素社会の実現を目指す。

 地球温暖化対策計画の実効策の一つが
車依存社会からの脱却であり、その活動を
同市は「歩くまち・京都」と呼ぶ。
 そこでは、電車やバスといった公共機関
の利便性向上や、歩行者を中心とした
道路機能の見直し、カーシェアリング、
エコカーへの転換などを推進する。

 公共機関の利便性向上では、市の東西と
南北に走る地下鉄の最終接続時間を合わせ
たり、地下鉄の最終列車とバスの最終便を
連携させたりして、利用者増を図る。

 道路機能の見直しでは、パークアンド
ライド(自宅から自動車で鉄道の最寄り駅
やバス停まで行き、そこに駐車して鉄道や
バスで都市中心部などに行く仕組み)の
通年実施や、カーシェアリングの普及を
後押しする。

 ITを使った施策では、冒頭の
ロードプライシングのほか、「EV交通情報
通信システム」を開発し、到着予定時刻や
乗り継ぎ案内、観光情報提供など、市民と
観光客それぞれの利便性を高める計画だ。

 これらに先立って、2011年2月10日から
はEV(電気自動車)バスの実証実験を
開始した。

 交通行政以外にも、地域産木材の活用推進
や、森林整備、再生可能エネルギーの利用
拡大、地域エネルギー・マネジメント・
システム(CEMS)の構築など、計画は実に
盛りだくさんだ。

 いずれかの施策に特化せず、数々の
取り組みを並行して進める理由を門川市長
は、「“目玉施策”だけでは、環境問題は
解決できない。

 継続のためには地域ぐるみの活動に広げ
なければならず、総合的な取り組みが重要
だ」と説明する。


■地元への愛着が推進力に
 こうした計画が立案できるのも、京セラ
やオムロンなど、京都に本拠を置く環境技術
やセンシング技術に強い企業の存在や、
京都大学をはじめとする学術研究拠点の存在
は無縁ではない。
 そして、「京都が好き」「京都人だから」
といった市民の自負心が、活動の推進力
になる。

 京都市副市長の由木文彦氏は、「明確な
意志や理想をベースに、環境を変えてこそ
意味がある。
 先端技術の使いこなしを含め、新たな
街づくりを推進したい」と意気込む。

 京都市におけるスマートシティ実現への
取り組みは、日本版ロードプライシング
といったテクノロジーの観点はもとより、
都市計画の観点からもモデルケースに
なりそうだ。
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壮大な計画ですね。
素晴らしいと思います。

>温暖化ガスの削減目標を掲げた。

>2020年度に25%削減、2030年度に
>40%削減の中間目標を達成し、
>2050年度に大幅削減による低炭素社会の
>実現を目指す。

>地球温暖化対策計画の実効策の一つが
>車依存社会からの脱却であり、
>その活動を同市は「歩くまち・京都」
>と呼ぶ。そこでは、電車やバスといった
>公共機関の利便性向上や、歩行者を中心
>とした道路機能の見直し、
>カーシェアリング、エコカーへの転換
>などを推進する。

>計画は実に盛りだくさんだ。


「京都市におけるスマートシティ実現への
取り組みは、日本版ロードプライシング
といったテクノロジーの観点はもとより、
都市計画の観点からもモデルケースになり
そうだ。」

是非実現して貰いたいと思います。
モデルケースになって貰いたい。

多くの困難があると思います。
市民の自負心に期待したい。
政府にも協力な後押しをお願いしたい。

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