一人暮らしの高齢患者の在宅医療に取り組む 小笠原文雄さん
一人暮らしの高齢患者の在宅医療に
取り組む 小笠原文雄さん
2011年02月09日 朝日新聞 ひと欄より
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日本では、亡くなる人の8割が病院で
息を引き取る。
そんな現状に異を唱え、重い病気を患う
お年寄りを在宅で支える。
患者と指切りをしながら、こう語りかける。
「笑顔で死ぬまで自宅で過ごしましょう。
無理だと思ったら、すぐ入院すれば
いいんですよ」
1973年、名古屋大医学部を卒業。
臨床の第一線で働き、心筋梗塞などで
倒れた患者を社会復帰させるたびに
ガッツポーズをしていた。
だが、過労とストレスで視力が低下。
40歳で故郷の岐阜市に戻り、診療所を
開業した。
往診を引き受けても最初は「渋々だった」
自宅で亡くなる患者の穏やかな姿を見る
うち、考えが変わる。
「生を満喫したい気持ちにこたえよう」。
かつて終末期のがん患者が家に帰りたい
と言っても、認めなかった。
家族の意向とはいえ後悔が募った。
末期患者の在宅医療は簡単ではない。
介護ヘルパーや訪問看護師と連携して
痛みを確実に抑え、日常をどう過ごすか
計画を立てる。
最期が近づくと、薬を使って夜間だけ
深い眠りに導くこともある。
岐阜で400人を超す死と向き合った。
本人の意思を尊重し、8割以上が自宅で
亡くなった。
「一人暮らしでも自宅で最期まで
過ごせる」という信念の下、今春、
日本在宅ホスピス協会の会長に就任する。
「医療は万能ではない。治療を追い求める
あまり、患者の気持ちを忘れてしまっている」
(文・松田昌也 写真・恵原弘太郎)
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>自宅で亡くなる患者の穏やかな姿を見る
>うち、考えが変わる。
>「生を満喫したい気持ちにこたえよう」
>かつて終末期のがん患者が家に帰りたい
>と言っても、認めなかった。
>家族の意向とはいえ後悔が募った。
>「医療は万能ではない。
>治療を追い求めるあまり、
>患者の気持ちを忘れてしまっている」
そう思います。
患者の気持ちを尊重して欲しい。
精一杯生きたいのです。
かなえてやって欲しい。
在宅医療はいろいろな問題があって
実行しようとしてもなかなか難しい面が
あるとは思いますが、是非実現したい。
>亡くなる人の8割が病院で息を引き取る
この状態はおかしいと思います。
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