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2011年2月 5日 (土)

iPS細胞:遺伝子調節機能に異常 元細胞の特徴残る

iPS細胞:遺伝子調節機能に異常
元細胞の特徴残る

毎日新聞 2011年2月3日

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)が
持っている遺伝子の働きを調節する機能に
異常が見られることが、米ソーク研究所など
のチームの解析で分かった。

 この異常は、さまざまな細胞への分化の
しやすさや、分化させた細胞の機能に影響
を与える可能性がある。
 iPS細胞を将来、再生医療に応用する
上で課題となりそうだ。
 3日付の英科学誌ネイチャー(電子版)
に掲載された。【須田桃子】

 チームは、材料となる体細胞の種類や
作成法が異なる5種類のヒトiPS細胞を
対象に「メチル化」と呼ばれる目印の場所
や有無を調べた。
 受精卵から作られ、正常なメチル化を
持つと考えられる胚性幹細胞(ES細胞)
と比べた結果、おおむね同じだったが、
あるべきメチル化がないものなどの異常が
5種類すべてで見つかった。

 原因を調べたところ、初期化が不十分な
ために元の体細胞の遺伝的特徴が完全に
消去されなかった異常と、体細胞を
iPS細胞にする途中に新たに起きた異常
との2種類があった。
 これらの多くは、iPS細胞を繰り返し
培養して増やしたり、特定の細胞に分化
させた後も多くが受け継がれていた。

 iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大
教授の話
 iPS細胞の技術は日進月歩であり、
この論文に報告されている点の多くも
すぐに克服されるだろう。


 ◇解説 最新装置で精密解析
 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の優れた
点は、胚性幹細胞(ES細胞)のように
受精卵を壊して作る必要がないにも
かかわらず、ES細胞とほぼ同等の、
あらゆる細胞に変化する能力(多能性)を
持つことだ。

 一方で
(1)大人の分化しきった細胞が、本当に
受精卵のようにまっさらな状態に戻せるのか

(2)人工的な操作を加えたことによる影響
はないのか--

 という2点については、よく分かって
いなかった。
 今回の報告は、その問いに分子レベルで
一つの答えを出した。

 今回明らかになった異常は、ES細胞
のようにまっさらな状態ではないことを意味
する。
 だが、今後の研究によって、異常が起きる
原因を突き止めて改善に生かしたり、細胞の
用途によっては機能に影響を与えるものでは
ないことが確かめられるかもしれない。

 iPS細胞を医療に応用する際の課題
として、目的以外の細胞に分化するものが
あることや、分化した後、がんになるものが
あることが指摘されている。
 この原因と、今回の異常との関係は明らか
ではないが、こうした解析から新たな知見が
生まれる可能性もある。

 米国のチームが異常を見つけるのに用いた
手法は、遺伝子の働き方を調節する
「メチル化」と呼ばれる部分を、
「次世代シーケンサー」と呼ばれる最新の
遺伝子配列解読装置で分析する方法。

 九州大生体防御医学研究所の佐々木裕之
教授は「ヒトのiPS細胞で初めて
メチル化の状態を調べあげた、非常に大事な
論文」と評価する。
 慶応大の須田年生教授は「日本には同様の
解析を十分にできる環境がない。
 今後、iPS研究の一部として、この分野
の研究も進めていくべきではないか」と
指摘する。【須田桃子】
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>今回明らかになった異常は、ES細胞
>のようにまっさらな状態ではないこと
>を意味する。
>だが、今後の研究によって、異常が起きる
>原因を突き止めて改善に生かしたり、
>細胞の用途によっては機能に影響を
>与えるものではないことが確かめられる
>かもしれない。

iPS細胞研究、少しずつ進んでます。

残念なのは、
「日本には同様の解析を十分にできる
環境がない。」
というところですね。

次世代シーケンサーは遺伝子解析にとって
必須の装置。

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