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2011年2月19日 (土)

そろそろEBMの限界と現実を見定め、極めて当たり前の医療の姿に戻る時期

そろそろEBMの限界と現実を見定め、
極めて当たり前の医療の姿に戻る時期

2011年02月16日 

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 昨夜、ウェブ上で何と17人もの専門医を
招き、乳がんの最新治療に関して、
コンセンサス形成を行いました。

 日本全国北から南まで津々浦々からの
ご参加です。
 本当に影響力のある専門医達が必ずしも、
診断主義や処方方針で一致していないのも
明白となりました。

 昨今はなんでもランダムコントロールド・
トライアル万能ですが、厳格な二重盲験で
十分な症例を集めた科学的なエビデンスは
不足しています。

 エビデンスに基づいた医療は理想的です
が、患者の遺伝的・ライフスタイルの
多様性、そして医療を供給する体制の
多様性に、すべて応えられるエビデンスは
ありません。

 暴騰する臨床試験のコストを考えても、
全部の医療行為をエビデンスベースにする
ための原資も足りません。
 むしろそうした頭の固いことだけで対応
しようとすると、医薬品の価格が上昇し、
新薬にアクセスできる患者が富める者に制限
されてしまう矛盾が生じます。

 もっと意地悪な言い方をすれば、科学的な
真実が独立した追試によって初めて証明され
ますが、今、私たちが得ている新薬の
エビデンスは企業がスポンサーした臨床試験
から得られ、必ずしも他の独立した研究者が
追試で証明したものではないのです。

 特に、生活習慣病のような何千例もの
臨床試験を追試するのは、コストと患者の
リクルートの点からも容易ではありません。

 つまり、科学的な仮説に過ぎないと
冷たく言い切ることもできます。

 もうそろそろEBM(エビデンスベースド・
メディシン)の再点検を行う時期であると
考えています。

 そしてそれに代わる医療こそ、
コンセンサスベースド・メディシン(CBM)
だと私は考えています。

 一時の熱病みたいなEBMの時期が終り、
その限界と現実を見定めた今、極めて
当たり前の医療の姿に戻るべしということ
です。
 但し、今度のCBMは今までばらばらに
専門医の脳や心に秘匿されていた貴重な
判断や経験を、インターネットなどの
情報技術で集約し、タイムリーに提供する
ことが決定的に違います。

 その意味で、現在、開発中の新しい
メディアであるコンセンサスエンジンに、
是非ともご期待願います。
 現在、下記でコンセンサスエンジン
消化器がんを公開中。
 乳がんは来月公開の予定です。
https://bioce.nikkeibp.co.jp/consensusengine/

 実は新薬の発売後の症例蓄積こそが、
独立した追試であるのです。

 新薬発売後の市販後調査重要ですが、
限定された症例蓄積で限界があります。
 臨床試験を実施する臨床効果や副作用の
判断力のある専門医の臨床経験こそ、
エビデンスを確認、その限界も含めて解釈
できる鍵を握っています。

 患者さんの多様性や、医療供給体制の
多様性の壁を克服するためには、一人の権威
ではなく、実際に患者さんを治療している
信頼できる専門医達のコンセンサスこそが、
重要です。

 私も30年もバイオ関連のニュースを発信
して参りましたが、正直言ってニュースだけ
では患者は治せない。
 バイオという真のイノベーションを我が国
の医療に還元し、皆で幸福になるためには、
ニュースやエビデンスからコンセンサスを
常に形成し続ける、新メディアが不可欠だと
実感しています。
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>エビデンスに基づいた医療は理想的ですが、
>患者の遺伝的・ライフスタイルの多様性、
>そして医療を供給する体制の多様性に、
>すべて応えられるエビデンスはありません。

>暴騰する臨床試験のコストを考えても、
>全部の医療行為をエビデンスベース
>にするための原資も足りません。
>むしろそうした頭の固いことだけで対応
>しようとすると、医薬品の価格が上昇し、
>新薬にアクセスできる患者が富める者に
>制限されてしまう矛盾が生じます。
そう思います。

エビデンスを無視しても良いとは
思いませんが、EBMの限界と現実を見定め、
そこから出発した新たな試みが必要だと
思います。

「宮田 満」さんの構築しつつある
「コンセンサスエンジン」
有効だと考えます。期待したい。

>実は新薬の発売後の症例蓄積こそが、
>独立した追試であるのです。

>患者さんの多様性や、医療供給体制の
>多様性の壁を克服するためには、
>一人の権威ではなく、実際に患者さんを
>治療している信頼できる専門医達の
>コンセンサスこそが、重要です。
同感です。

このエンジンは医師ベースですが、
望ましくは、患者サイドからの
症例データベースも必要ではないで
しょうか?

患者の知りたいことがわかる。
患者の為のデータベースです。

患者にとっても、医師にとっても有用な
情報が得られるはずです。

医師から見た結果と患者から見た結果は
違うはずです。
具体的に症状がどう変わったのか、
副作用がどう出たのか等々、
より具体的に知ることができるはずです。

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