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2011年2月 9日 (水)

浮上走行「時速500キロ」でもリニアじゃないぞ

浮上走行「時速500キロ」でも
リニアじゃないぞ

「アホウドリ」がヒント、速くて
省エネの新交通システム
2011年2月1日 日経ビジネスONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 最高時速は時速500キロメートル。

 世界最高時速581キロメートルを誇る
JR東海の「磁気浮上式リニアモーターカー」
と同等の速さを実現しながら、
リニアモーターカーの約9分の1のエネルギー
で移動できる新交通システム
「エアロトレイン」の研究開発が進んで
いる。

 500キロメートル――。
 これは、アホウドリが1回の食事で移動
できる飛行距離だ。
 我々人間が徒歩で移動する場合、
時速5キロメートルとしても300時間、
つまり2週間近く、休むことなく歩き続ける
計算になる。
 では、なぜアホウドリはこんなに“燃費”
が良いのか。
 その理由の1つが「地面効果」と呼ばれる
自然現象である。

 地面効果とは、地面とスレスレの高さを
翼を使って移動する際に、地面と翼の間に
挟み込まれた空気がもたらす強い上向きの
力のことだ。

地面と翼の間に空気を挟み込む
Thumb_500_ph02
東北大学で開発中のエアロトレイン。
第3号機に当たる

 その地面効果を応用して、時速500キロ
メートルという高速移動を可能にする
新交通システム「エアロトレイン」の
研究開発が進んでいる。
 動力に利用するのは太陽光発電や風力発電
など自然エネルギーだけ。
 手がけているのは、東北大学未来科学技術
共同研究センターの小濱泰昭教授である。

 飛行機は「揚力」を使って浮上する。
 翼は、前方から風を受けることで、翼の
上の部分よりも下の部分の方が、空気の圧力
が高くなる。
 その結果、翼が下の部分の空気によって
押し上げられ、機体が浮き上がるという
わけだ。この上向きの力が揚力である。

 ここで機体の高度を上げないと
どうなるか。地面と翼の間に空気が集まる
ため、翼の下の部分の空気の圧力が高まり、
揚力が増すことになる。
 これが、地面効果である。

 地面効果は地面から離れるに従って弱まる
ため、機体はある程度浮上し、地面効果が
なくなった時点で下降し始める。
 しかし、前進している限り、地面と翼の間
に挟み込まれた空気があるので、それが
クッション代わりとなって、地面に落下する
ことはない。
 地面からの高さは、速度が決まれば
ある一定のところで落ち着く。
 つまり、地面スレスレの高さを飛び続ける
ことができるのである。

 推進力は、機体の両脇に取り付けられた
2つのプロペラを回転させることで得る。
 プロペラの動力は、ガイドウェイ脇に
設置した太陽電池を利用する。
 現在は充電池にためて機体に積んでいる
が、将来はパンタグラフ式にして、常時、
電力供給ができるようにする計画だ。

 一方、自動車や鉄道など地上を走る乗り物
は、速度を上げると急速に空気抵抗が
高まる。通常、空気抵抗は速度の2乗に比例
して増大する。
 速度が2倍になれば空気抵抗は4倍に、
3倍になれば9倍になってしまうのだ。

 それに対し、エアロトレインが極めて
少ないエネルギーで高速移動できるのは、
地面効果が、空気抵抗を下げる働きを持って
いるからだ。

 これまで鉄道で空気抵抗というと、先頭
車両ばかりに目が向いていた。
 ところが、実はそれ以上に大きな空気抵抗
を生んでいたものがあった。
 それは、車両の床下面と路面との間の部分
の空気抵抗だったのだ。

 車両の床下面と路面との間は狭く、かつ
床下面も路面もデコボコしている。
 そのため、乱流が発生し、それが大きな
空気抵抗となっていたのだ。
 しかし、この部分の改良は難しい。
 しかも、新幹線は16両編成で全長が
400メートルもある。

 「要するに、鉄道車両における空気抵抗
の軽減には自ずと限界があり、高速化と
燃費のバランスを考えると、N700系の
時速270キロメートルがゴールだという結論
に達した」。小濱教授はこう語る。

 そうなると、気になるのが、2027年の開業
を目指し、研究開発が進められている
磁気浮上式リニアモーターカーだ。
 それに対しても、小濱教授の見方は
厳しい。

 「リニアモーターカーは燃費という観点
から見ると、非常にエネルギー効率が悪く、
新幹線の3倍もある。
 お世辞にも環境に優しい乗り物とは
言えない」。

 理由は、まず、超電導方式の
リニアモーターの場合、投入する電力
に対し、その1%程度しか推進力に変換
できないため。
 そして、時速500キロメートル以上で走る
にも関わらず、車両と3方を囲む壁の間が
狭く、空気抵抗が大きいためだ。

 では、高速化と燃費の維持・向上を両立
させるような、地上を走る交通システムは
もうないのか――。
 この課題に直面したとき、小濱教授の
頭をよぎったのが地面効果だったのだ。

 「飛行機のように翼を持たせ、地面効果
を使って、地面からスレスレの高さを高速
で浮上走行する新幹線のような乗り物を
作ろう」。
 1986年、小濱教授は、のぞみ号の
プロジェクトと並行して、この夢の実現に
向け、行動を開始した。

 まず、旧運輸省の支援により、
エアロトレインに関する調査委員会が発足。
 時速500キロメートルを前提とした場合、
新幹線の3分の1、そして、
リニアモーターカーの9分の1のエネルギー
で走行できるというお墨付きをもらった
のだ。
 これにより、小濱教授は自信を強めた。

 そして、現在は、新エネルギー・
産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を
受け、幅3.3メートル、長さ8.5メートルの
2人乗りの第3号機で実験を繰り返している。
 産業技術総合研究所の提案により、機体は
難燃性のマグネシウム合金製に変えた。
 これは、同等の強度を保つアルミニウム
合金に比べ約60%の軽量化が図れる
新材料だ。

 第3号機を使った実験には、NEDOから宿題
が出ている。
 2011年3月までに、「1人の人間を、
時速200キロメートルで、1キロメートル移動
させるために必要なエネルギーを35キロ
カロリー以下に抑える」というものだ。
 「達成のメドは立っている」と小濱教授は
自信をのぞかせる。

Thumb_500_ph03
完成予定の3両編成、360人乗りの
エアロトレイン。45メガワットの発電量で、
全長500キロメートルの路線を、
時速500キロメートル、12分間隔で往復走行
させる計画だ

 これがうまくいけば、来年度からは実用化
研究の段階に入る。
 最終的には、3両編成、360人乗りを
開発し、45メガワットの発電量で、区間
500キロメートルの距離を、時速500キロ
メートルで、12分間隔で、往復走行させる
計画だ。
 2025年には実用化できると踏んでいる。
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知りませんでした。
新幹線を上回る高速鉄道はリニアしかないと
思っていました。
効率は悪いだろうとは思っていましたが、
「エアロトレイン」というものがあったの
ですね。

良いと思います。
省エネで、高速で、言うことなし。
リニアは電力大食いで、これからの
交通システムとしてふさわしいとは
思えません。

リニアモーターカーの約9分の1のエネルギー
で移動できるというではありませんか、
まだ開発段階のようですが、期待したい。
是非実現して欲しい。

動き始めた事業は止められないなどと
言うむだは止めて欲しい。

日本の電力源は再生可能エネルギー
ではない。
すべて輸入に頼らないといけない。
節約しないと成り立たないはず。


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コメント

素晴らしいです!!!。
こんな高速鉄道の開発が1980年代から始まっていたなんて全く知りませんでした。
エネルギー、環境、建設費用…リニアモーターカーよりも格段に良いじゃないですか!!

今日はPC使えないので携帯からブログにお邪魔しました。
写真も見れましたよ。
流石、haredasuさんですね。
ワクワクする情報です。ありがとうございます。
今、携帯でエアロトレインと小濱教授さんも検索して調べてみました。
結構ありますね。後でゆっくり読んでみます。
本当に凄い!!!
国には今から(路線予定地など)バックアップして欲しいですね。

投稿: H!ro(^O^) | 2011年2月 9日 (水) 18時41分

haredasuさん、おはようございます。

昨夜携帯サイトで小濱教授さん、エアロトレインの事を見てみました。
携帯でも結構詳しく載っているもんなんですね。

エアロトレインは…
プロペラ推進であるため、大きな騒音が発生する。 一方で土木工学的な観点では、車体の外部に取り付けられる翼のために路盤・軌道が従来の鉄道に比して大型化することが難点であり、特にトンネル・橋梁ではコスト増要因となるほか、土地収用・駅構造物の観点からも考慮すべき点がある。

とも載っていました。
私個人的には天候の影響をどのくらい受けるのか少し心配ですが、大丈夫でしょう。

小濱教授さんは…
「日本はこれからもモノづくりで国を支えていくしかない。アジアの国が台頭してきた今、日本人は日本人でなければ作れないものを作る必要がある。」

そうだと思います。日本人でなければ作れないもの。
素晴らしいです。頑張って欲しい。

投稿: H!ro(^O^) | 2011年2月10日 (木) 07時11分

コメントありがとうございます。

ぱっと飛びついてしまったのでまだ詳しく見てません。
いろいろ難点もあるようですね。
ただ、エネルギーは有限ですので、これからの乗り物として
リニアモーターカーが最適だとは思えません。

むしろ必要ないとすら思っています。
そんなに急いでどこへ行く? です。

よくよく検討して市民の為になるものを提供して欲しいものです。

投稿: haredasu | 2011年2月10日 (木) 14時29分

僕は飛行機がダメなので、東京から北海道や九州方面まで開通してもらえたら嬉しいです。
ただ・・多分料金が高いと思うので乗れません。。
新幹線すら・・・(涙)

投稿: H!ro | 2011年2月10日 (木) 16時13分

確かに高いですね。

もう十分に高いのに、リニアでペイするのでしょうか?

投稿: haredasu | 2011年2月11日 (金) 16時39分

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