クールでホットな英国電子申請体験記
クールでホットな英国電子申請体験記
2011年1月13日 BPnet online
詳細は、リンクを参照して下さい。
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日常生活で新しいPCやケータイをバリバリ
使うIT国家日本なのに、なぜか電子申請は
ほとんど進まない。
一方、伝統を重んじて頑固に生活スタイル
を変えないように見える英国では電子申請が
どんどん進んでいる。
例えば、Directgovは、英国政府の市民
ポータルサイトで、政府の各省庁は
もちろん、ほとんどの地方自治体の
サービスにアクセスすることができる。
その上Directgov | innovateでは、
Directgovの改善が、いつも公開の場で
議論されている。
もちろん中央政府のみならず地方自治体
の電子申請も盛んだ。
英国では新政権がコストカット旋風を
巻き起こしていることもあってか、
パスポートの電子申請を無駄だと言って
廃止してしまった日本とはまったく逆で、
すべての申請は電子化して、紙による申請
の廃止を着々と進めている。
その英国が、日本にいる外国人のビザ申請
まで、紙による申請を廃止して、電子申請に
一本化してしまったのである。
その変更は突然だった。
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IT国家日本では、情報漏えいが心配
だとか、高齢者は使えないとか言って
電子申請をことごとく否定してきた。
それなのに国民は、インターネット
バンキングで取引し、インターネットの
買物やオークションにはクレジットカード
番号をホイホイ使い、ちょっと大きな企業
なら給与明細はPDFでダウンロードしている
わけである。
だから、SSLで電子申請をどんどん進める
というのは、なんら問題なく受け入れられる
はずなのだが、日本人の行政アレルギーは
相当に深刻なのか電子申請と言ったとたんに
めくじらを立ててしまう。
その結果、国民は手書き申請による事務
手続きの負担や遅延のコストを全員で
背負いこむことになる。
公務員は、紙に書かれた申請書の情報を
せっせとタイピングして高い給料をもらう。
それどころか、紙の申請書からの転記ミス
や申請書類の紛失で、消え去った年金記録
のようなことさえ起こる。
入力だけでも国民が責任を持って実行
すれば、申請事務がどれだけ簡素化するか
なんて小学生にだって分かりそうなもの
なのだが、不思議なことに、いまだに日本
では電子申請が進まない。
ひるがえって我がニッポンは……
日本では、インターネットの
セキュリティーにはうるさいくせに、
大したセキュリティーチェックもなく
誰でも役所の建物に入れる。
先進国では役所の建物に入るのに
セキュリティーチェックがない方が
珍しいし、職員の出入りのチェックも厳重
である。
重要情報を扱う建物なのだから当然だ。
電子申請後に書類は、英国ビザの場合、
必ず本人が提出に出向く。
なぜなら、生体認証情報を提出しなければ
ならないからだ。
必要となる生体認証情報は、両手10本の
指紋採取と顔写真の撮影である。
ちなみに申請料金であるが、
審査の複雑さに応じて様々で1年以下の
訪問は1万円程度、
審査の難しい一般の労働ビザになると
高いものでは10万円ほどもする。
日本人は、無料であることを公平で
平等と考えがちだが、労働ビザを必要
とする外国人の申請事務費を国民全員で
負担する方が不公平で、応分の自己負担が
平等と考えるのが欧州では一般的である。
さて、いよいよ生体認証情報の提出で
ある。
生体認証情報の提出は、カウンターでは
行われずに、1人ずつ別室に入って
行われる。
内部の撮影は禁止されているので、残念
ながら写真は撮れなかったが、
BBCニュースのこの記事とほぼ同じ
指紋スキャナーをPCに接続して利用
していた。
この機器は米国の入国管理でも使われて
いるらしいから、体験済みの方々も多い
だろう。
指紋採取は片手の親指を除く4本
ずつを最初に取って、次に親指2本を
スキャナーの上にそろえて乗せ指紋を取る。
そして同じくPCに接続されているカメラ
で顔写真を撮影して申請手続きはすべて
終了する。
手続きを終えてみると、日本の電子申請
に関わるこれまでの体験のように、無駄な
作業を伴う感覚が全くなかったことが
不思議だった。
日本の電子申請体験の詳細は、
私のコラム
「ふ~ッ。やってみましたe-Tax!」や
「いい加減にしなさい!「住基カードと
電子申請」」をご覧いただきたい。
合理的な判断はクールに、窓口の対応は
ホットに、電子化の冷たさと人手の温かさ
をうまく使い分ける英国の電子申請には
見習うべきものが多い。
一方で、日本の電子申請はどうだろう。
無駄なほどに厳重なネットワーク
セキュリティー、すべてに必要とされる
公的個人認証、そのくせ建物の入退室には
チェックもなく内部からはゴソッと情報が
漏れ出してしまう。
バランスの悪さが目立つ。
行政には冷静で合理的な判断を、
国民には社会的決定の受容を、
そして民間企業には温かいサービスを求める
ならば、日本の電子申請だって機能しない
わけがない。
だって、英国のこれほどまでに複雑な
電子申請が日本で機能するのだから……。
IT大国なのに簡単な電子申請さえ
進まない。
そんな不合理がこの国の停滞を招いて
いる。
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なんででしょうか?
電子申請当然だと思います。
確かに日本はバランスが悪い。
>無駄なほどに厳重なネットワーク
>セキュリティー、すべてに必要とされる
>公的個人認証、そのくせ建物の入退室には
>チェックもなく内部からはゴソッと情報が
>漏れ出してしまう。
厳重に管理しなくてはならないものが
管理されていない。
管理しなくても問題ないものに対して
まで必要以上に管理する。
合理性が感じられない。
英国にできて日本にできないはずがない。
少しは他国を見習ってください。
日本が一番ならともかく、後塵を拝して
いるではありませんか?
無駄な検討をするくらいなら、
機能しているシステムをそのまま導入した
方がずっと早いし、合理的では?
こういう現状を見ると日本は鎖国状態。
化石国家ではないかとさえ思えてくる。
事業仕分けは何を持って無駄と判断して
いるのだろうか?
無駄を排除するというのなら、
もっと大所高所から、合理的な判断が
必要ではないでしょうか?
>英国では新政権がコストカット旋風を
>巻き起こしていることもあってか、
>パスポートの電子申請を無駄だと言って
>廃止してしまった日本とはまったく逆で、
>すべての申請は電子化して、紙による
>申請の廃止を着々と進めている。
考え方がどこかおかしい。
日本も、コストカットを目指している
はずなのに?
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