レアアース、代替技術は有望
レアアース、代替技術は有望
2010年11月15日 日経ビジネスONLINE
詳細は、リンクを参照して下さい。
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採算が合わないため、レアアースの
リサイクルは進まない。
一方、代替技術の実用化は盛んで、
エアコンなどで採用済み。
レアアースの安定確保には代替技術への
重点投資が必要だ。
「リサイクルの事業化は何も決まって
いない」。
磁石大手の信越化学工業関係者はこう
現状を明かす。
中国のレアアース(希土類)輸出制限を
受けて、国内でリサイクルに関心が
高まっている。
10月には信越化学がエアコンなどの
廃家電からレアアースを取り出す事業を
始めると報道された。
だが実際は、自社工場内で発生する
レアアースのリサイクルは始めている
ものの、廃家電についてはまだ意思決定
には至っていないのが実情だ。
貴重なレアアースを確保できるなら、
すぐにでもリサイクルを始めるべきだと
思うかもしれない。
しかし、現状では採算が全く合わない。
リサイクルは回収から分別、解体など
一連の過程で多額のコストがかかる
からだ。
鉱石からレアアースを取り出した方が、
格段に安く済む。
例えば、エアコンのモーターには多くの
ネオジムとジスプロシウムといった高価な
レアアースが含まれている。
たが、リサイクルでは、磁力を取り除く
などの特殊な作業が必要。
こうした作業がコスト高につながって
しまう。
エアコンなどの廃家電は家電リサイクル法
に基づき、処理料金を消費者から徴収して
いる。
それでも採算が合わないということは、
他製品ではさらにリサイクルが難しい
ということだ。
信越化学だけではない。
パナソニックは三菱マテリアルと共同
出資するパナソニックエコテクノロジー
関東で、ジスプロシウムのリサイクルの
実証研究をしている。
技術的なメドは立ちつつあるが、
ここでも採算性が壁になって事業化には
至っていない。
レアアース60%減の代替技術
レアアースの価格が高騰し、今秋以降は
ネオジムの価格は1kg当たり70~100ドル、
ジスプロシウムは300~400ドルで推移して
いる模様。
それでも、リサイクルするにはまだ安い。
東京大学生産技術研究所の岡部徹教授は、
「自動車用排ガス触媒に使われるプラチナ
のように、g単位で価格がつかないと、
つまり、もっと価格が上がらないと
リサイクルでの採算は合わないだろう」
と指摘する。
一方、現実に成果が出てきているのが
代替技術の開発だ。
信越化学はモーター用磁石に含まれる
ジスプロシウムを60%減らせる技術を開発
した。
同社は耐熱性を高めるジスプロシウムを
徹底的に検証。
従来製品では磁石の中心と周辺部に
レアアースを配置していたが、中心部の
使用量を削減しても機能が落ちないことが
分かったため、周辺部の配置も見直して、
使用量を 60%削減することに成功した。
ハイブリッド車用モーターにも採用されて
いるという。
ほかの磁石メーカーも代替技術の開発に
躍起だ。
大同特殊鋼は磁石の結晶を微細化し、
熱による磁力の減少を防ぐことで
ジスプロシウムの使用量を半減することに
成功している。
同社はさらに使用量を減らした新製品を
2011年から量産していく構えだ。
レアアースの安定確保には、海外調達
ルートの多様化や備蓄、代替技術の開発や
リサイクルなどメニューが決まっている。
政府はあらゆる対策に薄く広く予算を
投じているものの、これまで費用対効果を
検証してきたとは言いがたい。
前出の岡部東大教授は、
「政府は優先順位を明確にすべき」と指摘
する。
代替技術開発の方がリサイクルより実績
が上がっているとすれば、重点投資の対象
は明らかだろう。
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同感です。
費用対効果を検証して、重点投資が必要
だと思います。
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